F1モナコGPからほぼ3ヵ月経った今もなお、F1で最も権威あるレースの結果は確定していない。
ピエール・ガスリー(アルピーヌ)に対する、2件のピットレーン速度違反はレース翌週に覆され、アイザック・ハジャー(レッドブル)からガスリーに3位のトロフィーが移った。
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しかしマクラーレンとレッドブルはその後、FIAの国際控訴裁判所(ICA)にこの決定に対する異議申し立てを行ない、8月25日にようやくその審理が行なわれた。
ただし、関係者全員が、すぐに裁定が出ることはないとの見方を示している。決定そのもの、あるいは決定理由の説明が出るまでには、さらに2~3週間ほどかかる可能性がある。ICAの案件としては通常の手続きだ。
今回、より異例だったのは、審理が丸1日を費やしたことだった。ICAは関係するすべての当事者から主張を聞いたが、慎重に判断を下すには時間が必要になる。これは法的な論点が複雑であることに加え、F1全体に及ぼす影響も大きいためだ。特にマクラーレンは今回の問題を、単なるポイント争いではなく「公平性の原則」に関わる問題だと明確に位置づけている。
ガスリーへのタイムペナルティが取り消されたことで、ハジャーとオスカー・ピアストリ(マクラーレン)はともにポジションを失い、それに伴って獲得できるポイントも減った。
しかし、両チームによれば、問題はそれだけではない。両者はモナコGPで起きた一連の出来事が、危険な前例を作る可能性があると主張している。
マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、ザントフールトで、今回の控訴には「二重の目的」があると説明した。つまり、2つの選手権で失ったポイントを取り戻すことだけが目的ではないということだ。
「モナコのレース後に行なわれた手続きは、すべての競技者にとって公平だったのかという観点から、見直す必要があると考えている。ペナルティが取り消されたという事実には、重大な懸念を生じさせる要素がある」とステラは語った。
「もちろん、このケースにはもっと技術的な部分もある。ピットリミッターの速度がどのように算出されたのか、といった点だ。でも私にとって大きな問題は、公平性とその原則を明確にし、場合によっては元に戻す必要があるということだ。今回起きたことは、非常に大きな懸念を生んでいる」
ステラの最後の発言が指しているのは、今後ドライバーやチームがコース上でタイムペナルティを受けても、それを消化せず、チェッカーフラッグ後に異議を申し立てることが最適に思われてしまう可能性だ。
モナコでは、ペナルティをその場で受け入れたことで、ピアストリやジョージ・ラッセル(メルセデス)らが結果的に不利益を被った。ラッセルはタイムペナルティを消化しようとしたものの、適切にペナルティを消化できなかったため、さらにドライブスルーペナルティを受けたのだ。
最終的にラッセルはモナコでポイントを獲得できず、レース後に状況を覆す機会も失った。メルセデスはその後に対応策を検討したものの、結果を変えることはできなかった。
さらにチーム側は、測定方法に誤りがあったとしても、それが全ドライバーに対して同じように適用されていたのであれば、そのシステムに一定の欠陥があることを受け入れるのも、選手権に参戦する者の責任の一部だと考えている。そうしなければ、どこまでも過去の裁定を掘り返すことになり、収拾がつかなくなるからだ。
マクラーレンとレッドブルによれば、今回の件はまさにそうした危険な前例を作ることになるというのだ。一方、ICAの裁判官たちは、事実上、「どちらを選んでも問題が残る」という難しい判断を迫られている。
モナコGPについて言えば、今となってはすべての関係者にとって理想的な解決策を取ることは、もはや難しい。
モナコGP後の調査によって、ピットレーンの速度計測に誤りがあったことが判明。2つの計時ループ間の距離に77cmの誤差があったため、速度計測そのものが正確ではなくなり、ガスリーらのドライバーが実際に速度制限を超えていたことを証明できなくなった。
だからこそ、計測が間違っていたことが分かった今、後知恵でガスリーのタイムペナルティを再び復活させるのも難しい。
しかし同時に、誤った計測によって不当にペナルティを受けた可能性のある他のドライバーたちは、すでに失った時間を取り戻すことができない。
そのため、ICAがどのような裁定を下したとしても、すべての当事者にとって完全に公平な結果を実現することは、ほぼ不可能な状況になっている。
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みんなのコメント
機械の故障だったとか。
いつになく早い裁決したなと感心したらこんなお粗末さま。裁決委員はなんの仕事もしてないってことか。