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【世界のコンパクトEVはここまで進んでいる】ヒョンデ『インスター』初試乗!ワールドカーアワード受賞も納得の完成度

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【世界のコンパクトEVはここまで進んでいる】ヒョンデ『インスター』初試乗!ワールドカーアワード受賞も納得の完成度

ワールドエレクトリックビークルに選出

4月16日に発表された『2025ワールドカーアワード』で、ヒョンデのコンパクトEV、『インスター』がワールドエレクトリックビークルに選ばれた。

【画像】いよいよ日本上陸!ヒョンデのコンパクトEV『インスター』 全200枚

ワールドカーアワードにEV部門が設けられたのは2022年のことだが、それ以降ずっと、ヒョンデあるいはキアの韓国ブランドが独占している。

審査員の多くが韓国人というわけではなく、オフィシャルサイトを見ていただければわかるように、米国や中国をはじめ、世界の主要国の人たちが名を連ねていて、日本人ジャーナリストも数人いる。

それに他の分野では、たとえばワールドパフォーマンスカーはポルシェ911カレラGTSが受賞しているのだから、国籍に偏りがあるとは言えない。

そのインスターは4月10日に日本でも発売され、ジャーナリスト向けのテストドライブの場が用意された。ステアリングを握ってみると、確かにアワードを獲得しただけはあると思える完成度を備えていた。

我が国のヒョンデのラインナップではコナの下に位置するインスターは、全長3830mm、全幅1610mm、全高1615mmという数字で想像できるように、欧州ではAセグメントに属する。

日本には軽自動車があるためもあって、EVでは直接のライバルはなく、欧州車では全長はミニ・クーパーE/SE、全幅はフィアット500eに近い。エンジン車で似たようなサイズの車種を探すと、スズキ・クロスビーになるだろう。

グレードはカジュアル、ヴォヤージュ、ラウンジの3つ。装備だけでなく性能も違っていて、カジュアルのみモーターの最高出力/最大トルクが控えめになり、バッテリー容量が小さくなる。今回試乗したのは最上級のラウンジだ。

輸出をメインとしているから強いアピールが必要

外観は、フロント/リアまわりは他のヒョンデと同じように、主張が強めだ。韓国車は自国のマーケットが小さく、輸出をメインとしていることから、強いアピールが必要だと考えているのかもしれない。

でも前後とも丸いランプをアクセントとしているので、可愛らしいと思う人もいるだろう。対照的にボディサイドは、SUVらしい力強さがしっかり伝わってくる。いろんな意味でメリハリのあるデザインだと感じた。

インテリアは、他のヒョンデ各車のように、メーターとセンターディスプレイを一体とはせず、別々にしてあることにまず気づいた。センターのスイッチがボタンやダイヤルで残しているのは良識的だ。

デジタルメーターはダイヤルタイプとキューブタイプが選択できる。個人的にはキューブが独特で面白かった。ボディカラーに合わせてブラックとベージュが用意されたインテリアカラーは、キャラクターを考えてもベージュが似合うと思った。

助手席の前にUSBのタイプAとタイプCの充電口を用意したり、ラウンジではインパネやドアトリムに仕込まれたイルミネーションが64色から選べたりしているのは、デジタル先進国ならではだ。

前席は適度な包まれ感が得られるものの、エンジンフードは端まで確認できるので運転しやすかった。座り心地は固めでホールド感は控えめ。ひんぱんに乗り降りして短距離を移動することを想定しているようだ。

後席は幅の関係でふたり掛けになる。しかし前後方向のスライドが備わっているので、いちばん後ろまで下げると、身長170cmの人間なら足が組める。軽自動車のパッケージングを研究しているのかもしれない。

減速を含めた自然なマナーに好感を抱く

フロントに積まれ前輪を駆動するモーターの最高出力は115psで、最大トルクは147Nm。車両重量は1400kgと、EVとしては軽い。なので加速に不満はないし、減速を含めた自然なマナーに好感を抱いた。

パドルで効きを調節できる回生ブレーキのフィーリングも自然。しかもオートモードを選ぶと、前車との間隔に応じて回生のレベルを自動的に変えてくれて、安全であるだけでなく便利でもあった。

音はタイヤからのノイズは気になるものの、このクラスとしては常識的な範囲。上り坂での加速でもエンジン音が耳障りにならない分だけ、平和ではないかと思えた。

WLTCモードでの満充電航続距離は458km。日産サクラの2.5倍だ。シティラナバウトなのだから、これだけ走れば十分だろう。

試乗したラウンジのホイール/タイヤは17インチで、他のグレードから2インチアップだったが、乗り心地はちょうど良かったし、ハンドリングは身のこなしが軽快で、小柄なボディならではの楽しさを実感した。

欧州向けのインスターは、乗り心地はもっと硬めで、ハンドリングは高速域での安定性を重視したとのこと。日本人の嗜好に合わせて専用チューニングを施したそうで、その成果はしっかり感じ取れた。

もうひとつ実感したのは、ボディサイズが近い軽自動車とは別次元の安定感。太いタイヤが台形ボディの四隅にあって、床下にはバッテリーが敷き詰められているというアドバンテージが、手に取るように伝わってきた。

価格はラウンジで357.5万円と、欧州のコンパクトEVでは太刀打ちできない数字。ベースグレードのカジュアルは284.9万円で、サクラのプライスレンジに入る。

もちろん軽自動車で良いという人もいるだろうが、航続距離以上に、走りのレベルが大きく違う。おまけに日本市場への最適化もきっちり。世界のコンパクトEVはここまで進んでいるんだと、教えられる結果になった。

ヒョンデ・インスター・ラウンジのスペック

全長×全幅×全高:3830×1610×1615mm
室内長×室内幅×室内高:1920×1375×1145mm
ホイールベース:2580mm
トレッド:F1400mm R1415mm
車両重量:1400kg
乗車定員:4名
一充電走行距離:458km
最高出力:85kW(115ps)/5600-13000rpm
最大トルク:147Nm(15.0kg-m)/0-5400rpm
総電圧:310V
総電力量:49.0kWh
駆動方式:前輪駆動
サスペンション:Fマクファーソンストラット Rトーションビーム
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク Rディスク
タイヤ:F&R205/45R17
価格:357万5000円

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