ルイス・ハミルトンが、4月19~21日に上海インターナショナル・サーキットで開催された中国GPのスプリントレースで最初の8周をリードし、最終的に2位でフィニッシュしたとき、メルセデスは苦境を脱して『W15』のスイートスポットを見つけたと信じた。
しかしその数時間後、チームの楽観主義は絶望に変わった。7度の世界チャンピオンであるハミルトンは、予選の最初のセッションで3番目に遅いドライバーとなりQ1で敗退してしまったのだ。つまり、ハミルトンは日曜日のレースを同じセットアップで18番グリッドからスタートしなければならなかった。彼は挽回したものの順位は9位と振るわず、レース勝者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)からほぼ1分遅れでのフィニッシュとなった。
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メルセデスF1のテクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンからすると、ハミルトンの問題の責任を負わなければならないのはチームだ。それはメインイベントのために選ばれたセットアップのことというよりも、運営面で計画がうまく練られていなかったためだ。
パルクフェルメの新しいルールに満足しているアリソンは、「これは非常に歓迎すべきルール変更だが、諸刃の剣でもある」と説明した。
「週末のスプリントの部分とメインイベントの間で選択を間違えると、マシンが遅くなって苦戦することになる。予選前にテストのための走行ができないので、予選Q1で初めて調整の効果を味わうことになるんだ。そのため、間違った選択をしたら苦戦することになるし、苦戦していることに初めて気づくのは、本当に重要なときになってからだ」
アリソンは今回ハミルトンが直面した問題に言及し、次のように明かした。「彼は、ジョージ(・ラッセル/メルセデス)がQ1の最初の走行でとったのと同じアプローチを採用していたらよかったと言っていた。ジョージは燃料を補給して2回タイムを出した。最初のフライングラップでマシンの感触をつかみ、クールダウンラップを行い、次のチャンスでマシンの感触をより多く掴むようにした」
「一方、ルイス(・ハミルトン)はセッションの後半にタイムを出すラップを1周だけ行った。その後、もう1周必要だと非常にはっきりと言った。彼は、自分が行った変更によってマシンがアンダーステア気味になり、ブレーキング時にマシンがロックアップしやすくなることに気づいた。彼はフロントブレーキを持て余しており、ある意味でそれが問題を起こしていた」
アリソンは続けて当時の状況を振り返った。「我々はみな、ルイスの2回目の走行で何が起こったのかを見た。それは彼の2回目のタイムラップだったが、彼はメインストレートを走り、その次のヘアピン(ターン14)に入ったところでブレーキングの調子を少し崩して進んでいったが、そこでは0.7秒(の遅れ)だった。これはかなり大きなギャップで、これがなければ彼は簡単にQ3に進出できただろう」
「そのため彼は手を挙げて『僕のミス、僕のエラーだ』と言ったが、我々の方はもう少し円満に、彼がジョージのようなプログラムを追求することをもっと強く勧めるべきだったと言うところだったと思う」
そうした理由から、アリソンは次のように締めくくった。「これは我々のミスだ。率直に言って、今ほどトリッキーではないマシンを作るべきだ。今のマシンが、ドライバーがまったくやりそうにないミスを犯す原因となっている」
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