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近代フェラーリに革新をもたらしたラ フェラーリ。ハイパースポーツカー史に刻まれた「画期」とは? 【Playback GENROQ 2019】

LaFerrari

ラ フェラーリ

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官能的なテクノロジー

とどまることを知らないスーパーカー・リーグの真打ちとして登場したラ フェラーリは、その名の通り彼らの70年におよぶクルマ造りの集大成であるとともに、既存の自動車の枠を超えたテクノロジーを内包することでスーパーカーの在り方を変えた、ひとつの転換点というべき存在である。

西川 淳「自動車の枠を超えたテクノロジーはスーパーカーの画期と呼ぶにふさわしい」

フェラーリ好きが特に「スペチアーレ」と呼んで珍重する限定モデルは、ほぼ10年に1度の割合で登場する。このビジネスモデルの端緒は創立40周年記念のF40だったが、その直前に登場していた同じく限定車の(288)GTOを含め、スペチアーレはもはやフェラーリ中のフェラーリとして、崇拝の対象とさえなっている。

マクラーレン P1、ポルシェ918 スパイダーに続く、2010年代のスーパー“スター”カー3部作、その〆を飾ったスペチアーレがラ フェラーリ、英語で「ザ・フェラーリ」だ。ベルリネッタが世界限定499+1台、オープンのアペルタが同じく209+1台。+1台の意味はそれぞれチャリティオークション用にマラネッロが特に誂えた個体を示す。

「フェラーリの、否、ハイパースポーツカーの画期というにふさわしい」

20世紀から続いた高性能自動車テクノロジーの集大成、といったところだろうか。55周年時にエンツォという、それ以上ないと思われたネーミングのスペチアーレを世に送り出し、その約10年後に、未来へ向けたチャレンジングなハイブリッドパワートレインをもつスペチアーレを、その名も正しく究極というべき「ザ・跳ね馬」と名付けて出すまでの間にフェラーリは、ブランドとしての正に還暦を迎えたのだ。それ以前にイタリアやモデナ、マラネロ、フィオラノ、ディーノ、エンツォ、といった聖なるネーミングはもう既に使い果たしたが、ラ フェラーリ以降に登場したモデルはカリフォルニアやルッソ、スーパーファスト、そして488 GTBといった具合に、再び過去の名前を掘り起こしたことからも、1周回ったことが伺える。

ということは、つまり、このクルマの登場が、フェラーリの、否、ハイパースポーツカーの画期になる可能性があった、ということだ。当然、その中身には、自動車製造の枠組を超えたテクノロジーの粋が詰まっている。ハイパワーV12エンジン搭載に始まり、“HY-KERS”2モーターハイブリッドシステム採用、空前絶後のシステムパワー約1000ps達成、さらにはほとんどミルスペック=軍事用かウラン増殖用遠心分離機用のカーボンファイバーコンポジットの採用まで、正にスーパーカーの画期というにふさわしい。

「ラ フェラーリがすさまじいのは、そのパワーからは想像できないドライバビリティ」

マラネッロの還暦。エンツォで一巡した史上最強にして世界最高のスポーツカーブランドは、その名も「ザ・フェラーリ」というモデルで、また新たな一歩を踏み出したのだった。

ラ フェラーリがすさまじいのは、そのパワーからは想像できないドライバビリティを有すること。10年前のエンツォよりも、断然に運転しやすい。パワートレインやシャシー、サスペンションが、ドライバーの意思に忠実かつ完璧に応えるよう、緻密に制御されているからである。

加えて空力も、ロードカーとしては、2010年代の最新かつ最先端にあって、それがまた高速域での安定したドライビングを効果的に手助けする。たとえそれがサーキットを攻めているような場面でも、だ。

もちろん、真のプロフェッショナルに適応すべく、全ての制御をドライバーに委ねることも可能で、その場合は1.25トンに1000psという、とてつもないパワーウエイトレシオを経験することになるだろう。

