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E46型BMW M3の幻ボディが現実に レストモッドと呼ぶのは正しくない ペトロイル・ツーリング、限定50台で約2800万円から

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E46型BMW M3の幻ボディが現実に レストモッドと呼ぶのは正しくない ペトロイル・ツーリング、限定50台で約2800万円から

量産に至らなかったE46型M3のツーリング

BMWは2000年発売のE46型M3で、ステーションワゴンのツーリングを提供しなかった。同年にコンセプトカーは発表されているが、量産には至らなかった。それから四半世紀を挟んだ今、現実のものとして筆者の前に姿を表した。

【画像】理想的な普段使いクルマの正解? ペトロイル・ツーリング E46 M3 最新M3 ワゴンも 全106枚

レストモッドと呼ぶのは、正しくない。メカニズム上はアップデートされておらず、M3そのままだから。これは、グレートブリテン島南部のオックスフォードシャー州に拠点を置くレストアガレージ、ペトロイル・レストレーションズ社の最新作となる。

レシピは、文章の上ではシンプル。まず、状態の良いE46型3シリーズ・ツーリングのボディシェルを用意する。流通量は少なくないが、酷い状態の例も多いらしい。

次に、良好なM3のドライブトレインを探す。ボディの状態は問わず、走り込まれたコンバーチブルなどが望ましいとか。ただし、これを合体しただけでは完成しない。

通常の3シリーズをカーボン製ボディでM3化

ツーリングの荷室下には、スペアタイヤ用の凹みがある。これは、M3用マフラーを組むのに邪魔になるため切り取られ、カーボン製パネルがはめられる。

M3の18インチ・ホイールとトレッドへ対応させるため、ホイールアーチの膨らんだフロントフェンダーに加えて、リアバンパーとサイドシルは、カーボンで新規に作られる。ルーフパネルやフロントバンパーも、カーボン製がお好みなら応じてくれる。

リアのクオーターパネルは大きな1枚もののスチール製なため、肉付きの良いホイールアーチが溶接される。リアドアは、標準のまま。仮にBMWが量産を決めたとして、フェンダーラインに合わせて後端を処理したなら、新たな金型が必要になっただろう。

そして、ドライブトレインが移植される。プロの手にかかれば、警告灯が点きっぱなしになるようなことはない。E46型の弱点といえた、リアアクスルを支えるパネル部分も強化される。かくして、幻のE46型M3 ツーリングは完成する。

多くのレストモッド・モデルより大幅に安価

このペトロイル・ツーリングは50台が生産予定で、英国価格は13万ポンド(約2795万円)から。もし興味をお持ちなら、早めにご連絡された方が良い。予定を超える注文が集まるだろうと、同社の代表は考えているからだ。

25年前のBMWへ、最新のM3 ツーリング以上の金額と聞くと、高すぎるように思えなくはない。それでも、素晴らしいアイデアを少量ながら実現した事例として、多くのレストモッド・モデルより大幅に安価といえる。

筆者は、つい最近までE46型3シリーズのクーペに乗っていた。この時代のインテリアやサイズ感は、非常に好ましいものだと理解している。運転姿勢は素晴らしく、視界は全方位で良好。最近の高性能なBMWと比べれば、小柄で扱いやすい。

かといって、古臭さはない。E46型3シリーズは、現代でも問題なく実用に耐える。しかも試乗車の内装は、デモ車両として、素晴らしい手仕事で仕立てられていた。注文者の希望へ応じて、パーソナライゼーションにも応えてくれる。

期待通りの走りでこの上ない充足感

路上での走りは、期待通り。BMW M3 ツーリングへの願い通り。サスペンションのスプリングとダンパーは、ペトロイルのオリジナルで、しなやかに路面の不正を均してくれる。落ち着いた動きの中に、秘めた能力の高さを滲ませる。

ステアリングは重めで、現代の電動パワステと比較すれば、反応は若干スロー。それでも、車重は1570kgと重すぎず、全幅は1780mmと広すぎないから、不満なく機敏な印象を受ける。狙ったラインを正確に辿れ、反応は素直。バランスは素晴らしい。

走行距離16万km超えのドナー車から移植されたパワートレインは、その過去をまったく感じさせない。8000rpm近くまで回る自然吸気エンジンが生む最高出力は、342psと控えめで、どこか懐かしい趣もあるが、しっかり能力を引き出したいと思わせる。

リンクにポリウレタン・ブッシュが組まれた、6速MTのシフトレバーはタイトに動く。意のままにギアを選べ、直6ユニットの快音を引き出せる。尖すぎない加速を、誇張されない音響の中で味わえる。その充足感は、この上ない。

理想的な普段使いのクルマの正解か?

最大トルクは、5000rpmで37.1kg-m。ここに到達するまでが、1つの喜び。0-100km/h加速は5.2秒で、決して遅いわけではない。

実用性は、3シリーズ・ツーリングへ準じる。後席には大人が問題なく座れ、荷室の容量は435Lある。テールゲートを持ち上げず、リアガラスだけ跳ね上がる構造も便利だ。

予算抜きに理想的な普段使いのクルマを選べるなら、何がベストか考える時がある。ランドローバー・レンジローバーや先代のフォルクスワーゲン・ゴルフ R、アウディのRS系も望ましい。しかし、自分は正解をココに見つけた気がする。

ペトロイル・ツーリング(英国仕様)のスペック

英国価格:13万ポンド(約2795万円)

全長:4490mm(標準3シリーズ・ツーリング)

全幅:1780mm

全高:1370mm(標準3シリーズ・ツーリング)

最高速度:249km/h

0-100km/h加速:5.2秒

燃費:8.4km/L

CO2排出量:287g/km

車両重量:1570kg

パワートレイン:直列6気筒3179cc 自然吸気

使用燃料:ガソリン

最高出力:342ps/7900rpm

最大トルク:37.1kg-m/5000rpm

ギアボックス:6速マニュアル/後輪駆動

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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