フェラーリは昨シーズンのマシンSF90-Hに、トレンドともなったアウトウォッシュ(マシンの外側に向けて気流を流すスタイル)のフロントウイングを採用した。ただこのウイングは、フロントタイヤに当たる気流を削減して空気抵抗を減らすことには寄与するものの、その一方で発生するダウンフォース量は小さくなる傾向にある。
フェラーリのライバルであるメルセデスとレッドブルはこのトレンドを追わず、従来型のウイングを採用し、ダウンフォース確保を目指した。
■F1新車”雑感”解説:フェラーリSF1000……キープコンセプトに見えるが実は?
2019年のフェラーリが、特に前半戦で苦戦した理由のひとつは、ダウンフォース不足にあったのではないかと言われている。しかし今シーズンもフェラーリは、昨年同様”アウトウォッシュ重視”のフロントウイングを採用してきた。
SF1000の発表会で公開されたマシンに搭載されていたフロントウイングは、昨年の仕様である。テスト以降はこれが変更される可能性は高いが、アウトウォッシュ重視の考え方は、キープされる可能性が高い。
「これは最終的な仕様ではないかもしれない。しかし、確かにスタート時の基準であり、冬のテストに持っていくモノだ」
フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、フロントウイングについてそう語った。
「コンセプトを変えることはない。このままだろう。後にテストをすることがあったとしてもね。これは、我々にとって正しいコンセプトだと思う」
「我々はダウンフォースを大幅に改善したと思う。ウイングだけでなく、マシン全体を見ればね。ターニングベインなどは特にそうだ。ダウンフォースは、非常に複雑なモノだ。マシン全体がスリムであれば、マシンのリヤエンドやディフューザーの機能を向上させることになる。その結果、全体的なダウンフォースは確実に増加したと思う」
ダウンフォースの増加は、マシンの空気抵抗が増加することに繋がるのが常だ。しかしその両者の間の妥協点を見つけられたかどうか、ビノットはまだ確信できていないという。
「確かにダウンフォースを大幅に増やした。しかしそうすることで、空気抵抗のレベルも増加したはずだ。だからコーナリングは確実に速くなるが、ストレートスピードは遅くなる可能性があると考えている」
そうビノット代表は語った。
「どこが適切なバランスなのだろうか? 他の人たちが何をしているのか、それを知るのは難しいと思う。しかし確かに、ダウンフォースは大幅に増加した」
またビノット代表は、マシンのスイートスポットを見つけるために、シーズン序盤にはレーキ角(マシンのフロント部の車高を下げ、リヤを高くするセッティング)を試してみるとも語った。
「レーキは、バルセロナで試してみる予定のモノだ。それはレースにも続いていく」
ビノット代表はそう説明する。
「申し上げてきたように、このマシンの出発点は、昨年のマシンだったと思う。そのため、コンセプトを変更していない。だからホイールベースやレーキ角は、よく似ていると言うべきだろう」
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