現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 夏道と異なるからこそ知っておきたい冬道の運転術

ここから本文です

夏道と異なるからこそ知っておきたい冬道の運転術

掲載 26
夏道と異なるからこそ知っておきたい冬道の運転術

夏道と異なるからこそ知っておきたい冬道の運転術

冬は雪が降ったり、路面が凍結したりで、道路が滑りやすくなります。この路面状況の変化こそが冬のドライブを難しいものにする最大の原因です。冬だからこそ気をつけたいさまざまなことを伝授するとともに、冬道ならではのちょっとしたドライビングテクニックの紹介もしていきます。

初めてのスタッドレスタイヤ、交換時期や気を付けたいポイントは?


ドラテクうんぬんの前にタイヤをチェックしよう

タイヤは内部に空気を入れることで初めて使用できる状態になります。

タイヤの空気圧は200kPa~250kPa程度が多く、なかには290kPaと高めの指定となっている場合もあります。空気は温まると膨張し、冷えると収縮します。タイヤの空気圧は1℃下がると1kPa下がると言われています。真夏の日なたのアスファルトは60℃にもなると言われていますので、水たまりに氷が張るような路面で0℃だとすれば60kPaも空気圧が下がることになります。

とくに扁平率の低いタイヤは空気量が少ないので空気圧低下による影響は大きくなります。ここまで下がってしまったら、ドラテクうんぬんではありません。まずはタイヤの空気圧をしっかりとチェックすることから始めるべきなのです。

また、降雪地帯でなくてもできることなら、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤに交換することをおすすめします。というのも夏タイヤは気温が7℃程度を下回ると、どんどんグリップが低下していくからなのです。スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤは低い気温でもグリップが確保されるコンパウンド(トレッドのゴム)が採用されています。万が一の降雪に備えるだけではなく、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤを履くのはきちんとした意味があります。


ウインタードライブの基本は路面を見極め、速度を落とすこと

ウインタードライブが危険なのは路面が読めないことにあります。春夏秋の3シーズンのドライ路面ならさほど大きな違いはありませんが、冬は突然に一部が凍っているなどの事態が起きます。

現代のクルマはABSやトラクションコントロール、ESC(横滑り防止装置)などの制御デバイスが装着され、かなり安全になってきています。しかし、どんなに高性能な制御デバイスであってもタイヤの性能の限界を超えることはできません。タイヤの限界を超えないようにするためには速度を落とすことが大切です。

速度が高いとタイヤは限界を超えやすくなり、結果として止まりきれなかったり、曲がりきれなかったりして事故に至ることがあります。そして、路面がどんな状況であるかをしっかりと把握することも大切です。漫然と運転するのではなく、路面の状態をよく観察しましょう。


ときにはトラクションコントロールのスイッチをオフにすることもある

雪道で坂道発進を失敗したときは、少し後ろに下がってから発進を仕切り直しましょう。発進を失敗したということは、そこは滑りやすい路面になっています。もともとは滑りやすい路面でなかったとしても、一度空転させてしまうと磨かれて滑りやすくなってしまうので、失敗した際には新しい路面で発進し直すほうがうまくいく確率が上がります。

発進の際はアクセルをゆっくりと踏み込み徐々に動かします。アクセルペダルの上に右足を乗せて、踏むというよりも親指側にひねるような感じで動かすとアクセルペダルをジワリと操作できます。

雪道でスタックしてしまい、脱出できないときはトラクションコントロールをオフにすると脱出できることもあります。トラクションコントロールというのはタイヤの空転を検知して空転しないようにエンジンの出力を制御してくれる装置です。滑りやすい路面などでアクセルを踏みすぎたときなどに働いて、発進を助けてくれます。

基本的には常時オンで使うものですが、オフスイッチが装備されオフにすることができます。トラクションコントロールが働いてしまうと、タイヤの回転が抑えられてしまい、空転すら発生しなくなります。しかし、深い雪のなかではバンバン空転させてどこかのタイミングでクルマが動き出すこともあります。また、空転させることで雪を掘って、舗装路面にタイヤ接触させるということもできます。

脱出の際は前進と後退を繰り返し、クルマを前後に揺らしながら動かすのがポイントです。1cmが2cm、2cmが3cmとなってやがて脱出できます。できる限りハンドルは切りません、ハンドルを切ると抵抗が増えるからです。

タイヤチェーンを装着してクルマが発進できないときもトラクションコントロールをオフにします。タイヤチェーンの締め付けがゆるいと、チェーンのなかでタイヤが空転します。センサーがそれをキャッチするとトラクションコントロールを働かせて出力を絞ってしまうのです。

本来はタイヤチェーンをしっかりと締めて空転しないようにするべきですが、チェーンのコマの関係でどうしてもゆるくなることがあります。そうした際は、空転しながらもグリップさせる……という方法で走るので、トラクションコントロールをオフにするのです。


