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改めて見るとちょい気恥ずかしい…名(迷)キャッチコピーを背負わされたクルマ9選

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改めて見るとちょい気恥ずかしい…名(迷)キャッチコピーを背負わされたクルマ9選

 クルマの持つ魅力や個性を表すキャッチコピー。7代目クラウンの「いつかはクラウン」や4代目スカイラインの「ケンとメリーのスカイライン」といった有名なものだけでなく、メーカー各社はさまざまなキャッチコピーのクルマを生み出してきた。

 なかにはひねりすぎて意味不明!? になってしまったものや、大仰なキャッチコピーとは裏腹にセールス的には大苦戦したモデルなども……。

改めて見るとちょい気恥ずかしい…名(迷)キャッチコピーを背負わされたクルマ9選

 今回はそうした改めて見てみると「どういう意味?」と首をかしげたくなったり、ちょっと気恥ずかしくなるようなキャッチコピーを与えられたクルマたちを紹介する。

文/入江 凱、写真/日産、ホンダ、マツダ、スズキ、ダイハツ、favcars.com

自信に溢れた!? キザなキャッチコピーを与えられたクルマたち

■日産 7代目ブルーバード【ブルーバード、お前はスーパージェネレーション】

 1959年に登場し、2001年の10代目まで販売が続いた日産 ブルーバード。そのなかでも印象的なのが1979年に登場した6代目910型のCMで「ジュリー」こと沢田研二が口にする「ブルーバード、お前の時代だ」というキャッチコピーだろう。大ヒットした3代目510型譲りの直線的なデザインと走行性能の良さから大人気モデルとなった。

 続く7代目U11型は、駆動方式をそれまでのFRからFFへと変更。イメージキャラクターには引き続き沢田研二を採用し、「ブルーバード、お前はスーパージェネレーション」というキャッチコピーとともに販売されたが、FRによる走りの良さをブルーバードに求めていたファンには受け入れられず、6代目ほどの人気を獲得することができなかった。

 7代目には他にも沢田研二が手を鳥の羽のようにパタパタさせながら「ブルーバードにならないか」と視聴者に呼びかけるCMもあったが、今考えてみるとなかなかシュールだ。

7代目U11型ブルーバードはそれまでのFRからFFに駆動方式を変更し、新しい時代を作ろうとしたが既存のファンに受け入れられなかった

■日産 初代レパード【パワーエリート/鋭く挑む、華麗なる豹】

 日産のレパードはバブル時代に人気を博すハイソカーやスペシャルティカーと呼ばれるジャンルの先駆けとして1980年に発売された。スポーティなデザインと上質な内装、フェンダーミラーに専用の小型ワイパーを付けるといった世界初の装備も採用されるなど、当時の高級車としての要件を満たしたモデルだった。

 英語で豹を意味するレパードという名称や、加山雄三が起用されたCMの「鋭く挑む、華麗なる豹」というキャッチコピーが表しているように比較的アグレッシブでスポーティなイメージで売り出していたレパードだが、1981年にソアラが発売されるとその高級感には及ぶことができず、人気を奪われるかたちとなってしまった。

■日産 初代プレセア【全身センス/絶世のセダンです】

 1985年に登場したトヨタの初代カリーナEDから始まった「背が低い4ドアハードトップ」ブームに合わせ1990年に発売されたのが日産 プレセアだ。

 CMは有名な浮世絵である「見返り美人図」をモチーフにしたもの。「全身センス」「絶世のセダンです」という自信満々のキャッチコピーで表現されるように、フロントグリルレスや凹形状のヘッドライトといった独特のデザインは女性の心を惹きつけた。

 しかし1995年のモデルチェンジで一新された2代目は初代ほどのファンを獲得できず、さらに居住性に優れているとは言えない4ドアハードトップブームも終息を迎えたこともあり、プレセアも姿を消すこととなった。

「全身センス」とまで謳った初代プレセアのデザインは好き嫌いがはっきり分かれた個性的なものだった

■マツダ ユーノスコスモ【高級車は、私に向かう。】

 マツダの販売チャンネルのなかでも高級路線をとっていたユーノスから1990年に販売されたロータリーエンジン専用車がユーノスコスモだ。バブル時代らしい大型ボディを持つ2ドアクーペで、量産車では世界初となる3ローター式のエンジンはV型12気筒に匹敵するほどの滑らかさを持つと言われていた。

 「高級車は、私に向かう。」という自信に溢れたキャッチコピーの通り、美しいデザインと高出力のエンジンを備えたユーノスのフラッグシップモデルだった。

 その一方で、V型12気筒に匹敵すると言われたエンジンの燃費は最悪で、実燃費で3km/L、条件次第では1km/L近くにまで達するとも言われる悪い意味でも有名なクルマだった。贅沢な装備には生産コストもかかり、バブル景気の崩壊もあってユーザー、メーカー両方にとって手に余る高級車となったユーノスコスモは1996年に販売終了となってしまった。

