中古車を選ぶ際、なかなか悩ましいのが何を持って完調の状態といえるかわからないこと。そこで役に立つのが、劣化や不具合のない新車当時の試乗レビューだ。自分が中古車を試乗して、それぞれの個体の状態を確かめる際の参考にしてみて。 ※以下、2022年5月公開時の内容に基づく
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●取材協力:富津漁業協同組合 ●外部リンク:カワサキ
カワサキW800(2022) 試乗レビュー
◆カワサキW800(2022) 概要
■全長2190 全高1075 軸距1465 シート高790(各mm) 車重226kg ■水冷4スト2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m /4800rpm 変速機5速リターン 燃料タンク容量15L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=100/90 -19 R=130/80-18 ●色:赤 ●発売当時価格:117万7000円
―― 【KAWASAKI W800[2022model]】
―― 【車体色を変更し、カワサキケアモデルに設定】 ’16年にいったん生産終了となったものの、’19年にまず前後18インチホイールのストリートとカフェが、’20年にフロント19インチのSTDが復活。’22モデルは全車がカラーリングを変更し、STDはサイドカバーが車体と同色からブラックに。
―― 【ライディングポジション】グリップ位置が近くて低く、膝の曲がりは緩やかでバランス良し。ステップに干渉はするが、足着き性は優秀だ。[身長175cm/体重68kg]
◆[◯] 規制強化のネガはなし。この味わいは唯一無二
令和2年排ガス規制の適合にあたり、継続車は出力ダウンした分を排気量アップその他でつじつまを合わせる中、カワサキW800シリーズは具体的な変更点に関する説明はなし。
エンジンの諸元は、各変速比や1次/2次減速比まで変わらず、WMTCモード値が微減した程度で、ほとんどの人は気に留めないだろう。’19年にラインナップに復帰した際、今回の排ガス規制を前倒しで採用していたのかと思いきや、車検証の型式は2BLから8BLへと変わっている。
そこで新旧のパーツリストを見比べたところ、どうにかECUの部品番号が異なるのを発見できた。なお、真っ先に変更されそうなマフラーなどは前モデルと共通であり、ゆえに具体的なアナウンスがなかったのだろうと納得がいく。
さて、その新排ガス規制をクリアした773cc空冷バーチカルツインは、規制前に抱いていたイメージと寸分違わず、低中回転域のフィーリングが艶っぽくて良い。具体的には2500~4000rpm、ちょうど交差点から立ち上がるときや、高速道路を80~100km/hで巡航する際に多用する領域だ。
重量級のフライホイールマスが生む独特の蹴り出し感や、濃密な脈動感は唯一無二のもの。スロットルを大きく開ければ、突進するほどに速く、レッドゾーンの始まる7000rpmまで余裕で吹け上がるが、心地良いのはその半分ぐらい。排ガス規制対応によるネガは一切感じられず、またコクッとスムーズに決まる極上のシフトフィールも含めて、よくぞここまで磨き上げたものだと感心しきりだ。
ハンドリングは、取り回しや微速域での操舵がやや重いものの、フロント19インチらしい旋回特性や安定性は、見た目から受けるイメージを裏切ることはない。
バリエーションモデルのカフェとストリートは、前後とも18インチホイールで、現代的なネイキッドに近いモダンなハンドリングなのに対し、STDモデルは旧車らしい味わいがある。高速道路では、前後サスペンションにややダンピング不足の症状が出るが、法定速度内であれば許容範囲と言える。ブレーキ性能も含めて、バランスとしては秀逸だ。
◆カワサキW800(STD)ディテール解説
エンジン:WMTCモードは21.1→20.9km/Lへ。ほかは変更なし
―― ベベルギヤタワーが特徴的な773cc空冷並列2気筒エンジン。最高出力52psなど諸元はほぼ変更なし。ECUの部品番号が異なり、これで新排ガス規制に対応した。
足まわり:アルミリムの軽量スポークホイール。ABSを標準装備
―― フロントホイール径は、今回試乗したSTDのW800とメグロK3は19インチ、ストリートとカフェは18インチで、リヤは全車18インチだ。ブレーキディスクはフロントφ320mm/リヤφ270mmで、ABSを標準装備。リヤショックのプリロード調整は5段階だ。
主要装備
―― φ170mmのLEDヘッドライト。内部は6室となっており、4室がロー/2室がハイビームだ。ポジションランプはフィラメント球のようにライト全体を点灯。
―― 【クラシカルな2眼メーター。文字盤の意匠は変更なし】スピードメーター/タコメーターとも指針式で、モデルごとに文字盤が異なるのがこのシリーズの特徴だ。左の液晶パネルはオドメーター/トリップメーター/時計を切り替え表示。右側にはETCのインジケーターもある。
―― 【ストリートを除く3機種はグリップヒーターを装備】モデルごとにハンドル形状が異なり、STDはグリップ位置が低めなのが特徴だ。ストリートを除く3機種はスマートなグリップヒーターを標準装備する。
―― 燃料タンクは15Lで、レギュラーガソリンでOK。シートはモデルごとに異なり、STDはタックロール+白パイピングの組み合わせ。キーロックで取り外すことができ、その下に車載工具とETC2.0車載器を備えている。
―― テール/ブレーキランプと前後ウィンカーはフィラメント球で、これがクラシカルなイメージを強めている。フェンダーは前後ともメッキ仕上げだ。
◆[こんな人におすすめ] レッドは深みがあって注目度バツグン
2019年に復活して以降、メグロK3も含めてシリーズ全車に試乗したが、空冷バーチカルツインの艶っぽいフィーリングに毎回癒やされており、それは新排ガス規制適合後も不変だ。新色の赤は実に鮮やかで、一見の価値アリ。
カワサキW800の最新相場情報
◆本記事公開時点の車両販売価格帯(情報提供元:ウェビック バイク選び)
最低車両本体価格:57万2000円
最高車両本体価格:124万3000円
※対象車両一覧は本体サイトに掲載されています。
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中途半端。