■トヨタ斬新「“2人乗り”タテ目スポーツカー」に反響殺到!
クルマを取り巻く技術が高度化し、自動車業界では「電動化」や「自動運転」の話題が当たり前のように飛び交うようになりましたが、クルマ好きの間では「操る楽しさ」をどう未来へ残していくかという議論が絶えません。
【画像】超カッコイイ! これがトヨタ斬新「“2人乗り”スポーツカー」です!(22枚)
そんな中、今から約9年前の2017年にトヨタが世界初公開した1台のスポーツカーが時代を先取りしていたとして、再びSNSなどで熱い反響を呼んでいます。
それこそが、環境性能とスポーツカーの魅力を高次元で融合させた「GR HVスポーツコンセプト(以下、GR HVスポーツ)」です。
GR HVスポーツは、「世界を、ここから動かそう。BEYOND THE MOTOR」というテーマのもと、次世代のスポーツカー像を提示する実験的なモデルとして発表されました。
ベース車両には初代「86(ハチロク)」が用いられていますが、その中身と外観は原型をとどめないほど大胆に刷新されています。
ボディサイズは全長4395mm×全幅1805mm×全高1280mmと、ベースの86よりもさらに長く、広く、低く構えたロー&ワイドなプロポーション。
ボディカラーにはレーシングカーのような凄みを漂わせるマットブラックを採用し、フロントには世界耐久選手権(WEC)で活躍したプロトタイプレーシングカー「TS050 HYBRID」を彷彿とさせる縦型のLEDヘッドライトを備え、リアには大型のディフューザーを装着するなど、極めてアグレッシブなエクステリアに仕上がっています。
さらにファンを喜ばせたのが、ルーフの中央部分を取り外すことができる「エアロトップ(タルガトップ)」の採用です。
これは、かつての「トヨタスポーツ800(ヨタハチ)」や「スープラ」といったトヨタの名車たちが採用してきた伝統的なオープンスタイルであり、スポーツ走行だけでなく、風を感じるオープンエアの開放感も楽しめる“2WAYボディ”となっていました。
パワートレインには、レースの現場で鍛え上げられたハイブリッド技術「THS-R(TOYOTA Hybrid System-Racing)」を搭載。
重量物である駆動用バッテリーを車体の中央付近に搭載して重量バランスを最適化し、後輪を駆動する(FR)という、スポーツカーとして理想的なレイアウトが採用されていました。
そのため後席は廃止され、“2人乗り仕様”となっています。
そして、このクルマの最大のハイライトとも言えるのが、革新的なトランスミッションの機構です。
基本はクラッチペダルのない2ペダルのオートマチック車(AT)なのですが、ボタンひとつでマニュアル(MT)モードへの切り替えが可能。
センターコンソールには一般的なATのシフトレバーはなく、代わりにボタン式のギアセレクターが配置されており、赤いカバーを開けるとプッシュ式のスタートスイッチが現れるという遊び心満載のギミックが仕込まれていました。
そして驚くべきことに、その横にはなんと6速MTと同じ「Hパターン」のシフトゲートが用意されており、AT車としてイージードライブが可能ながら、ドライバーが望めばまるで本物のMT車のように手首を返してガチャガチャとギアチェンジを楽しむこともできたのです。
2017年当時は「ハイブリッド車=燃費は良いが走りは退屈」というイメージがまだ強かった時代。
トヨタは、電動化が進む未来においても「操る歓び」は決して失われないという強いメッセージを、このクルマに込めていたのでしょう。
完成度が非常に高かったにもかかわらず、残念ながらこのモデルがそのまま市販されることはありませんでした。
複雑なハイブリッドシステムをスポーツカーに搭載するコストの壁や、その後登場することになる「GRスープラ」や「GRヤリス」といった量産GRモデルへの開発リソース集中などが背景にあったと考えられます。
しかし、発表から9年が経過した現在でも、ネット上ではこのクルマへの反響が絶えません。
「マットブラックのボディが黒豹みたいでめちゃくちゃカッコいい」「エアロトップの造形が斬新で今見ても全く古さを感じない」といったデザインへの称賛に加え、「ATなのにHパターンで変速できるなんて最高すぎる!」「MT派だけど、このシステムなら喜んで乗りたい」「コンセプト止まりなのが本当に惜しい…今からでも遅くないから市販してほしい」といった、その革新的なシステムの実用化を熱望する声が多く寄せられています。
実際、現在のトヨタは電気自動車(BEV)向けの「疑似MTシステム」の開発を本気で進めており、クラッチペダルとHパターンシフトを備えてエンストまで再現する機構を作り上げ、これを搭載したプロトタイプでのテスト走行も公開されています。
GR HVスポーツが蒔いた「環境性能と操る楽しさの両立」という未来への種は、決して枯れることなく、次世代のスポーツカー開発へと確実に受け継がれているのです。(くるまのニュース編集部)
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