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塗料と砂で立体的なリアル腐食を表現。3年制作のダイハツ・デッキバン

掲載 19
塗料と砂で立体的なリアル腐食を表現。3年制作のダイハツ・デッキバン

お金をかけるだけでは生まれない渾身の腐食エイジング!

「ナンだ、このクルマは」と思わずそう声を上げてしまいそうな、サビだらけのダイハツ・デッキバンを発見した。ボディはいたるところが朽ち果てたように見え、その姿はまるで映画『マッドマックス』シリーズに登場する荒廃したマシンさながらだ。ところが、この強烈なルックスは長年放置された結果ではなく、オーナーの“ぬまちゃん”さんが、時間と手間を惜しまず作り上げた「エイジングペイント(経年劣化やサビ・汚れを塗装技術によって再現するカスタム技法)」によるものである。

最新のクルマに錆を再現! プラモデルの塗装技法を用いた衝撃カスタム

オールペン構想から一転!「海底に沈んでいた小型潜水艇」という物語の構築

“ぬまちゃん”さんがこのデッキバンを手にした当初は、現在の姿を目指していたわけではない。最初はオールペン(全塗装の略で車体全体を塗り替えること)を施し、ちょっとお洒落なデッキバンとして楽しむつもりだったらしい。しかし、実際にきれいに仕上げてみると、どうにも面白みに欠ける。そこで友人と「逆にボロくしてみたら面白いんじゃないか」と話したことをきっかけに、サビだらけのクルマ作りがスタートした。

作業を始めた当初は、ここまで激しい姿になる予定ではなかったという。ところが、手を加えていくうちに「ここもやりたい、あそこもやりたい」とアイデアが次々に膨らみ、気が付けば現在の強烈なスタイルへとエスカレートしていった。製作当初は、単純に「古く見せる」「サビさせる」ことを考えていたが、現在の姿になるまでに方向性も変わり、そのコンセプトにひとつの物語を設定することを“ぬまちゃん”さんは決めた。

それは、海底に沈んでいた謎の小型潜水艇を引き上げたというものだ。さらに、その正体は国家特殊諜報員が使用していた秘密のマシンだったという設定である。長い年月を海底で過ごした結果、ボディは腐食し、内部には海の痕跡が残った。そんなストーリーを具現化したのが、このデッキバンというわけだ。

放置した水性塗料と砂が生み出す立体的な腐食感と室内まで続く世界観

現在、ボディのイメージを大きく変える手法としてラッピングも定着しているが、“ぬまちゃん”さんが追求するのは、単なる「見た目」ではなくリアルな質感の追求にある。そのためいかにヤレ感、サビ感、腐食感を表現できるかがポイントで、それをひたすら考え、さまざまな塗装方法を試行錯誤していた。

なかでも注目したいのが、腐食部分の立体感だ。実車のサビが激しく進行すれば、塗膜が浮き上がったり、表面が剥離して凹凸が生まれたりする。しかし、それを塗装だけで表現するのは難しい。そこで考案したのが、水性塗料を使った独自の方法だ。

塗料缶のフタを開けたまま約1週間放置して水分を飛ばし、塗料が適度に結晶化したタイミングでスポンジに取り、ボディへ叩き付けるように塗っていく。さらに、より激しく腐食した部分には少量の砂を混ぜることで、表面をザラザラ、ゴツゴツとした質感に仕上げる。こうした工夫によって、平面的な「サビ模様」ではなく、実際に腐食が進行したような立体感を生み出せるようになる。

もちろん、作り込んでいるのは外装だけではない。小型潜水艇という設定を徹底するため、室内には太さの異なるパイプを張り巡らせ、リアシートには潜望鏡を覗いたまま海底で眠っていたかのような白骨化した船員を再現した。ところどころに海藻がぶら下がるなど、細部にも遊び心が満載だ。

ハンドルやシフトノブにはワンオフ(市販品ではなく専用に1点物として特注・自作されたパーツ)加工したチェーンタイプを採用した。さらに、ドア内張りやダッシュボードなどの樹脂パーツも、潜水艇をイメージした金属パネル風にリメイクしている。外観だけでなく室内に乗り込んだ瞬間まで世界観が続くように作られているのが、このクルマの面白さといえるだろう。

制作期間約3年の情熱と「海底の小型潜水艇」エイジングペイント

ここまで仕上げるのに要した期間は約3年。それでも、“ぬまちゃん”さんによれば「まだ完成形ではない」という。その理由は、製作を進めるほど新たなアイデアが浮かび、次々と手を加えたくなってしまうからだ。現在はフロントマスクの変更も検討中で、フォルクスワーゲン好きということもあり、将来的にはワーゲンバスを思わせるスタイルも視野に入れている。

お金をかければ完成するカスタムとは違い、エイジングペイントに必要なのは、むしろ時間とアイデア、そして「ここまでやるか」という情熱にある。“ぬまちゃん”さんのボロボロに見えるデッキバンリメイクの裏側には、3年にも及ぶ地道な作業と、オーナーの遊び心から生まれた壮大な物語が詰め込まれていた。

文:Auto Messe Web 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
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みんなのコメント

19件
  • jee********
    汚い。

    この感情しか湧きません
    (*´ω`*)
  • ごうまえのり
    錆びや腐蝕の仕方を知らない人が作った事が良く分かります。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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