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液体をこぼさず激ムズコースを走行! 走行前点検で異常カ所を見つけろ! 世界のトラック野郎がワザを競う世界大会のレベルがやばい

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液体をこぼさず激ムズコースを走行! 走行前点検で異常カ所を見つけろ! 世界のトラック野郎がワザを競う世界大会のレベルがやばい

 この記事をまとめると

■「UDエクストラマイルチャレンジ」について解説する

崖ギリギリで雪を落とす! 海に入ってアサリを降ろす! 命がけの現場で光るトラックドライバーの神業テク!!

■トラックの運転技術と走行前点検を争う国際大会

■使用される車種は「クオン」と「クエスター」だ

 公道における実走行の技術を競う

 かつて、クロスカントリータイプの大型乗用車がブームであったが、その後は一定のマニアを除いて下火になったといわれる。理由は、車両が大きすぎて運転が簡単ではなかったからなのだそうだ。このことからもわかるように、大きなクルマの運転を苦手とする人は意外に多いのである。

 ゆえに、その代表格である大型トラックのドライバーがもつ運転技術は、かなり高度なものといってよい。それを証明するイベントが、UDトラックス本社(埼玉県上尾市)敷地内のUDエクスペリエンスセンターで開催された「UDエクストラマイルチャレンジ2024」の決勝戦である。

 2024年10月23日と25日の2日間で行われたこの催しは、同社が主催してトラックの運転技術と走行前点検の2種目を争う国際大会である。競技で使用する車種は、「クオン」と「クエスター」。2014年に第1回大会が行われて以降は隔年で開催され、今回は第6回大会にあたる(2020年はコロナ禍のためにバーチャル開催で、回数に換算されていない)。

 今大会では、世界12カ国約400名のドライバーが予選を戦い、勝ち残った11名が決選の地に集まった。内訳は、クオンの部がオーストラリア、シンガポール、モーリシャス、日本の4カ国4名で、クエスターの部がインドネシア、カタール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、南アフリカの7カ国7名である。

 敷地内に作られたコースは、坂道、ストレート、コーナーなどがあってじつに多彩。公道を走行する場合と比べても、けっこう難易度が高い作りだ。ポイントは、タイムトライアルに主眼が置かれているのではないということ。たしかに目安となる走行時間はあるし、課題を早い時間でクリアすれば一定の評価はされる。しかし、時間ばかりを追ってポールなどに接触したり、指定の位置に停車できなかったりということになれば、高い得点を得ることはできないのだ。

 要するに、この競技はF1レースのような速さを競うものではなく、あくまで公道における実走行の技術を競っているのだ。すなわち、安全、丁寧、正確な運転でなければならないのである。それを象徴する課題が、トラックの荷台に積まれたボウル。そのなかには緑の液体が入っており、揺れが激しいとその水が溢れるようになっているのだ。競技後に溢れた水を計測し、評価対象のひとつにしているのである。

 走行前点検競技は屋内で行うが、競技者1名に対して複数の審査員がつく。そのプレッシャーは、かなり大きなものといえよう。点検項目は競技で定められた場所だけを行うが、そのなかにわざと異常個所が隠してある。競技者はそれを発見し、対応しなければならない。難易度の高い競技だが、安全運行のためには身に着けておかなければならないスキルだといえよう。

 緊張感が漂うなかでも仲間の応援を得て、選手は楽しく競技を行ったようだ。優勝は、クオンの部がオーストラリア代表のマット・モドラ氏で、クエスターの部がインドネシアのタウフィクル・ウルム氏であった。最優秀走行前点検賞は日本代表の千葉 章氏で、最優秀駐車技術賞を同時受賞している。

 同氏はインタビューで「大会で好成績を収めることを目標に、日々の業務を真剣に取り組んでモティベーションを保ちました」と述べていた。氏のような「日々の業務に真剣に取り組む姿勢」が、トラックドライバーの質的向上につながっているのではないだろうか。

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みんなのコメント

4件
  • sky********
    トヨタもこーゆーのをアルファード/ランクルチャレンジとしてやりゃ良いのに。
  • エガちゃんねらー
    ウチの業界にも検定試験があるんだけど
    (免許制ではないので無くても問題無し)
    実戦では何の役にも立たないカスみたいなもんで
    わざわざ何度も練習させてまで
    受けさせる会社の気がしれない
    ホムペに1級所有者が何名、とか自慢してるが
    あれは余程暇なのかね?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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