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BMW 自動運転の時代に「駆けぬける歓び」追求 ドライビングの楽しさと性能を重視

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BMW 自動運転の時代に「駆けぬける歓び」追求 ドライビングの楽しさと性能を重視

今こそ力を入れるべき領域

BMWは、ブランドのスローガンである「駆けぬける歓び」を決して失うことなく、先進的な自動運転技術の開発と、車両性能とドライビングの楽しさを追求していくと約束している。

【画像】次期『M3』の実験車両? 4モーターの高性能EV【BMW最新プロトタイプを写真で見る】 全8枚

同社は先週、中国で開催された上海モーターショーで、新型のプロトタイプ『ビジョン・ドライビング・エクスペリエンス(以下、VDE)』を公開した。これは、次世代EVに採用される新しいパワーマネジメントシステム『ハート・オブ・ジョイ(Heart of Joy)』の性能をアピールする、4モーター搭載のスーパーセダン・コンセプトカーだ。

次期3シリーズを予告するビジョン・ノイエクラッセ・コンセプトから進化したもので、「世界最速の実験車両」と称されている。

VDEは1835kg-mものトルクと最大1200kgのダウンフォースを誇るが、単なる加速力やコーナリング性能だけでなく、「運転物理学の限界」に挑戦するために設計されている。実際、上海モーターショーでは55度の傾斜を直進するデモ走行が披露された。

BMWの製品責任者であるベルント・ケルバー氏によると、これは「運転の楽しさと性能がこれまで以上に重要になる」ことを示す取り組みの一環だという。

同氏は上海モーターショーの会場でAUTOCARの取材に応じ、参加したメーカーの間で自動運転技術の進化とモビリティ全般の自動化が大きなテーマとなっていると語った。

例えば、フォルクスワーゲンは高速道路や都市部で利用可能な「レベル2++」の自動運転機能を備えた運転支援システムを発表し、また、IT大手のファーウェイ(華為)は今年400万台近くの車両に搭載されるというレベル3のシステムを披露した。

一方、吉利汽車傘下のブランド、ジーカー(Zeekr)は、EVの007がロボット充電器によって充電できるよう、人間の操作を一切必要とせずに正確な位置に自律走行できることを示した。

中国当局が自動運転車に関して誤解を招く恐れのある誇大広告に対する規制強化を発表したが、自動運転は依然として主要な競争領域であり、上海モーターショーでは主要メーカー各社の力の入れようが見て取れた。そのため、駆けぬける歓びに焦点を当てているBMWの姿勢は、際立って対照的であった。

ケルバー氏は、「誰もが自動化に目を向けている中で、なぜ当社はドライビングに力を入れているのか」として、BMWはドライバーズカーのメーカーとしてのコアバリューと伝統を堅持していることを示すことが重要だと説明した。同社にとって頼りにできる特性だ。

「わたしの予測では、自動運転の高度化が進むにつれて、ドライビングの重要性が高まるでしょう」

レジャーとしての乗り物の人気

クルマがますます「インテリジェント」になり、移動プロセスにおける人間の入力の必要性が低下するにつれて、ドライバーは自分でハンドルを握るタイミングを積極的に決定しなければならならなくなる。そのためにはインセンティブが必要になると、ケルバー氏は指摘している。

「現在でもすでに、都市部や渋滞、通勤など、運転が楽しくない状況やユースケースが存在すると思います。そして、人々は他の領域やユースケースにおいて、積極的に運転を選択するようになるでしょう。意識的にそうするのです。運転するという意識的な選択によって、(車両ダイナミクスの魅力が)より重要になるでしょう」

「わたしは、ADASと自動運転が重要になり、それと同時に運転の楽しさと性能もこれまでよりも重要になると予測しています」

中国では週末に郊外をバイクで走ることが人気を集めており、ケルバー氏はこのことを、乗り物をレクリエーション活動として楽しむ傾向の強まりを示す好例として挙げた。

「では、なぜ最終的には単なるロボットタクシーへと向かうのでしょうか? 感情に訴えるクルマに多額の投資をしたのに、それを受動的に使うだけです。わたしにとっては、それはまったく意味のないことです」

「駆けぬける歓びは、今後も失われることはないと思います。むしろますます高まるでしょうし、それがBMWにとって非常に重要です」

「当社は市場の100%をターゲットとしているわけではありません。特定の層を対象としており、その層に対してはBMWらしさを保ちたいと考えています」

「すべてのトレンドを追いかけ、すべての機能を取り入れていくのは最悪の選択です。それはBMWらしくありません」

BMWグループのデザイン責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏も、駆けぬける歓びを重視している。同氏はAUTOCARに対して、将来のモデルが高度な自動運転機能を備えたとしても、「わたし達は、お客様が常にコントロールできるようにしたい」と語った。

「いつ運転したいか、いつ自動運転に切り替えるかをお客様に決めていただきたい。ノイエクラッセの場合、この新しいインテリジェンスにより、車両のハンドリング特性を向上させる新しいコントロールユニット(ハート・オブ・ジョイ)の誕生につながりました」

ハート・オブ・ジョイは、9月のミュンヘン・モーターショーで発表予定の次期iX3に搭載され、市販車デビューを果たす。

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