2021年から導入される新たな空力規則について、F1スポーティングディレクターのロス・ブラウンが説明を行った。ブラウン曰く、新たな規格のマシンはオーバーテイクを容易にするための工夫がなされているとのことだ。
またブラウンには、2017年から導入された幅広でダウンフォース量の多いマシンについての質問が飛んだ。これはブラウンがF1で職務を行っていない時期に合意された規則で、高速で壮観なマシンを望んだGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)によって働きかけられたものだ。
■新レギュレーション下で誕生する2021年F1マシンは今より3.5秒遅い?
ブラウンはハイダウンフォースマシンへの転換について、次のように持論を展開した。
「2017年からF1マシンのダウンフォース量が大幅に増加した。これは私には理解できない理由によって推し進められたものなので、その経験を振り返る価値があると思う」
「ダウンフォース量を増やしたのは『速いマシンにしよう、F1をより良いものにしよう』という考えによるものだった。ただ実際には、マシンが互いにレース(バトル)をすることができなくなったので、むしろ逆効果だったと言える」
「これは予想外の展開になったという一例だ。確かにマシンは速くなったが、レースはできなくなった」
このように2017年からの改革は失敗だったことを示唆したブラウンだったが、GPDAの理事を務めるフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、その主張を否定した。
「間違いだったとは全く思っていない」とベッテルは語った。
「2017年以降、マシンはかなり壮観なものになった。しかもそれ以前のマシンはかなり遅いものだったんだ」
「(2016年までのマシンは)明らかにドラッグ(空気抵抗)が少なくて直線スピードは素晴らしかったけど、僕たちにとってあまりエキサイティングなものではなかった」
「だから僕は(2017年からの空力規則が)間違った方向性ではなかったと思っている」
「その中でも、個人的に間違った方向性だったと思う部分を挙げるとするならば、マシンの重さだ。もちろん安全性の観点からそうしているんだとは思うし、誰もが受け入れていることなんだけどね」
「10年前、20年前のF1と比較すると、これらは大きな違いだと思う」
ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、先行するマシンを追いかけることは常に難しいものであるとしつつも、2017年からはさらに厳しくなったと考えている。
「正直ここ10年間のF1で、他のマシンについていくことは決して簡単なことではなかった」とヒュルケンベルグは語った。
「ただ、2017年以降のマシンはそれが悪化して、さらについていくのが難しくなったのも事実だ。ダウンフォースの量が多ければ多いほどマシンの後ろにつくのが難しくなるから、2018年、2019年はますますオーバーテイクが困難になった」
「それが間違いだったかって? 僕には分からないけど、そこまで言う必要もないだろう」
ヒュルケンベルグのチームメイトであるダニエル・リカルドは、また違った視点で次のように主張した。
「マシンは大きくワイドになって、セクシーで最高な見た目になった」
「2016年よりも見た目が良くなったように見える。ただ、僕が懸念していたのも、マシンがワイドになったことだ。トラックがワイドになった訳ではないから、オーバーテイクするスペースが必然的に狭くなったわけだ」
「オーバーテイクだけでなく、クリーンエアを探すのも難しくなった。前のマシンを追いかけているときには、ラインを変えてクリーンエアをフロントウイングに当てようとするものだけど、ワイドなマシンになるとそれが難しいんだ」
「単にダウンフォースだけを減らしても、(オーバーテイクが)難しいことに変わりはないと思う。それ(2021年以降の空力規則)は最善策ではないかもしれない」
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