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【英国にアルピナを広めた男】フランク・シトナーに聞く アルピナB3 ツーリング AUTOCARアワード2021 後編

AUTOCARで絶賛されてきたアルピナ

text:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】詳細テストで満点獲得 アルピナB3 ツーリング リムジンとベースの3シリーズも 全66枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


AUTOCARでは、2020年末に最新のアルピナB3ツーリングへ試乗している。賛美する内容だったが、フランク・シトナーも読んでくれたらしい。ただしアルピナがAUTOCARで絶賛されたのは、前回が初めてではない。

シトナーは学校を卒業すると、広告の仕事へ関わった。その経緯もあり、B9がどんなクルマなのか詳しく理解していたという。「BMWの広告代理店の協力を受け、当時のわれわれでは不可能な規模の広告展開を仕掛けることができました」

1980年代のロンドンでは最もエネルギッシュな代理店、WCRSとの仕事を指している。財務責任者が、プライベートジェットを飛ばすような企業だ。M635 CSiなど、英国では有名なBMWのキャッチコピーを数多く生み出している。

「エグゼクティブ・ジェット、エグゼクティブ・スポーツカー」というキャッチコピーで、アルピナの広告がAUTOCARにも載った。今聞くと新鮮味のないものだが、その頃はとてもパンチ力のあるメッセージだった。

「本当に素晴らしいものを、ライバルのいない市場へ売り込むことは、そうではないものを売るよりはるかに簡単です。広告で目にするアルピナの主張は、すべて真実だと思いますよ」。現在も毎日のようにアルピナをドライブするシトナーが話す。

ちなみに彼が乗っているのは、F30型のD3ビターボ・オールラッド。アルピナ・ブルーに塗られているが、ストライプは入っていないという。

現在でも生産台数は1800台程度

1980年代後半になり、アルピナは自動車メーカーとして型式認証を英国でも受け、完成車の輸入が可能となった。ブランドの展開を祝い、彼はワインのボトルを抜いたことだろう。ちなみにワインの貿易も、アルピナの収益の15%を占めている。

1989年11月9日、アルピナを創業したボーフェンジーペンと話しながらミュンヘン空港へ向かう途中、カーラジオからベルリンの壁が崩壊したというニュースが聞こえてきた。「当時の東ドイツは貧しく、統合後の経済的な余裕を心配する人がほとんどでした」

「しかしボーフェンジーペンは、メリットについてすぐ考えを広げました。彼はネガティブにこだわることはありませんでした。常にポジティブな側面を発見するんです」。シトナーが振り返る。

アルピナを築き上げた彼は、必要ならドイツの政治を熱く語り、先を見通す力があったらしい。1999年、アルピナはディーゼルエンジンを搭載するようになる。専門知識を利用し、見事に仕上げてみせた。

目的への適合性にも結び付いている。「ボーフェンジーペンの関心は、高性能というだけに留まりません。ライバルよりさらに320km遠くへ走れるかどうかも、意識していました」

これまで数十年に渡り、当初はブルカルト・ボーフェンジーペンが、近年は息子のアンドレアスが率い、アルピナは成長を続けている。しかし、威厳ある地位を一般化するほどの規模までには広げていない。

1980年代、アルピナが販売していたクルマは、英国で組まれていたぶんも含めて年間で600台程度。2021年でも、約1800台に留まっている。

アルピナなら新しい市場を生み出せる

1シリーズがベースの、小さな5ドアのディーゼルが欲しかった、と話すシトナー。一方でボーフェンジーペンが愛したストライプのデカールは、好きになれなかったという。

「英国では、多くの人がクルマに対する思慮深さを強く意識していました。目立っても構わないのなら、ポルシェを選ぼうと思うはずです」

E32型のBMW 745iは、右ハンドル車が英国には入ってこなかった。そこでシトナーは、B9と同じ手法を735iにも適用させることを決めた。現在でいうB7の原型として、英国で売られることになる。

ボーフェンジーペンは珍しいレシピとして、完全なホットモデルには仕上がらなかったと話している。しかし独自のB7の製造を許されたという事実が、アルピナとのつながりの暖かさや、相互尊重の関係性を物語る。

内燃エンジンの存続が危ぶまれる中で、不確実性は潜んでいると認めつつ、シトナーはアルピナの将来を不安視していない。「アンドレアスが進める技術は、彼の父のものと並行。より専門的な技術トレーニングが必要なだけです」

「アンドレアスのチームが、新しい小規模市場を生み出せると期待しています」。アルピナの強い独自性を認めるように話す。

「素晴らしいクルマを作って来ました。アルピナは主要な選択肢に対する、別の一択といえるブランド。今後、二度と生まれることはないかもしれません」。少し無関心そうにシトナーは口にするが、すぐに力強く続ける。

「起業家精神に溢れた、過去の一部です。ボーフェンジーペンによる、類まれな素晴らしい創造だったといえますね」

アルピナB3 ツーリングが満点を得た理由

AUTOCARの詳細テストでは、性能を確かめるだけでなく、カテゴリーでのゲームを一歩進める、という視点を重要視している。ポルシェ・タイカンやトヨタGRヤリスも、その一歩進んだゲームチェンジャー的な完成度を充分に理解できると思う。

客観的に優れているクルマでも、型を破れていないクルマの場合は満点には至らない。では最新のアルピナB3ツーリングは、ミドルサイズの高性能ステーションワゴンとして、革新的な内容だったとまでいえるだろうか。

AUTOCARで、採点する際にもう1つ重視しているポイントが、クルマの目的に合致しているかどうか。アルピナB3ツーリングが得点を高めた理由は、ここにある。クルマとしての完成度が高いとはいえ、この評価軸での満点という結果は珍しい。

乗り心地や操縦性の質感、性能のポテンシャル、製造品質、インテリアの設えや実用性、全方向への視界。評価するポイントを確認していくと、この種のクルマに求める内容に対して、アルピナB3 ツーリングはすべてが満点を付けられる水準にある。

美しいと感じさせるまでに考え抜かれたクルマであり、仕上がりは完璧。すべての強みが融合し、スペシャリストが作る以上のクルマとして完成している。

地球上で最良のオールラウンダーといっても過言ではない。筆者は、そう思う。

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