今月末に開幕を予定している2020全日本スーパーフォーミュラ選手権だが、新型コロナウイルスによる外国人の入国規制の関係で海外に滞在中のドライバーの来日目処が立っていない。その中でTEAM MUGENの中野信治監督はユーリ・ヴィップスの開幕戦起用を第一に考え動いていると語った。
外国人の入国規制に関しては在留資格を持っている人を中心に細かい部分で段階的に緩和されており、スーパーGTに参戦するベルトラン・バケットやヘイキ・コバライネンも再入国が叶っている。しかし、ヴィップスをはじめスーパーフォーミュラに今季参戦を予定している4人の外国人ドライバーについては、来日の可能性をまだ探っている状態だ。
■スーパーフォーミュラも海外ドライバーらの“入国制限”が課題に……JRPが現状を報告
さらに入国できたとしても14日間の自主隔離が必要となるため、8月28日からスーパーフォーミュラの走行が始まることを考えるとタイムリミットは迫っている。
それでも中野監督はヴィップスが来日できるよう出来る限りのことをやっていると語った。
「もちろん(ヴィップスを開幕戦で起用することを)諦めていなくて、色々動いている状況です。そこに関してはなんとも言えないですけど、向こうでやれるだけのことをやって、日本側から手伝えることは全てやりました。あとはエストニアの大使館がどういう判断を下すかということになると思います」
万が一ヴィップスが来日できなかった場合は代役ドライバーを起用することになりそうだが、基本的にレッドブルカラーの15号車はレッドブル本社の意向が優先される様子。中野監督も現状ではヴィップスに開幕戦から参戦してもらうことが一番ベストな選択肢だと語った。
「一番はユーリに来てもらえるというのがベストです。やっぱりシーズンを通しても全戦乗ってくれた方が我々としてはありがたいです」
「ただ最悪の場合は代役を乗せることになるのか……そこはレッドブル本社との話もあるので、どういう方向でやるのかに関しても話をしている最中です。もちろんホンダや我々の意向もありますが、基本的にはレッドブル主動で始まっているプロジェクトではあるので、まずは向こうがどういう風に考えるのかというのを第一に決めてもらわないと我々としても動けないところがあります」
すでにTEAM MUGENのみならず、来日の目処が立っていない外国人ドライバーやWECスパ6時間に参戦する中嶋一貴、小林可夢偉、山下健太も開幕戦もてぎへの参戦が不透明な状況となっており、該当チームは万一の場合に備えて代役ドライバー起用の準備を始めている。
ただ、中野監督はこれをきっかけに若いドライバーにチャンスが回ってくることについては良いことだと考えているようだ。
「こういうタイミングで色んなドライバーにチャンスが来るというのも、僕は意味があるのかなと思います。他チームでも若いドライバーが乗ることになると思いますが、僕は若いドライバーがどんどんチャンスを得られる機会があってほしいと考えるタイプです。実際に育成などもやらさせていただいているので、とにかく若いドライバーたちがチャンスを得られるというのは良いことですし、どんどん(チャンスを)あげたいと思っています」
「我々のチームはまだどうなるか分かりませんが、もし若いドライバーにチャンスが回ってくれば僕自身としては嬉しいですし、そこで活躍できるように全力でサポートしていきたいと思います」
なお、ヴィップスのパーソナルマネージャーを務めるマルコ・アスマーによると、今週中に彼の日本への入国をトライするとのこと。依然として入国許可が下りない可能性も残っているようだが、デッドラインを迎える最後の瞬間まで開幕戦への参戦を諦めていないようだ。
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