70年代の日本で巻き起こった空前のスーパーカーブームの主役の一台、ランボルギーニ カウンタックが誕生より50年を迎えた今、最新モデルとして蘇った。その名を「カウンタックLPI800-4」という。
往年の名車のディテールを巧みに取り入れながら、中身はランボルギーニが誇る最新技術を満載。まさに夢のスーパーカーというべき存在だ。さっそく、復活したカウンタックの中身を見ていこう。
デラックス リミテッド スーパーエクシード… 消えた個性的なグレード名 なぜ今つまらない?
文/大音 安弘、写真/アウトモビリ・ランボルギーニ
【画像ギャラリー】伝説の復活!ランボルギーニ カウンタックLPI800-4の姿を見よ
■ランボルギーニの新時代を告げる復活の名車「Countach 」
アウトモビリ・ランボルギーニは、2021年8月13日、限定車「Countach LPI800-4」を発表した。このモデルは、1971年にスイス・ジュネーブモーターショーに出展されたカウンタック・プロトタイプ「LP500」の誕生50周年を記念して企画されたもの。かなりの人気を呼びそうだが、限定数は、わずか112台のみ。この台数は、初代モデル開発時の社内プロジェクト名「LP 112」に由来している。
1971年にジュネーブショーで世界初お披露目された「ランボルギーニLP500」。この市販モデルが、カウンタックLP400となった
■その歴史を物語るスタイリング
カウンタックLPI800-4のスタイリングは、まさにカウンタックの歴史を凝縮し、現代に蘇らせたものといえる。そのシャープで美しいシルエットは、プロタイプのLP500と初期型のLP400を彷彿させる。そして、各部にもカウンタックの特徴的なモチーフの数々が見て取れる。
公式発表によれば、高性能化を図ったクワトロヴァルヴォーレから、カウンタックらしい顔を印象付ける長くて低い長方形グリルとヘッドライト、主張のあるラインのフロントボンネット、六角形をテーマとしたホイールアーチなどの特徴を取り入れたという。
往年の名車を現代に蘇らせたカウンタックLPI800-4。そのスタイルには初代モデルのモチーフが多く取り入れられている
このほかにもカウンタックらしいディテールはたくさんある。例えば、ボディサイドのNACAエアインテークやスリット付きのエアスクープ、そして、象徴的なシザードアなどだ。特にシザードアは、歴代ランボルギーニフラッグシップモデルを象徴するアイテムと発展していく。
法規対応のため、さすがにリトラクタブルヘッドライトは非採用だが、それでもヘッドライトの配置や点灯時の雰囲気などには、カウンタックらしさを感じる。もし初代カウンタックが固定式ヘッドライトに変更されたら、このようになるだろうと思える説得力あるデザインだ。
カウンタックの特徴を色濃くリアスタイルにも反映。4本出しのテールパイプも初代に倣ったもの
言うまでもなく、リアのスタイリングもカウンタックらしさに溢れている。くさび形の特徴的なテールデザイン、片側3連のテールレンズ、4本出しのテールパイプは、初代からインスピレーションを受けたデザインだ。
■クラシックテイストのインテリア
コックピットは最新式ランボルギーニ同様に、デジタルメーターパネルと大型液晶パネル付きのインフォテイメントシステムを備えるが、クラシックテイストもしっかりと取り込まれている。それがシート。初代同様に、板チョコを彷彿させるパターンが表皮に取り入れられている。
さらに最新システムにも、ユニークな機能が備わっており、インフォテイメントシステムにある「スティーレ」ボタンを押すと、カウンタックのデザインフィロソフィーの解説が流れるという。自らを語る機能を持つクルマなんて、ほかにはないはずだ。
板チョコデザインのシートが初代カウンタックの雰囲気を演出する
■次世代の電動化パワートレーン
LPI800-4のパワートレーンは、ランボルギーニフラッグシップの象徴でもある6.5L V12気筒エンジンを搭載するが、時代のニーズに合わせた48Vのマイルドハイブリッド仕様(MHV)となる。しかし、ほかのMHVと異なるのは、電源供給元が、リチウムイオン電池ではなく、スーパーキャパシタとなること。
同じ重量ならば、リチウムイオン電池の3倍の電力が供給できるのがポイントだ。このため、トランスミッションに直接されたモーターは、より俊敏かつ力強いなアシストが可能に。これはランボルギーニ・シアンのために開発されたシステムを活用したものだ。
エンジンスペックは、最高出力780hp/8500rpm 、最大トルク720Nm/6750rpmを発揮。アシストモーターの性能は、34hp/35Nmとなる。その性能は、0-100km/h加速2.8秒、最高速度355km/hを誇る。
つまりアヴァンタドールウルティメのファイナルモデル「ウルティメ」を超える加速力を備えており、伝説のランボにふさわしい性能を持った内容と言える。さらに4WDシステムも標準となることも、初代と大きく異なるところだ。
最強のアヴェンタドールとなったウルティメと同じエンジンを搭載。さらにモーターアシストが加わる
■日本独自の呼び名だった「カウンタック」!
日本では「Countach 」を「カウンタック」と呼ぶが、これは日本独自の呼び方であり、正確な発音では「クンタッチ」となる。これはイタリア・ピエモンテ地方の方言の驚きや感嘆を表現する言葉を英語綴りに直したもの。
開発中のカウンタックを目撃した人が驚き、「クンタッシ」と発したことに由来するという。マルチェロ・ガンディーニが手がけたデザインは、それだけ当時の人々の度肝を抜くものだったのだ。今回の記事では、親しみを込め、カウンタックの表記とした。
今なおカルト的な人気を誇る初代カウンタック! 50年ぶりの新型と比べても、その魅力が褪せることはない
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みんなのコメント
どこから見てもアヴェンタドールの兄弟にしか見えない!
どこから見てもカウンタックだ!