レーシングブルズはベルギーGPで、アービッド・リンドブラッドのマシンにアップグレード・パッケージを投入しており、ロールフープの形状が真四角に近いモノとなっているのが目立つ特徴だ。このアップグレードをどちらのドライバーが使用するかは、ユニークな方法で決まったようだ。
リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドのレーシングブルズ勢は、カナダGPで投入されたアップグレード以降、チームの競争力向上を背景に、ともに最近の数戦で連続入賞を記録している。もともと互いに負けたくないライバル関係にある2人だが、チームはその競争心をさらに利用することにしたようだ。
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レーシングブルズがベルギーGPで投入した新パッケージにはリヤウイングやフロントブレーキドラム、エンジンカバーの改良が含まれている。エンジンカバー周辺の気流を改善するため、ロールフープ(エアインテーク部分)の幅も細く変更された。ただし、この変更にはシャシー自体の大掛かりな改修が必要だった。
※レーシングブルズのマシン比較(左が旧仕様のローソン、右が新仕様のリンドブラッド)新仕様はロールフープの形状が変わっている
そのため、ベルギーGPまでに用意できたアップデートは1台分。そこでチーム代表のアラン・パルメインは、この1セットのアップグレードを巡ってドライバー同士に勝負をさせることを思いついたという。
「オーストリアで2人と話をした」とパルメインは振り返る。
「予選結果がとても良くて、みんな機嫌が良かったから、『いいニュースの後に悪いニュースを伝えよう』と思ったんだ」
「『スパ用にいいアップグレードがある。でも1台分しか間に合わない。もう1台は次戦ブダペストになる』と説明した」
「『だったらスパでは誰も使わず、ブダペストで2台とも導入するのが一番公平だ』と言ったんだ。もちろん2人は『何を言ってるんだ?』という顔をしていたし、私自身も本気では考えていなかった」
そこで提案されたのが、イギリスGP予選での対決だった。
「コイントスでもいいし、もっと面白くするならシルバーストン予選で前だったほうがアップグレードを使える、という勝負にしよう」
「2人とも即座に賛成した。それで、その方法に決めた」
イギリスGPでは、両者ともQ3に進出。最後にタイムを更新したリンドブラッドが9番手を獲得し、ローソンは10番手に終わった。その結果、アップグレードはルーキーのリンドブラッドが手にすることになったのだ。
ただ、パルメインは次回同じようなことが起きた場合はローソンが優先されることになるため、勝負は行なわれないと語った。
「もし今シーズン後半に同じような状況が起きるなら、次はリアムの番になる。同じ勝負はもうやらない。次回は自動的にリアムへ渡すつもりだ」
「ただ、誰かに一方的に与えるより、少し楽しめる形にしたかったんだ」
レーシングブルズはカナダGPで新しいフロアを投入して以降、中団グループでは最も好調なチームとなっている。パルメインはその経緯を次のように説明した。
「このマシンの開発開始は少し遅れていた。昨年はコンストラクターズ6位争いを戦っていて、それがチームにとって非常に重要だった。その影響で、シーズン序盤は苦戦することになると考えていた」
「メルボルンでは大規模なアップグレードを投入し、その後も継続的に開発を続けてきた。そして本当にマシンが変わったのは、モントリオールで投入した新しいフロアだった」
「このフロアがマシンの性能を一気に引き上げてくれたんだ」
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