著者:諸星陽一

関連タグ

こんな記事も読まれています

バスには最新技術満載だった!? 桁違いのトルク140kgmにエアサスまで採用! 主流となったフィンガーシフトってなんだ?
バスには最新技術満載だった!? 桁違いのトルク140kgmにエアサスまで採用! 主流となったフィンガーシフトってなんだ?
ベストカーWeb
「ビートって……」「インテグラは……」二輪車好きと四輪車好きの会話が噛み合わない! ホンダは「カブリ車名」だらけだった
「ビートって……」「インテグラは……」二輪車好きと四輪車好きの会話が噛み合わない! ホンダは「カブリ車名」だらけだった
WEB CARTOP
デイトナの Vストローム250用パイプエンジンガードがリニューアルし全年式に対応!
デイトナの Vストローム250用パイプエンジンガードがリニューアルし全年式に対応!
バイクブロス
ルノー・カングー専用“FRENCH BULLDOG LIFE”コラボのペット用アクセサリーが期間限定で販売!
ルノー・カングー専用“FRENCH BULLDOG LIFE”コラボのペット用アクセサリーが期間限定で販売!
LE VOLANT CARSMEET WEB
日本を離れてもなお、日本を愛するフェネストラズ。国内レースは日々チェック……東京E-Prixに向け「オウエンオネガイシマス!」
日本を離れてもなお、日本を愛するフェネストラズ。国内レースは日々チェック……東京E-Prixに向け「オウエンオネガイシマス!」
motorsport.com 日本版
「地方食材を買うなら → やっぱり駅でしょ」 乗り物の空きスペース使った「貨客混載」で、こんな時代がやってくるのか
「地方食材を買うなら → やっぱり駅でしょ」 乗り物の空きスペース使った「貨客混載」で、こんな時代がやってくるのか
Merkmal
ヤマハ発動機、EVレース「フォーミュラE」に2025年より参入へ 四輪レースはF1以来
ヤマハ発動機、EVレース「フォーミュラE」に2025年より参入へ 四輪レースはF1以来
レスポンス
ボルボカーズ、ディーゼル車の生産を終了…2030年にEVメーカーへ
ボルボカーズ、ディーゼル車の生産を終了…2030年にEVメーカーへ
レスポンス
東京海上日動、2024年度の指数対応単価 3.98%の引き上げ 正式決定は大手損保初
東京海上日動、2024年度の指数対応単価 3.98%の引き上げ 正式決定は大手損保初
日刊自動車新聞
参加条件はダイハツ車ユーザー! SPK&ダイハツが「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2024 富士」を4月14日に開催!
参加条件はダイハツ車ユーザー! SPK&ダイハツが「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2024 富士」を4月14日に開催!
くるまのニュース
Juju(野田樹潤)選手がDHLのフォーミュラEアンバサダーに就任。日本初開催のフォーミュラEを盛り上げる
Juju(野田樹潤)選手がDHLのフォーミュラEアンバサダーに就任。日本初開催のフォーミュラEを盛り上げる
カー・アンド・ドライバー
いすゞ新型「D-MAX」初公開! 全長5mボディ&精悍グリルの“超エコ”仕様!? 新たな「マイルドモデル」泰で登場
いすゞ新型「D-MAX」初公開! 全長5mボディ&精悍グリルの“超エコ”仕様!? 新たな「マイルドモデル」泰で登場
くるまのニュース
ネンオシャ・チエブク・トウバシメ…この呪文はいったい何!?
ネンオシャ・チエブク・トウバシメ…この呪文はいったい何!?
バイクのニュース
東京E-Prix 市街地コースは臨海都心に準備…フォーミュラE
東京E-Prix 市街地コースは臨海都心に準備…フォーミュラE
レスポンス
電動『ラングラー』、ビンテージスタイルでカスタム…民生ジープのノスタルジーを呼び起こす
電動『ラングラー』、ビンテージスタイルでカスタム…民生ジープのノスタルジーを呼び起こす
レスポンス
三菱が新型「爆速SUV」初公開!「パジェロ エボリューション」彷彿させる“鮮烈レッド”採用!「加速力×走破性」極めたモデルで参戦発表
三菱が新型「爆速SUV」初公開!「パジェロ エボリューション」彷彿させる“鮮烈レッド”採用!「加速力×走破性」極めたモデルで参戦発表
くるまのニュース
AT車ならドライブモードで簡単に燃費向上できるけど…… ガソリンがまだまだ高いいま「MT車」で燃料を節約するコツ5つを紹介!
AT車ならドライブモードで簡単に燃費向上できるけど…… ガソリンがまだまだ高いいま「MT車」で燃料を節約するコツ5つを紹介!
WEB CARTOP
ジープ コンパスの黒い鮫!? 限定車「ジープ コンパス ブラックシャーク」が登場
ジープ コンパスの黒い鮫!? 限定車「ジープ コンパス ブラックシャーク」が登場
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

26件
  • どんなタイヤを履いていようが、アホみたいに車間を詰めないことが重要。
    もちろん冬道だけの話じゃないよ。
  • タイヤの空気圧は少しだけ低めにするとグリップを稼げる場合が有り登坂路でどうしても登らない時はやってみる価値あり
    あと雪道では滑る事を前提に操作する事
    滑ってから対処しようなんてプロじゃないんだから出来るはずがない
    ハンドル切っても滑って曲らなかったらどうしようとかブレーキ効かなかったらどうしようと思えば自然と早め早めの操作とスピードを落とす事ができるようになる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村