レガシィと聞いて懐かしく感じる人も多いだろう。1990年代に巻き起こったステーションワゴンブームの火付け役にもなった1台だ。
しかし、世の中のトレンドがステーションワゴンからミニバン、SUVへ変わるなか、レガシィの立ち位置も微妙となった。
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気づけば日本市場のラインナップは「B4」と呼ぶセダンと、「アウトバック」と呼ぶクロスオーバーのみ。ステーションワゴンの主力は「レヴォーグ」に移り、レガシィはすっかり影の薄い存在になってしまった。月間販売台数を比べても、レヴォーグが約1000台なのに対し、レガシィシリーズは約500台と、半分だ(2018年7月度)。
とはいえ、SUBARUはレガシィをむろん見捨てているわけではない。しかもこのほど、魅力的な特別モデルが登場した。「X-BREAK」という呼称のそれは、専用パーツによって内外装の印象を大幅に変えるとともに、実用性を高めた1台だ。
ベースとなったレガシィ アウトバックは、最低地上高を200mmとするなど、通常のステーションワゴンに対し、悪路走破性を高めたクロスオーバーだ。端的に言えばステーションワゴンとSUVの中間と思えばいい。
今回、新たに追加された「X-BREAK」は、SUBARUの量産車登場60周年を記念した特別モデルだ。「アウトバックが持つ上質さにアウトドアスポーツギアのファッション性と機能性を融合させた」と、メーカーはうたう。
エクステリアでまず目を引くのがブラックの大型ルーフレールだ。しかも、このルーフレールはクロスバーを内蔵する。クロスバーを取り外してルーフレールに装着すれば、自転車やスキー板を載せる際の“土台”が簡単に出来る。アウトドア好きには重宝する装備だ。
このほか、専用のダークグレーメタリックの18インチアルミホイールや、ブラックのドアミラカバー、イエローグリーンの加飾のあるブラックのフロントグリルなどが主張している。おかげで精悍だ。
インテリアも同様に、ブラック・グレーを基調とする専用パーツを備える。イエローグリーンのステッチをあしらったグレー&ブラックカラーの専用シートは、撥水ファブリックと合成皮革のコンビタイプだ。また、前後席のドアハンドルに照明を設けたことで、夜間の使い勝手を高めた。
このほか、フロントセンターアームレストやカーゴフロアボードなどが奢られ、かつインテリアの各所にイエローグリーンステッチがあしらわれ、ベースモデルと差別化している。
走行性能はベースモデルと変わらない。搭載するのは2.5リッター水平対向4気筒(175ps/235Nm)エンジン。これにCVTを組み合わせる。駆動方式はSUBARUが得意とする4WDのみ。衝突軽減ブレーキの性能が向上した先進安全装備群「アイサイト」も標準装備だ。
素の良さはそのままに、豊富な専用装備を備えるX-BREAKではあるが、価格は340万2000円と、ベースモデル比プラス10万8000円高に抑えている。なお、特別記念モデルのため通常モデルと異なり突然の終売も考えられるだけに、気になるなら早めの購入を勧める。
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