この記事をまとめると
■スバル・レヴォーグから派生した新型SUV「レヴォーグ レイバック」が登場した
【試乗】レイバックは車高を上げただけのレヴォーグじゃない! 「しなやかな上質さ」はスバルの本気が見える仕上がりだった
■レヴォーグとレイバックの違いをボディサイズやユーティリティ面で比較
■レイバックはモノグレードの展開だが、装備が充実しているのが特徴だ
レヴォーグレイバックってレヴォーグと何が違うの?
2023年11月から発売される、スバルの最新モデルがレヴォーグ レイバック。レヴォーグから派生したSUVであり、インプレッサに対してそのクロスオーバーSUVモデルのクロストレックがあるのだから、この時代、出るべくして出た新型だ。
インプレッサとクロストレックの関係のように、ただレヴォーグをリフトアップしたクルマではないのは当然だ。ボディサイズから見ていくと、レヴォーグは全長4755mm×全幅1795mm×全高1500mmに対してレイバックは4770mm×全幅1820mm×全高1570mmとやや大きめ。基本ボディ、2670mmのホイールベースは一緒だが、エクステリアではフロントグリルと前後のバンパー、フォグランプ、ホイールなどのデザインがレイバック専用となる。ちなみに全幅25mmのスペック上の拡大は、フェンダーアーチモールの装着によるもので、最小回転半径5.4mの小まわり性の良さもあって、レヴォーグ、レイバックともに取りまわし性はほぼ一緒と見ていい(全長ぶんは除く)。
レヴォーグとレイバックの大きな違いは、まずはレイバックにスバル得意のSUV化が行われていること。つまり、最低地上高が生粋のスポーツワゴンであるレヴォーグの145mmから本格SUVに匹敵する200mmまで高められている。シンメトリカルAWDを採用するのは当然として、しかしレイバックにはフォレスターやクロストレックにある、悪路や雪道での脱出性能を飛躍的に高めるXモードは不採用。ここは、レイバックが”都会派SUV”を謳うことからの割り切りだろう。
とはいえ、そもそもフォレスターやクロストレックのユーザーが、所有期間に何度Xモードのお世話になるかを考えれば、日本においては保険的な意味合いはあるものの、なくてもスバルのAWDの実力やオールシーズンタイヤの装着によって、悪路でもまったく問題なく走破できるに違いない。
次なるレヴォーグとの違いはグレード体系だ。レヴォーグは1.8リッター水平対向ターボエンジン、177馬力、30.6kg-mと一般的なコイルサスのGT-H EXを基本として、スポーツグレードの専用チューニングが施された電子制御サスを持つ、同じく1.8リッター水平対向ターボエンジン搭載のSTI Sport EX、そしてあとから追加された2.4リッター水平対向ターボエンジン、275馬力、38.2kg-mものスペックを誇るSTI Sport R EXがあり、現在ではブラックレザーセレクションを含む全6グレードを揃えている。一方、レイバックはレヴォーグで言うところの非STI系の上級グレード、リミテッドEXのみのモノグレードとなる。
買っておいて損はないマルチクロスオーバーSUV!
世界的なSUVブームのなか、かつてのレガシイツーリングワゴンの国内後継車ともなっているレヴォーグはスポーツワゴンだけの展開だったのだが、スバルがこのクラスでより広いユーザーに訴えるには、クロスオーバー化、SUVモデルの追加が不可欠。そしてスバリストだけでなく、より幅広いユーザーに訴えるためには、上級化とそれに伴うインプレッサ、クロストレックで示した感動に値する乗り心地の良さもまた必要だ。
よって、スポーティで硬めの乗り心地がある意味自慢のレヴォーグに対して、レイバックはSUV化とともに乗り心地面でのレベルアップも不可欠な要素となる。だからレヴォーグでは標準・上級グレードに相当する、スバル最新モデルに共通する乗り心地の良さと万人向けの比較的穏やかな操縦性が与えられたリミテッドEXというモノグレードの展開を決断したと想像できる。
もちろん、室内空間、荷室空間はレヴォーグをリフトアップしたレイバックだからまったく同じ。ともに後席頭上に120mm、膝まわりに200mm。パッケージングとしてはワゴンがベースなだけに、ラゲッジスペース優先となる。つまり、ラゲッジスペースの寸法は、レヴォーグ、レイバックは通常奥行1065mm、幅1065~1570mm、天井高771mm、後席格納フロア長1640mmとたっぷり。VDA方式による容量は492リットル。あると絶対に便利な床下のサブトランクは69リットルとなる。
後席の分割方式も共通で、たとえばクロストレックやインプレッサは6:4分割なのに対して、レイバック、レヴォーグは4:2:4分割になり、長尺物の積載のしやすさはもちろん、ラゲッジスペースに大型犬などのペットをやむなく乗せる際には、中央の2部分を倒してアームレストとして使うことでラゲッジスペースとキャビンの間に隙間ができ、エアコンの風通しが良くなり、ペットと飼い主のアイコンタクトがしやすい……といったメリットまで生まれるのだ。
モノグレードのレイバック リミテッドEXの価格は、アイサイトXや11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテイメントシステム、ハーマンカードンサウンドシステムなどを含めたフル装備で399.3万円。レヴォーグの同クラスに相当するGT-H EXが370.7万円だから、レイバックは28.9万円高になるものの、サウンドシステムのグレードアップに共感できる? できない? にかかわらず、そもそもレイバックはクロスオーバー化による仕立てが違うのだから、決して割高ではないと思える。
生粋のスポーツワゴン派ならレヴォーグで決まりだが、より多くの、アウトドアやウインタースポーツなど幅広いライフスタイルを楽しむユーザーなら、くどいようだが、乗り心地面でも優位なレイバックは格好の選択となるはずだ。
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みんなのコメント
Xモードは搭載されず、レヴォーグの顔付きからはかなりマイルドになり、全体的に丸みを帯びたスタイリングにもなってしまいました。
正直、レヴォーグの顔付きのまま最低地上高を上げ「ボルボ」のような尖った顔つきを期待していたのですが、なんだかどこにでもあるフツーの顔付きになってしまったこの車…はっきり言って性能とかではなくスタイリングに全く魅力を感じません。