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1億円超で1030馬力の激速サラブレッド!! XX初の公道走行可能モデル「フェラーリ SF90XX ストラダーレ」聖地試乗

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1億円超で1030馬力の激速サラブレッド!! XX初の公道走行可能モデル「フェラーリ SF90XX ストラダーレ」聖地試乗

「オーバー1000馬力のクルマに乗ってみないか」というお誘いを受け、F1マシンの名を冠した最速最強モデル、フェラーリ SF90XX ストラダーレに、フェラーリの聖地「フィオラノサーキット」で試乗した!!

※本稿は2023年12月のものです
文/清水和夫、写真/フェラーリジャパン
初出:『ベストカー』2024年1月10日号

1億円超で1030馬力の激速サラブレッド!! XX初の公道走行可能モデル「フェラーリ SF90XX ストラダーレ」聖地試乗

■1000馬力超えでも荒馬ではない!!

フェラーリ SF90XX ストラダーレ。フェラーリ史上最速と謳われるスペシャルマシンだ

 フェラーリのメッカであるイタリアのフィオラノサーキット。ここで「オーバー1000馬力のウルトラ・スーパーカーに乗らないか」とお誘いがあった。

 オーバー1000馬力は数年前に最高速チャンレジに参加したブガッティのテストドライブ以来のこと。単純に考えるとお馬さんが1000頭もドライバーの背中に格納されているわけだ。

 今回テストしたのはフェラーリ史上最速のSF90XX Stradale。実はこの名前の由来が興味を引く。

 SF90は2019年のF1マシンのモデル名だし、XXはフェラーリでレースに参加したり、サーキットを楽しむハイエンドなユーザーのサポートプログラムのこと。

 で、最後のStradaleは公道を意味する。要約するとF1のDNAを持ち、サーキットを楽しむために開発され、公道も走れるフェラーリ史上最速のマシン、となる。

 そんなヨダレが出るような公道を走る最速のフェラーリに乗れるなんて、俺は幸せ者だと思っていたが、実はプレッシャーも感じていた。なにしろ初めてのコースで1000馬力超のスーパーカー。

 だが、リアスポイラーにトンボが止まるような走りでは、日本選抜として恥ずかしい。荒馬に蹴られないよう、集中して攻めると言い聞かせた。

 エンジンは4L、V8ターボ、単体で約800馬力を絞り出す。実はこのマシンはプラグインハイブリッド(PHEV)なので、エコカーとも言えそうだが、V8ターボが主役であることに変わりはない。

 ひとつのモーターはエンジンとギアボックスの間に搭載され、さらにフロントアクスルの左右には独立したふたつのモーターが配置されている。

 その結果モーターの最高出力は233馬力に達するので、エンジンと合算すると1030馬力となるわけだ。

 合計3つのモーターにはリチウムイオンバッテリーから電力が供給され、EVモードで25km走ることができ、これならご近所から「うるさい」と文句は言われない。ちなみにEV走行の最高速度は135km/h。

■まるでロケットのような加速!

 さすがに濡れた朝の走行はタイヤも冷えているし、マシンへの慣れもないので、ビビリながら慎重に走った。それでも、ついオーバー1000馬力を試したくてスロットルを床まで踏み込む。

 するとドライバーの背中から800馬力のV8ターボが目を覚ます。強烈な加速Gが発生し、背中をグイグイと押される。まるでロケットにまたがったような気分だった(またがったことはないが)。

 路面温度が上昇しタイヤのグリップ力(ステアリングで感じる接地感)も高まってきた。

 午後のセッションはホットラップ。ここでは走行データを取得し、プロドライバーとの違いをクリニックしてくれる。先導車をカーチェイスする形でホットラップが始まった。1030馬力を使いこなすには、ブレーキが重要だ。

 助かったのはABS“EVO”と呼ばれる進化したABS。カーボンコンポジットのブレンボブレーキの利きは強烈だが、問題は車体がどこまで安定しているのか。

 テストデイのように半乾きの路面では左右のタイヤは異なる路面状況に接地しているので、マシンの安定性が気になる。

 しかし、ダウンフォースと進化したブレーキシステムのおかげで、やばいシーンはなかった。

■猛烈なスタビリティを支える空力はF1譲り

「走る彫刻」と称されるデザイン、美しい

 F1で鍛えた空力は惜しみなく採用され、近年のフェラーリとしては珍しい大型リアウイングが備わっている。

 その結果、250km/hで530kgという強烈なダウンフォースを発生する。タイヤが温まったことを確認してから、コーナーを攻めた。

 時速200kmで進入するコーナーではステアリングがずっしりと重くなり、タイヤが路面としっかりコンタクトしているのが感じられた。

 だが100km/hくらいではダウンフォースが減るのでステアリングがやや軽くなるが、挙動は電子制御が見守っている。

 走行モードは「RACE」にセットし、ステアリングホイールの左にあるeマネッティーノ・セレクターは「エクストラ・モーターブーストモード」を試す。他にはハイブリッドモードやEVモードもある。

 ブーストモードはタイトコーナーの立ち上がりは効果的だった。理論的にはモータートルクが加速をアシストしているが、体感する加速Gのどの加速がモーターなのかは判別できない。ただデータ分析では確実に立ち上がりのスピードが増していた。

■「ただ速いだけ」でない実力

 SF90XX Stradaleは荒馬かと思っていたのだが、テクノロジーによって史上最速のサラブレットに生まれ変わっていたことが確認できた。

 最後にフェラーリが目指すスポーツカーは、無味乾燥なただ速いだけのマシンではなく、ドライバーが感動できるパッション(情熱)クリエイターなのだと思った。

フェラーリ SF90XX Stradale 主要諸元
・全長×全幅×全高:4850×2000×1225mm
・ホイールベース:2650mm
・乾燥重量:1560kg
・エンジン総排気量:3990cc
・最高出力:586kW(797cv)/7900rpm
・最大トルク:804Nm/6250rpm
・モーター最高出力:171kW(233cv)
・バッテリー容量:7.9kWh
・EV航続距離:25km
・タイヤサイズ(F):255/35 ZR F20 (R):315/30 ZR F20
・価格:77万ユーロ(約1億2600万円)※完売済

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みんなのコメント

4件
  • furima-jirosan
    ウワサの「P250」も気になる存在ですな…
    堅い顧客には、実はすでに内示が出ていたりしていて…
  • kai********
    ポルシェのインストラクターの清水さんによく招待状が届いたね。
    西川淳が都合悪かったのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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