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マイナーチェンジでどこが変わった? VW「パサート・オールトラック」の万能さとは

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マイナーチェンジでどこが変わった? VW「パサート・オールトラック」の万能さとは

■マイチェンで内外装ともに大幅に変更

 8代目となるフォルクスワーゲン(VW)現行型「パサート」が日本で発売された2015年というと、あまり蒸し返すのもよろしくないのですが、ちょうどVWがディーゼルゲート問題に揺れたのを思い出します。

【画像】VW改良新型「パサート・オールトラック」を画像でチェック(20枚)

 じつは件のパサートにも、もっと早くTDI搭載モデルが日本に導入される予定があったようですが、そんな事情もありだいぶ遅れてようやく始まったのが、2018年2月のこと。さらに同年10月に追加されたのが、TDIを搭載したクロスオーバーの「パサート・オールトラック」です。

 じつのところ、日本導入当初のTDIモデルはディーゼルらしい力強さを身につけている半面、音や振動がにぎやかで、出足のクラッチのつながりにもたつきがあるなど、気になる点が少なくないように感じていました。

 待ったぶん、そのあたりも洗練されているのかと思いきや、意外とそうでもないことが少々残念でした。

 ところが、約半年後に日本に初めてやってきたパサート・オールトラックは、同じパワートレインを搭載するにもかかわらず、そのあたりの問題がずいぶんと解消していたことに驚いたものです。

 パサート・オールトラックは、パサートセダンやパサートヴァリアントには設定のない、フルタイム4WDの「4MOTION」のみの設定で、パサートヴァリアントよりも車高が30mm高く、外観では専用バンパーやホイールエクステンション、サイドシルなどが与えられるほか、インテリアには専用シートやアルミ調ペダルクラスターなどが採用されているのが特徴です。

 それから約3年。現行パサート自体、登場したのがもう約7年前なので、いつフルモデルチェンジしてもおかしくないわけですが、このタイミングで大がかりなマイナーチェンジを実施したということは、まだ当面はこれで行くと思ってよさそうです。

 今回のマイナーチェンジでは、LEDマトリックスヘッドライトが採用されたほかは、見た目の変更点はそれほどないようですが、全体的にいくぶんシャープさが増して精悍になったような印象を受けます。

 またリアのPASSATのロゴも移設されました。ボディカラーに、これまでパサートヴァリアント専用だった「アクアマリンブルーメタリック」が追加されたのも新しい試みです。

 インテリアはメーター類が一気にデジタル化されたほか、ダッシュ中央のアナログ時計に代えてバックライト付の「Passat」ロゴが配されるなどしています。

 さらに最新のインフォテイメントシステムが与えられ、常時コネクティッド化とオンラインサービス「We Connect」との組み合わせにより、渋滞情報の入手や、専用アプリによりスマートフォン上で窓の閉め忘れや駐車位置などの確認、さらにドアの解錠・施錠の操作も可能となりました。

■DSGが従来の6速から7速になり滑らかで力強い加速を実現

 試乗記の掲載順は新型ゴルフと前後してしまいましたが、じつはVW初の同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist」の設定は、こちらのパサート系が少しばかり先行しました。

 走りの面では、パサートのセダンおよびヴァリアントのTDIモデルともども、これまで6速だったDSG(DCT)が新しい7速仕様に変更されています。また、パサートのTSIは、1.4リッターから最新世代の1.5リッターに換装されたことも併せてお伝えしておきます。

ドライブすると、ディーゼルのTDIはいつもながら力強く、あまり回さなくても十分な加速が得られることにあらためて感心します。DSGのギア段数が6速から7速へと増えたことで、よりその良さが生きてくるのはいうまでもありません。

 パサートヴァリアントよりも地上高が高められていることに合わせて、ロール等の挙動を抑えるためのセットが施されているようで、荒れた路面を走るとやや硬さを感じる半面、狙い通り巡行時の安定性も高く保たれています。

 一方で、クロスオーバー4WDとしての使い方に合わせて、ヒルディセントアシストを搭載するほか、ドライブモードにオフロードモードが専用に設定されているのもオールトラックならでは。

 ラゲッジスペースは、通常時639リッター、最大1769リッターと広大です。2WDのパサートヴァリアントに対して、後輪を駆動するための機構による差はわずか11リットルに抑えられているのも特徴となります。

 リアシートは3分割可倒式で、4人の成人を乗せて、さらにスキーのような長尺物を積むような使い方にも問題なく対応します。背もたれを前倒しすると前端が少し持ち上がるものの、かなりフラットな荷室ができるのも、使いやすさを高めてくれそうです。

 車両価格(消費税込)は、標準モデルが552万9000円で、各種運転支援装備やDCC、XDSなどを標準装備するAdvanceが604万9000円となりますが、内容の充実度を考えると、せっかくオールトラックを買うなら、圧倒的に後者をオススメしたいところです。

Volkswagen Passat Alltrack TDI 4MOTION Advance
フォルクスワーゲン パサート・オールトラックTDI 4モーション アドバンス

・車両価格(消費税込):604万9000円
・全長:4785mm
・全幅:1855mm
・全高:1535mm
・ホイールベース:2790mm
・車両重量:1740kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1968cc
・駆動方式:4WD
・変速機:7速DSG(DCT)
・最高出力:190ps/3500-4000rpm
・最大トルク:400Nm/1900-3300rpm
・タイヤサイズ:245/45R18

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