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【試乗】4代目ワゴンR、室内長+10cmの効果とスティングレーの上級装備は格別だった【10年ひと昔の新車】

掲載 更新 6
【試乗】4代目ワゴンR、室内長+10cmの効果とスティングレーの上級装備は格別だった【10年ひと昔の新車】

2008年9月、スズキ ワゴンRが5年ぶりにフルモデルチェンジされ4代目として登場した。登場以来15年間で累計300万台以上を売り上げた怪物モデルはどう変わったのか。Motor Magazine誌では、この「日本で最も売れているクルマ」のフルモデルチェンジに注目し、その狙いを探っている。ここではその試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年12月号より)

本来の道具感を残したワゴンRと、特別感のあるスティングレーの2本立て
トール系軽ワゴンのパイオニアとして、今なお君臨し続けるワゴンR。1993年9月の初代発売から15年、今年2008年6月には累計の販売台数が300万台を突破したというド級の国民車が、今回フルモデルチェンジを行い4代目となった。

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一見してすぐにワゴンRだとわかる独特なスタイリングを持つが、直線で構成されボクシーだった先代と比べ、今回は柔らかなラインで丸みのあるデザインとなっている。全体の雰囲気としては先々代(2代目)の路線に近い。

サイドビューをよく観察すると、初代から続くデザインキューだったシックスライトでないことに気づく。これはホイールベースを先代比で40mm拡大したことで、前後ドアとも従来より大きくできた結果なのだという。

グレードは大きく分けると、伝統の縦目大型ヘッドランプを持つ「ノーマル」のワゴンRと、幅を強調したクールなフロントマスクを持つ「スペシャル」なワゴンR スティングレーの2つ。これに54ps/63Nmを発生する直3のNAエンジン、64ps/95Nmの直3ターボエンジンの2種類が組み合わされる。トランスミッションはグレードにより5速MT、4速AT、CVTのうち2種類から選べるが、ターボモデルはワゴンR/ワゴンR スティングレーともCVTのみとなる。

今回はターボエンジンを搭載したスティングレーTS(FF・CVT)と、NAエンジンのワゴンR FXリミテッド(FF・CVT)の2台に試乗できた。まずはスティングレーTSの印象から。

先代比で室内長がプラス105mm、前後の乗員間距離はプラス140mmを確保したパッケージがウリということなので、最初に後席に乗り込んでみる。シートバック幅もクッション長も大型化されたという後席のスライドを最大に下げると、足を組んでもなお余裕のある広い空間が広がる。また、開口部の地上高を下げ、ステップとリアフロアの段差をほぼ解消したこともあり、スムーズな乗降を可能としている。

運転席に座ると、何というのか「もはや軽自動車ではないナ」という印象。ブルーに光る3連メーター、黒基調のセンターパネルにオートエアコン、ハンドル上のオーディオスイッチ、パドルシフトなど、小型車の上級グレード以上の装備であり、見た目も高い質感だと言える。

調整幅の広いシートリフターとチルトハンドルでポジションを決め、ボタンを押してエンジン始動。先代では、燃費の良いマイルドターボと、性能重視の直噴ターボの2つのターボエンジンを用意していたが、今回の新ターボエンジンはその両方の良いトコ取りをしたとのこと。CVTと相まって、するすると加速していく。

ステアリングパドルシフトを駆使してMT感覚での操作も可能だ。シフトノブをDレンジに入れたままでもパドルを使うことができる。

路面凹凸に対してのいなしは上手で、突き上げ感は少ない。普通に走っている分には乗り心地自体も悪くないのだが、ちょっとペースを上げてコーナーに入ると足が妙に突っ張った感じで、クルマの動きが若干不自然な印象を受けた。

ただ、この静粛性は今までの軽自動車にはなかったものだ。通常走行時ではロードノイズもエンジン音も室内にこもらず、それゆえ、走りの質がワンランク向上した感じを受ける。聞けば「高速での巡航でも、ドライバーと後席に座った人が普通の声で会話できますよ」とのこと。

ワゴンR FXリミテッドに乗り換えての走りの印象もほぼ変わらない。NAエンジンだけに高回転まで回してしまうため静かな印象は少なくなるが、それでも乗り味は軽自動車のイメージを覆す。

ノーマルのワゴンRの内装は、豪華なスティングレーに対してあえてカジュアルにしているようだが、スイッチ類の作り込みなどは少々残念。ワゴンR本来の道具感という意味ではこちらが正解なのかもしれないが、ワゴンR スティングレーの内装にワゴンRのエクステリアという組み合わせも今後期待したいところだ。ワゴンRには現状、チルトステアリングもシートリフターも付かない点も、今後の課題となるだろう。

何やかんや書きましたが、もの凄い情熱を持って開発されたことが、あらゆるところから伝わってくる新型ワゴンR /ワゴンR スティングレー。ダウンサイジングで白ナンバー車から乗り換えたとしても、その走り、装備に対して「軽だから・・・」という諦めはまったくいりません。(文:Motor Magazine編集部 /写真:藤田知久)

スズキ ワゴンR FXリミテッド 2WD CVT 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1660mm
●ホイールベース:2400mm
●車両重量:850kg
●エンジン:直3DOHC
●排気量:658cc
●最高出力:40kW(54ps)/6500rpm
●最大トルク:63Nm/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格(税込):118万1250円(2008年当時)

[ アルバム : 4代目スズキ ワゴンR/ワゴンR スティングレー はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

6件
  • 現行スティングレーのデザインを何とかしてください。あと、センターメーターも廃止で。上級グレードでも、HUDが標準装備でなくなった。
    要るか要らないかは別として、そろそろ全車速対応のACCくらい付けないと他社と差が出るよね。ムーヴも次期型で付くだろうし。
  • どうしてもテールランプ切れがあると思ってしまう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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