■全通まで残り「3工区」だけ!
新潟市から青森市まで、日本海側の都市をつなぐ高規格道路「日本海東北自動車道」が、気づけば「ほぼ全通」という状況になっています。
いったいどのような道路で、どこまで進んでいるのでしょうか。
【画像】超便利!? これが壮大な「日本海東北道」ルートと工事状況です
日本海東北道は、新潟市で北陸道から直通し、鶴岡、酒田、秋田、大館を経由して、小坂JCTで東北道に接続する約322kmの壮大な高規格道路です。
基本的に無料バイパスですが、一部は有料区間です。具体的には新潟市近郊部、酒田市周辺(山形道として)、秋田市周辺(秋田道として)の3区間。
新潟~秋田~青森の日本海ルートを構築し、海沿いの山岳区間に苦しまずに、信号ゼロでスムーズな長距離輸送を可能にします。
さて、322kmのうち、気が付けばほとんどが開通しましたが、最後まで残った未開通部は、大小あわせて3工区です。
【朝日温海道路】延長40.8km
新潟県・山形県の県境をまたぐ、厳しい山岳区間を克服する区間です。国道345号とJR羽越本線が海岸線沿いを走っていますが、平地はほとんどありません。
仕方なく国道7号は内陸部へ大きく迂回していますが、日本海東北道もこれに沿って整備されます。そこが未開通部としては最大である「朝日温海道路」です。新潟国道事務所・羽越河川国道事務所・酒田河川国道事務所と、異例の3事務所に管轄が分かれ、それぞれ別個に事業が進められており工事情報も分散しています。
気になる進捗ですが、2013年に事業化してから11年目。開通めどのカギを握るのは、総延長10km以上にもおよぶ13本の連続トンネルです。
13本のトンネルのうち、掘削完了したのは1号トンネル(1007m)、4号トンネル(1185m)、9号トンネル(332m)、大岩川トンネル(1058m)。掘削中なのは、2号トンネル(32%)、11号トンネル(58%)、鼠ヶ関トンネル(59%)、小岩第2トンネル(69%)です。
残りの3号・5号・6号・7号・8号・碁石・12号・13号・早田・小岩第1の計10本は、まだ計画中です。
それ以外の谷筋の平地でも、高架部の橋脚がニョキニョキと姿を現してきました。
■もうひとつの「県境区間」も工事中!?
【遊佐象潟道路】延長17.9km
山形県・秋田県の県境をまたぐ、やはり崖っぷちの難所を、高架・切土主体でで抜けていく区間です。
酒田市の北側である遊佐鳥海ICまでが2024年3月に開通したばかり。あとは本格的な山岳区間を残すのみです。
とりあえず、秋田県側では、県境手前の小砂川ICまでが「2025年度」開通予定。残る県境区間は「2026年度」開通予定となっています。現場では橋脚がニョキニョキと立ち並んでいます。
しかし、7月の豪雨で、山形県側の工事現場で盛土崩壊などが発生。さらに鳥海山周辺の史跡に関する協議も難航しており、2026年度に間に合うかは不透明になったと発表されています。
【二ツ井今泉道路】延長5.9km
能代~大館のなかで、ポツンと途切れた最後の未開通部がここです。東能代駅から鉄道で3駅目、二ツ井駅周辺が工区になっています。川の北岸の山を、トンネル主体で抜けていきます。
2024年11月時点の進捗状況を見ると、かなり形が見えてきました。3本のうち「小繋トンネル」「今泉第二トンネル」は完成済み。「今泉第一トンネル」も2022年に貫通を迎えています。ほかにも切土・盛土工事が着々と進んでいて、工事は大詰めとなっています。
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