現在位置: carview! > ニュース > カー用品 > 今さら聞けない!雪道も走れるオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違い

ここから本文です

今さら聞けない!雪道も走れるオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違い

掲載
今さら聞けない!雪道も走れるオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違い

定義が曖昧なウインタータイヤの分類

 雪が本格的に降り出す季節まで時間はありますが、スタッドレスタイヤ商戦はすでに始まっています。主要サイズの場合、12月に入る頃には品切れなんてこともありますので、クルマの冬支度は早めにしたほうがいいでしょう。しかし、近年はオールシーズンタイヤの登場で、スタッドレスタイヤとどちらを選んだら良いのか悩んでいる人も多いと思います。そこで、この2タイプのタイヤの違いについて紹介しましょう。

コンフォート系なのに乗り心地悪化? 意外と知られていないタイヤの選び方

 スタッドレスタイヤというのが冬用タイヤなのは知っていますが、一方は”オールシーズン”というくらいだから、夏も冬も走れるタイヤに違いない。そういえば、ウインタータイヤなんてのもあるけど、あれはいったいどんなタイヤなのだろう。

 スタッドレスタイヤとどう違うのか。このようにタイヤのカテゴリー分けの言葉は、案外ややこしいものです。その理由は、慣例的に使われていて、厳密に定義されていないからです。そこで、タイヤの分類をもう一度まとめてみましょう。

 まずタイヤは、サマータイヤ(夏用タイヤ)とウインタータイヤ(冬用タイヤ)に分類することが可能。一般的にセダンやコンパクトカーなどの普段車に標準装着されているのがサマータイヤのこと。雪が降らなければサマータイヤで走れてしまうので、とくに非降雪地域のユーザーは冬用タイヤとの違いをイメージしにくいかもしれません。しかし、サマータイヤのゴムは気温が7度以下くらいになると、ゴムが(冷えて)柔軟性が失われていきます。

 普段はあまり感じにくいかもしれませんが、冬の冷たい雨が降ったりすると、ツツーッと唐突に滑り出すことがあります。あれはゴムが柔軟性を失いつつあって、路面をグリップしきれなくなっている状態。じつは、タイヤに使われているゴムは、性能を引き出しやすい適切な温度域があり、一般的なサマータイヤは気温7度が、本来の性能を出せる温度のほぼ下限といえるでしょう。

 ウインタータイヤは、そんなサマータイヤの気温守備範囲を補うために作られたタイヤで、気温7度以下の寒い気温になっても硬くなりにくいゴムが使われています。むしろ0度前後でグリップ性能を発揮してくれるようなゴムが使われているわけです。

スタッドレスタイヤとは本来ピン無しタイヤ

 スタッドレスタイヤは、冬用タイヤの一つのカテゴリーです。以前のピン付きスパイクタイヤ(=スタッドタイヤ)に対して、ピン(スタッド)が無いタイヤということでスタッドレスタイヤと呼ばれるようになりました。

 日本では粉塵問題でスパイクタイヤの販売が中止され、スタッドレスタイヤが登場。飛躍的な性能の進化を遂げたために特殊なタイヤというイメージがあるかもしれませんが、本来は「スタッド」と「スタッドレス」の分類のために使い分けられていた名称です。

 つまり分類とすれば、スタッドレスタイヤもウインタータイヤのひとつの種類というわけこと。ただ、国産スタッドレスタイヤは、氷盤路でのグリップ力が高くするため、使用しているゴムは柔らかめ。それゆえ路面温度が高くなる夏に使用すると、摩耗はものすごく早くなります。

チェーン規制道路を走れるオールシーズンタイヤ

 そしてオールシーズンタイヤは、サマータイヤとウインタータイヤの中間くらいに位置するタイヤ。気温守備範囲も7度~0度くらいをもっとも得意としています。野球で例えると、例えばレフトがサマータイヤだとすると、ウインタータイヤはライト。オールシーズンタイヤはセンターというわけです。もちろんレフト(サマータイヤ)寄りに守るタイヤもあれば、ライト(ウインタータイヤ)寄りに守備をするタイヤもあるわけです。これはタイヤメーカーの狙った性能、夏寄りか冬寄りかによって変わってきます。

 最近のオールシーズンタイヤは、高速道路のチェーン規制でもスタッドレスタイヤと同様の扱いで走れるというのがウリにしています。タイヤメーカーではそれを狙ってタイヤを作っていて、冬用タイヤとしての性能を備えている証としてスノーフレークマーク(山と雪の結晶を図案化したマーク)やM+S(マッド&スノー)、STUDLESSという刻印がタイヤの側面に付けられています。

 言い方を変えると、これらの印がついたタイヤは(性能の良し悪しは別にして)雪道でも走れるということを示しています。ただし、M+Sのみだと自治体によってはチェーン規制の高速道路を走らせてもらえないことがありますが、これは規制の判断が自治体に委ねられているからです。

 もちろんスタッドレスタイヤに比べ雪道での性能は劣ります。しかし、雪のない高速道路の走行は、スタッドレスタイヤより良好。それは、このタイヤ1本で夏から冬までカバーできるように開発されているから舗装路も得意だからです。

 まとめると、気温を基準にしてタイヤの性能を見た場合、サマータイヤとウインタータイヤの中間くらいの性能を持っているのがオールシーズンタイヤ。では、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤのどちらを選ぶかのポイントは、降雪地に住んでいる方、ウインタースポーツのため雪山に行かれる方は間違いなくスタッドレスタイヤでしょう。

 一方、ほとんど雪が降らない地域の方で年に1~2度雪道を走るとか、万が一の降雪に備えるという程度ならオールシーズンタイヤがオススメ。

 オフシーズンのタイヤを保管するスペースを確保する必要ないのも、もうもうつのメリットです。

関連タグ

こんな記事も読まれています

もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
ベストカーWeb
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
Auto Messe Web
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
AUTOSPORT web
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
AUTOCAR JAPAN
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
Auto Messe Web
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
AUTOSPORT web
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
くるまのニュース
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
AUTOCAR JAPAN
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
AUTOSPORT web
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
AUTOSPORT web
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
AUTOSPORT web
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
AUTOCAR JAPAN
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
AUTOSPORT web
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
AUTOSPORT web
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
くるまのニュース
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
driver@web
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村