「もうひとつの画期。それはインハウスデザインを採用したことだ」

もっともこういった話は、スーパー“スター”カー3部作をはじめとするモダンハイパーカーに共通するもの。泣く子も黙るハイパワー化と社会の荒鉈掟というべき低炭酸ガス化を同時達成するため採用されたPHVなどは、その際たるものだろう。世界にその名を轟かせるブランドが、ほぼ同じ時期に、ほぼ同じコンセプトに基づき、ハイブリッドハイパーカーを限定とはいえリリースした意味は重要である。

自動車産業におけるその意味合いを考察すれば、マラネロが市販車に「ザ・フェラーリ」という、究極の名前を与えたこともまた理解できよう。

話をラ フェラーリそのものに戻して本稿を締めくくる。もうひとつ、この特別な跳ね馬にはマラネッロの画期があった。それは、インハウスデザインを採用したことである。

「過去と未来のブリッジ。それだけでもラ フェラーリの付加価値は高い」

フェラーリといえば長年に渡ってピニンファリーナがスタイリングを担当するというのが常識だった。ところがラ フェラーリの開発においては、フラビオ・マンツォーニ率いる社内のデザインチームの提案が採用されたのだ。もっとも、以前でも自動的にピニンファリーナへ発注されていたわけではないらしい。ちゃんとデザインコンペは行われていた。今回も、ピニンファリーナ案(ガレリアに飾ってあるが相当にかっこいい)と競合し、最終的に社内チームが勝った、という体になっている。

ブランドの還暦を終えたマラネッロがインハウスデザインで過去と未来のブリッジとなるスペチアーレを造る。それだけでもラ フェラーリの付加価値は高いと言っていいだろう。

山崎元裕「背後のV12は、あくまでも脇役」

ラ フェラーリとは、英語に訳せば「ザ・フェラーリ」の意。そのネーミングからも、その走りが刺激的なものであることは明らかだろう。現代のフェラーリではお馴染みになった、まずはブレーキペダルを踏み、ステアリング上のスタートボタンをプッシュしてエンジンを始動、右側のパドルを引くとギヤは1速に入る。あとはアクセルペダルを踏み込むだけで、スムーズに加速を開始するのは、これもまたいかにも現代のフェラーリらしい。

ラ フェラーリの走りで圧巻なのは、やはりドライブ・モードを選択するロータリー・スイッチ=マネッティーノで「レース」を選択し、エンジンとエレクトリックモーターがフルパワーを発揮した時の加速感、そしてアクセルレスポンスの鋭さだろう。低速域ではミッドのV12エンジンはあくまでも脇役であり、瞬時に最大トルクを発揮するエレクトリックモーターが、驚くほどの加速を演出してくれるのだが、そこからV12エンジンのパワーを得ていくつながりもナチュラルなもので好感が持てる。ステアリングを始めとする操作系は、歴代のスペチアーレと比較しても驚くほどに軽く、しかしながら正確さでの不満はない。まさに1点の曇りもない走りが味わえる。

70周年を飾ったスパイダー「ラ フェラーリ アペルタ」

ラ フェラーリの派生モデルとして2016年に209台の限定で発売されたのが、タルガトップをもつラ フェラーリ アペルタ(イタリア語でオープンの意)だ。基本構造やスペックはラ フェラーリと同様だが、脱着可能なルーフには重量増を避けるためソフトトップを採用(オプションでカーボンのハードトップも選択可)。そのためにドアの開閉機構がクーペと異なっているのも特徴といえた。

2017年にはフェラーリ70周年を記念したオークション「Leggenda e Passione」のために1台を追加で製造(写真)。新車価格の倍以上の830万ユーロ(当時のレートで約10億7700万円)で落札され、その収益金が「セーブ・ザ・チルドレン」の支援に使われたことも話題となった。

【SPECIFICATIONS】

ラ フェラーリ

ボディサイズ:全長4702 全幅1992 全高1116mm
ホイールベース:2650mm
車両重量:1255kg
エンジン:V型12気筒DOHCハイブリッド
総排気量:6262cc
最高出力:718kW(660ps)/9000rpm ※システム最高出力値
最大トルク:900Nm(91.8kgm)/6750rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック)
タイヤサイズ(リム幅):前265/30ZR19 後345/30ZR20
最高速度:350km/h以上
0-100km/h加速:3秒未満

※GENROQ 2019年 6月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。

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