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悔しさ爆発。表彰台射程もトラブルの岩佐、「こんな苦戦は久しぶり」の野尻。トンネル出口は富士テスト?

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悔しさ爆発。表彰台射程もトラブルの岩佐、「こんな苦戦は久しぶり」の野尻。トンネル出口は富士テスト?

 真夏日となった2025全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦もてぎ。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが約13年ぶりにワン・ツー・フィニッシュを飾った一方、ここ数年トップチームとして君臨していたTEAM MUGENは岩佐歩夢がトラブルでリタイア、野尻智紀も9位で2ポイント獲得と、ここ最近の中では珍しいほど苦戦する結果となった。

 ふたりともレース後のメディアミックスゾーンでは悔しそうな表情をしていたが、その中でも苦戦しているポイントやこのレースで感じたことはさまざまだったようだ。

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■岩佐歩夢「数少ない“納得できる”レースだっただけに悔しい」

 開幕2戦連続で表彰台に上がり、ポイントリーダーとしてもてぎにやってきた岩佐だが、金曜フリー走行を終えた段階では「Q1落ちをしてもおかしくないような感じだったので、かなりポジティブな改善ができたかなと思います」と、苦戦をしていた様子。そこからマシンのセットアップ含めて大幅な改善を図り、予選では6番グリッドにつけた。

「(金曜日の時点で)僕からのリクエストは本当にシンプルで『もっとグリップして、曲がるクルマをお願いします!』とお願いしていただけでした。そこはエンジニアの皆さんがすごく良いクルマを作ってくれたなと思います」と岩佐。そこから決勝に向けてもパフォーマンス面では向上させていくことができたようで、全体的にペース良く走れたという。

 18周目にピットストップを終えて、後半は4番手を走行。タイヤ交換が後半になったことについては「自分のタイヤのフィーリングも加味して、チームで決めてもらいました」とのことだが、後半勝負になるということでオーバーテイクシステムもセーブし、28周目に入った時点では残り158秒も残っている状態。3番手のイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)との差も1秒を切るところまで迫っており、表彰台圏内へのトライも考えていたという。

「後半はペースも良かったですし、タイヤのキャラクターも鈴鹿を含めて今回も自分なりに掴んでいた上でマネジメントをした結果、あのペースが作れていました。あそこから(前に)行けるようなフィーリングもあったので、勝負できなかったのは悔しいです」

 しかし、5コーナーに入るところでギヤが落ちなくなりスローダウン。そのままV字コーナー手前でマシンを止め、悔しさを爆発させていた。

「予選で6番手というパフォーマンスから、さらにレースに向けて上げていけたというのが大きかったです。トータルで見て今週末のなかで一番良いパフォーマンスを間違いなく発揮していたと思うので、自分のドライビング、パフォーマンス的にも、自分で納得できるレースは少ないんですけど、今回のレースに関してはけっこう良い形でレースを運ぶことはできているというのは感じていたので、その中でのトラブルだったのが余計悔しかったです」と険しい表情を見せていた。

 日曜の第4戦に向けては「まずは気持ちを切り替えないといけないです。トラブルに関してはメカニックさんのミスとかではなく、本当にシステム的な部分なので、そういったところが起きないような対策をチームの皆さんがしてくれると思います」と岩佐。

「まずは予選のパフォーマンスを上げていかないと。決勝でダーティエアに入ると抜きにくいというのは分かっていた話なので……今日は6番手でしたけど、明日に向けてはもっと上げていかないといけないので、まずは予選パフォーマンスがけっこうキーになってくるかなと思います」と課題を語った。


■野尻智紀「6月の富士テストまで、どうしのぐか」

 一方の野尻はQ1Aグループで3番手タイムを記録するが、Q2では今ひとつ伸び悩み8番グリッドとなった。決勝では10周目にピットインしてアンダーカットを狙っていく作戦だったが、後半は苦戦している様子が随所で見られ、最終的に9位でレースを終えた。

 金曜日の苦戦している状況から予選・決勝とパフォーマンスを上げていった岩佐に対し、野尻は課題を克服できないまま1日を終えた印象だったという。

「Q1はそれなりに行けるかなという感覚は出てきたものの、Q2に向けていずれにしてもタイムはもっと上げないといけないなというところで、Q2に向けてはもう少し曲げる方向にセットアップをしていきました。理論的には曲がる方向のものだったんですけど、結果的にそうはならなくて。クルマの動きにイレギュラーなことは起きているんだろうなということを把握できました」と野尻。

 その原因はいろいろあるのかもしれないが、その中でも新しくなったタイヤについて触れ「このタイヤに対しての合わせ込みというところが不十分なところがあって、非常に難しい状況にあるかなと……今だとダンディライアンの2台がそうですけど、スイートスポットが広くて、(一方で自分たちは)いつでも速いというところから少し遠ざかっている印象ですね。明日の予選も少し苦しむかもしれませんけど、なんとかピークパフォーマンスを出し切っていけるようにしないといけないなと思っています」

 新タイヤへの合わせ込みという課題は決勝も同様で「予選と一緒で、すごく課題のある動きをしている」と野尻。

 そこについての改善方法はある程度仮説が立っているとのことだが、現状で簡単に状況を変えられるようなものではないとのこと。

「大きな変更も強いられるかもしれないので、明日に向けてどれくらい自分たちのリスクを負って、トライをしていくか。そこが非常に難しいなと思います。その中で今日は苦しいなかでもポイントは獲れたので、そこは良しとしないといけないですけど……だいぶ望んだ結果ではないなと。ここまで苦戦するのは、本当に久しぶりの感覚ですね」と肩を落としていた。

 野尻が言うには、現状の悩みは深刻なようで、6月初旬の富士公式テストでテコ入れをしたいと考えている様子。「正直、富士テストまでどうしのぐか。それがチャンピオンシップを諦めない上でもひとつキーになるのかなと思います。できれば、明日からしっかりトップを争える状況にして、いつもいたポジションに戻りたいなと思います。ただ、やれることはしっかりやり切らないと、富士テストにもつながらなくなってしまうので……なんとか耐えしのぎたいなと思います」と語っていた。

 2022年、2023年とチームタイトルを獲得し、常勝トップチームという印象が強かったTEAM MUGEN。序盤戦の締めくくりとも言える明日の第4戦で、どういうふうにレースを終えられるかが、中盤戦に向けた流れにも大きく影響しそうだ。

[オートスポーツweb 2025年04月19日]

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