新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、2020年シーズンのF1は開幕が遅れに遅れている。そして、レースが行なわれないことにより収入減に繋がるため、チームは危機的な状況に直面している。そのためFIAとF1が中心となり、チームの参戦コストの上限を引き下げる案を進めている。
FIAの会長であるジャン・トッドは、現在F1に参戦中の10チーム全てが、今後も参戦を続けるのは当然のことではないと考えているようだ。
■F1に迫る新型コロナウイルスの危機。4チームが撤退の可能性も?
トッド会長はmotorsport.comの独占インタビューに応じ、2021年に全てのチームが参戦を続けていると確信できるかという問いに次のように語った。
「確信することはできない。しかし、来年も全員が参戦を続けることを望んでいる」
「だからこそ、全チームの声を聞く必要がある。大きなチームであっても、当たり前のことを決して行なってはならない。したがって、全チームのことを考慮する必要がある。我々は謙虚である必要がある。私はモータースポーツが大好きだ。しかし、社会にとって必要不可欠なモノではない。そのため、適切な選択と適切な決定を行なう必要がある」
F1チームとFIA、そしてF1の運営陣は、金曜日に電話会議を開き、予算上減額の大幅な削減についてさらに話し合う予定だ。現状ではすでに年間1億5000万ドル(約163億円)まで下げられているが、FIAとしてはさらにそれを引き下げたいと考えている。
しかしこの削減案についてはいくつかのチームが反対している。フェラーリとレッドブルは、支出を削減するためには人員を削減しなければならず、特にこの案については消極的であると考えられている。
これについてトッド会長は、全く新しいアプローチを受け入れる必要があると考えている。
「災害や危機的な状況に直面した場合、多くの悪いことがあるが、中には良いこともあるかもしれない」
そうトッド会長は語る。
「良いことは、将来に向けてより良いモノを作る機会になるということだ」
「特にF1では、我々はいくつかの部分で上限に達してしまった。これは合理的ではないし、対処する必要がある」
「F1グループと共に、チームに課したいことを計算していた。新たな年間の活動予算は、小さなチームの場合は1億5000万ドルだが、大きなチームの場合は3億ドルにもなる。これには、メーカーのエンジン開発コストは含まれていない」
「これではまだクレイジーだ。我々がどんな立場にいるか想像できるだろうか? それでも、一部のチームからは抵抗に遭っている」
トッド会長は、今回の世界的な危機は、自動車メーカーがモータースポーツから離れるきっかけになる可能性があると語る。
「現時点で、メーカーにとっての最優先事項は、自動車レースの継続性を確保することにあるとは思えない」
そうトッド会長は語る。
「私は今日、持続可能な開発目標に関する国連のレポートを読んでいた。これによれば、2500万人が職を失う可能性がある。だから私は、各社のプログラムを尊重しているのだ」
「しかし、会社がレーシングチームで十数人失うことになったとしても、それは劇的なことではない。劇的なことは、例えば4つのF1チームを失うことだ」
「私は誰もが、個々のことを優先しないことを望んでいる。それがF1グループでやろうとしていることなんだ」
トッド会長曰く、未来への鍵は、このスポーツに素晴らしい未来があることを、チームの運営陣に説得することにあると語った。
「何人かのチームオーナー。そしてスポンサーがモチベーションを維持してくれることを望んでいる」
そうトッド会長は語った。
「だからこそ我々は、彼らを落胆させないようにしなければいけない。彼らは、『それで結局のところ、この目的は何だ? まだやりたいモノなのか? まだ必要なモノなのか?』と言うだろうからね」
「我々は、彼らがF1をまだ好きで、それが必要だということを、確実に認識してもらう必要がある。その面で、我々には責任がある」
「しかし正直なところ、私は彼らに代わって話すことはできない。彼らのビジネスや、彼らの在り方ついては詳しくは知らないからだ。F1が始まって以来、多くの人が出たり入ったりしている。現時点では、彼らがここに留まってくれることを願っている」
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