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「トヨタさんF1やりましょうよ」26年に半分EVになるF1にトヨタが参戦すべき10の理由

掲載 更新 207
「トヨタさんF1やりましょうよ」26年に半分EVになるF1にトヨタが参戦すべき10の理由

トヨタは過去にF1で戦っていたが、関係者は頑なにF1に再参戦はしないと言い続けてきた。

そんな中、F1は2026年からエンジンとモーターの出力比が同等に近くなり、よりEV的要素の強いマシンになることが決まった。このことを受けてか、トヨタ系ドライバーである平川 亮選手が来年マクラーレンF1チームのリザーブドライバーを務めることが発表された。

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これらの経緯も含め、筆者は今こそ、トヨタがF1参戦を決断するべきタイミングなのではないかと考える。

理由1:小林 可夢偉選手、中嶋 一貴氏

冒頭から荒々しい表現だが、トヨタにはF1参戦に必要な「ヒト、モノ、カネ」が揃っていると思う。

ヒトについては小林 可夢偉選手と中嶋 一貴氏だ。

ご存知のように二人ともF1そのもので戦ってきたレーシングドライバーだ。小林 可夢偉選手はWEC(FIA世界耐久選手権)とスーパーフォーミュラにも参戦中で、中嶋 一貴氏も2021年までWECとスーパーフォーミュラで戦っていた。

そして小林選手は2022年よりWECのチーム代表も兼務、中嶋氏はTGR-E(TOYOTA GAZOO Racing Europe GmbH)の副会長と、ともにTOYOTA GAZOO Racingの重要なポジションも務めている。

“F1を経験し、トップレベルで走れるヒト”が二人もいる。これほど人事に恵まれたチームがほかにあるだろうか。

理由2:TMG

モノについては、トヨタF1チームで参戦していた時の「TMG(TOYOTA Motorsport GmbH)」がドイツにある。現在の名称はTGR-Eだ。

F1に参戦するチームはヨーロッパ(主にイギリスとイタリア)に拠点を設けている。

トヨタがF1に参戦する場合は、設備の更新が必要な部分もあるかもしれないが、ゼロから立ち上げるよりはましだろう。

日本の東富士研究所とともに、WEC参戦を通じて磨き上げてきた世界トップレベルの開発力やノウハウの蓄積も活かせるはずだ。

理由3:カネ

カネ(資金力)については、トヨタは2022年までの3年間、世界で販売台数世界1位のメーカーだ。2023年の上半期も2位のフォルクスワーゲングループに100万台の圧倒的な差をつけているので、4年連続1位も射程圏内である。

しかも、2023年4-6月期の営業利益は、「トヨタとして過去最高」どころのレベルではなく、「日本企業として初めて」四半期の営業利益が1兆円を超えた(1兆1,209億円)。2024年3月期の通期見通しは3兆円だ。

2021年から、F1は各チームの年間予算額の上限を設けるレギュレーションを導入し、その額は1億4,550万ドル(約215億円)だ。

トヨタは2009年にリーマンショックによる赤字を計上したこともあり、F1から撤退した。しかしながら現時点の業績は絶好調で、年間利益の1%にも満たないF1の年間予算は高くないと思うのだが、素人考えだろうか。

もちろん参戦に当たっては他にも様々なお金が必要になるだろうが、繰り返すがトヨタは現在世界1位のメーカーだ。これほど余裕を持って参戦できるメーカーは限られるだろう。

理由4:参戦していた歴史がある

新規でF1に参戦するのとは違い、過去に参戦していた歴史(2002年から2009年の8年間)があるので、その時のノウハウも活かせる。

例えば2009年(17戦)と2024年のF1開催スケジュール(24戦)を比較すると、13戦が同じサーキットだ。さらに2024年のWECも8戦中6戦が2024年のF1開催サーキットと同じだ。

過去データのアップデートやWECデータの変換も必要だが、20数戦を一切のデータなしで戦うよりはましだ。

理由5:26年からのF1マシンは半分EVなので市販車にも技術応用は可能

26年からはエンジンとモーターの出力比が2:8から5:5に変更され、よりハイブリッド車やEVに近い特性のレースカーになる。

バッテリー(エナジーストア)への回生エネルギーへの入力も、26年からは2MJから9MJに増えるため、高性能なバッテリーも必要になる。WECで使用している8MJのハイパワー型リチウムイオンバッテリーの知見を大いに活かせる。

理由6:26年はタイミングがいい

26年はトヨタが一連の新電池技術を市場に投入し始めるタイミングとも合う(バイポーラ型LFPは26年、全固体電池は27年の実用化目標)。

さらに出遅れを指摘されるEVのラインナップを拡充するタイミングとも合う。佐藤社長は、26年にEV10車種を新たに投入し年間150万台を世界で販売するという目標を発表したし、中嶋副社長も「電池を効率よく使って、航続距離を2倍にし、心揺さぶる走りとデザインを兼ね備えた次世代バッテリーEV」を26年に投入すると発表している。