とにかくインパクト大! 記憶に残るキャッチコピーを与えられたクルマ

■ホンダ 2代目インテグラ【かっこインテグラ/調子インテグラ/気持ちインテグラ】

 1989年に発売された2代目インテグラは初代から一新したスポーティな外観と画期的なVTECエンジンを初めて搭載したクルマとして人気を博した。

 何より印象的なのは映画バック・トゥ・ザ・フューチャーで一躍スターダムにのし上がったマイケル・J・フォックスを起用したCMだ。その内容は颯爽と走るインテグラの映像が流れた後にマイケル・J・フォックスが「かっこインテグラ」というダジャレで締めるというもので、「調子インテグラ」「気持ちインテグラ」で締めるバリエーションもあった。

 冷静に考えると、「ハリウッドセレブを使ってダジャレかよ!」と突っ込みたくなるキャッチコピーだが、当時CMを見ていた人たちには大きなインパクトを与えた。

■スズキ マイティボーイ【スズキのマー坊とでも呼んでくれ】

 軽スペシャリティカーである2代目セルボをベースに、後方のルーフを取り払いピックアップトラックにしたのが1983年発売のスズキ マイティーボーイだ。

 CMの「スズキのマー坊とでも呼んでくれ」のキャッチコピーは有名で、実際に「マー坊」の愛称で親しまれた。今となってはありえないような「金はなくてもマイティボーイ」という斬新なCMソング通り、お金に余裕のないけれどクルマ大好きな若者たちをターゲットに定め!? 当時の新車価格で45万円という低価格で販売された。

 しかし、実用面で見るとスペースユーティリティに難ありということもあってか、モデルチェンジをすることなく、愛すべきマー坊は生産は終了となってしまった……。お手軽価格が売りだった庶民派マー坊も最近では希少性が増し、状態の良いものはセレブの趣味人向けのお高いクルマに変貌してしまっている。

「マー坊」ことマイティボーイは他に類を見ない独特なデザインを愛するファンも多く、希少性も高くなりつつあるので中古の値段はこれからも上昇していくだろう。マー坊なんて気軽に呼べなくなる日も来るかもしれない

どういう意味? 立ち止まって考えてしまうようなキャッチコピーのクルマ

■ホンダ バラード【お父さんが目立つプライドセダン】

 ホンダ バラードは1980年に2代目シビックの姉妹車として登場したファミリーセダン。CMでのキャッチコピーは「お父さんが目立つプライドセダン」。その解釈は明確にされていないが、「日頃見えないところで頑張っているお父さんが、家族や周りの注目を集められるような上質なセダン」と言ったところか。

 しかし、蓋を開けてみるとお父さんが目立つどころか、地味なクルマというイメージのまま3年後にはモデルチェンジ。2代目に先立ち発売されたスポーティな派生モデルのバラードスポーツ CR-Xはアツいファンを獲得したが、1986年にベース車となるバラードは廃止に。そして、生産が続いていた派生車も翌年のモデルチェンジのタイミングで「バラードスポーツ」の名前が外され「CR-X」として独立してしまった。

2代目シビックの姉妹車として販売されたバラードはうまくまとまっていて、良くも悪くも個性のあまりない地味な印象のクルマになってしまった。ちなみにCMの中でのお父さんは言うほど目立っていない

■ダイハツ リーザ【エアロヘミサイクル】

 ダイハツ リーザは1986年に登場した2代目ミラをベースにした軽スペシャルティカー。車名のリーザはモナ・リザのように多くの人から愛されるクルマになってほしいという願いが由来になっている。

 キャッチコピーにある「へミサイクル(hemicycle)」とは半円球形を意味し、そのキャッチコピー通りの、オーバルフェイスのフロントビューからラウンドバックにかけての独特なフォルムが特徴的なクルマだった。

 しかし「ヘミサイクル」という聞き慣れない言葉ゆえ、どのようなクルマかイメージできたユーザーは少なく、2代目にモデルチェンジすることなく生産終了となった。

リーザはユーザーの自己表現のツールになるような個性的で存在感のあるクルマを目指して「へミサイクル=半円球形」をテーマにデザインされた

■ダイハツ 2代目シャレード【凄いビートだぜ、ROCK’N ディーゼル】

 1983年に登場した2代目シャレードには当時世界最小となる3気筒リッターディーゼルエンジンが用意された。コンパクトカーらしい燃費にも優れたエンジンだったが、当時の技術ではディーゼル特有の振動やノイズを大きく抑制することはできなかった。

 そうしたデメリットを隠すのではなく「凄いビート」「ロックだ」と言い換えることでポジティブなイメージに変えようとした名キャッチコピーだ。

 しかし! 冷静に考えると、「凄い振動だぜ」と言っているだけのような……。言葉選びひとつで印象が変わる好例だろう。

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