F1での活動は、そのプロモーション効果として絶大だ。

EVで存在感を示したいアメリカや中国でF1が開催されることもプラスだ。2024年のF1開催スケジュールでは、北米4戦(アメリカ3戦、カナダ1戦)、中国1戦となっている。

理由7:WECとWRCは無敵状態。WECのライバルは他のチームではなくACOとFIA

トヨタは2023年に、WECでは、5シーズン連続、通算6度目のマニュファクチャラーズチャンピオンを最終戦待たずに確定した。WRCも3年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得しており、この両カテゴリーは無敵状態と言えるのではないだろうか。

WECについては、今年からトップカテゴリーのハイパーカークラスに参戦してきたポルシェ、フェラーリ、キャデラックら、来年からはBMW、ランボルギーニなどの参戦も見込まれているため、苦戦を強いられる可能性はある。

しかし、今年のルマン24時間で起きた大事件を振り返れば、トヨタの最大の敵は、ライバルチームではなく、ACOやFIAだろう。

その大事件とは決勝の10日前に突然BoP(Balance of Performance)が変更され、最低車両重量を37kg増やされたことだ。

これに対してトヨタは必死に抵抗したが、BoPが戻されることはなく、100周年を迎えた伝統のレースは、50年ぶりにトップクラスに参戦したフェラーリが勝利を飾るという映画のような結果で終わった。そしてトヨタは同レースでの6連覇を絶たれた。

F1には、10月8日に決勝が行われたカタールGPのように「全チームに等しく」課せられる安全性を確保するための直前のルール変更はあるが、特定のチームが極端に不利になるようなルール変更はない。

たとえば2005年のF1アメリカGPは、タイヤに問題が発覚したミシュランユーザーチームの提案をFIAが容認しなかっただけで、ルール変更は行なっていない。

理由8:TDP

TDPというレーシングドライバーを育成するシステムがある。現在の名称はTGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)だ。

TDPドライバーにF1への道が繋がっていることを示す目的で、マクラーレンF1チームと手を組むのであれば、レースに出られるかどうか分からないリザーブではなく、確実に2名をドライバーに起用できる自分のチームを持った方がいい。

理由9:FSWがもったいない

FSW(フジスピードウェイ)はトヨタが約1年半をかけてF1を開催できる「グレード1」規格に格上げし、ラップタイムが1分未満にならないように第3セクターも新設した。それにも少なくない費用(200億円とも言われる)がかかっている。ぜひ本来の目的を達成して欲しい。

理由10:人とクルマを鍛える

トヨタはレース参戦の目的を「人とクルマを鍛えるため」としている。強力なライバルチームがいる方が、よりその目的を達成できるだろう。前述のように数年間チャンピオンを取っているWECやWRCよりもF1に出た方がいいのではないだろうか。

2024年は、WRCは13戦、WECは8戦、F1は23戦が開催される予定だ。人とクルマを鍛える機会はF1の方が断然多い。

レースでもマルチパスウェイ

F1でもチャンピオンを獲得できれば、耐久もラリーも勝てる、最強の自動車メーカーになれる。水素レースカー(GR H2 Racing Concept)も完成すれば、レース界でも「マルチパスウェイ」メーカーと言える。

さらには、モナコGPで優勝できれば、メーカーとして世界三大レースのF1・モナコGP、WEC・ルマン24時間、インディカー・インディ500を制覇=トリプルクラウンを達成できる。

きっとトヨタかレクサスブランドで、「LFA」の後継となるようなEVスーパーカーの発売も予定していると思うが、F1での活躍はそのモデルの価値向上にもつながるだろう。

一人のレースファンとして、赤と白の日本国旗カラーのトヨタF1マシンが、トップチェッカーを受けるシーンを見てみたい。その瞬間がFSWで訪れたら…想像しただけでも胸が熱くなる。

佐藤社長、いかがでしょうか。

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みんなのコメント

207件
  • tow********
    PU製造者登録とかすでに終わってるから、
    トヨタがやる!って言っても26年参戦は手遅れ。
  • ライスisスーパー
    んー。この記者はポジティブなことばかり書いてますが、そもそもF1を知らないのだろうな。

    仮に2026年からトヨタがF1に参戦したいです!と言ったらできる訳では無いことも知らないのだろう。
    それに仮に2026年から参戦権を得れたよしよう...で、2023年がもう終わるのに新規でエンジンを開発するには手遅れすぎるってこと。他チームはとっくに新レギュレーションに対応するエンジン、マシンを開発している。今からではライバルに追いつくどころかまともにレースになるマシンは作れない。
    可夢偉と中島?居るからどうしたの?まさか今更F1ドライバーとしてのせるつもり??F1舐めてんの?笑
    バジェットギャップにより会社に金が余ってようが、年間で使える額は決まっている。

    トヨタがチームとして参戦するのは嬉しいが、記者が書いてるほど甘くは無い。復帰するには記者が思っているよりももっとハードルが高い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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