直線で見通しが良いため速度を上げても不安を感じることはない
世界で他に類を見ない「速度無制限の高速道路」であるドイツのアウトバーン。その起源は1913年にベルリン郊外に自動車の走行性能向上を目的に建設されたテストコース「AVUS(Automobil-Verkehrs-und-Übungs-Straße、通称アヴス)」と、なんと今から120年近くも昔にさかのぼる。アヴスは戦後にF1ドイツGPやDTMのコースとしても使用されていた。現在はアウトバーンの一部となっている。
世界の頂点は「ドイツ車」信奉は未だに存在! 日本車は本当に負けているのか
現在は総延長が約1万3000kmもある、通行料が無料(大型商用車は1995年に有料化)のアウトバーンは、全体のおよそ62%(約8000km)が速度無制限、約38%(約5000km)の区間は、立地(主に都市部)や工事などの理由で終日または時間帯により最高速度が130km/h以下に規制されている。ただし、車線規制が伴う工事区間でも速度規制は通常80~100km/hと速い。無制限区間は、法的には音速で走ってもOKだが、推奨速度は130km/h。ちなみに80km/h以上で走行可能な車両であれば走行可能で、日本の高速道路のような排気量制限などはない。
速度無制限区間では、誰もがブッ飛ばしているのかというと、そんなことはない。片側3車線の区間では、一番右側の走行車線は100km/h前後、中央車線は130km/h前後、一番左の車線は160km/h前後といったところ。交通量が少ない状況では、それぞれ20km/h増しという感じだ。
とはいえ日本人の感覚では、相当速く思うかもしれない。だがアウトバーンを実際に走ってみると、スピード感はそれほど高くない。車線の幅員が通常3.75mと3.5mが基本の日本より広く、カーブはとても緩やか、交通量も日本の幹線高速道路のように多くはないので、実際にはとても走りやすい。さらに舗装も日本の高速道路より圧倒的に平滑なので、速度を上げても不安を感じることはない。
ただし、雨天時や降雪時は、日本以上に注意が必要となる。もちろんそのようなシチュエーションでは速度規制がかかるが、やはり平均速度は高い。日本の高機能舗装のような排水性が高い路面もないので、ドライバーには路面状況とタイヤ&クルマの性能に応じた運転が求められる。
事故を起こした場合は保険が必ずしも支払われるわけではない
速度無制限区間で高速走行中に事故を起こしてしまった場合、速度違反について問われることはないが、自動車保険が支払われるとは限らない点も知っておく必要がある。ドライバーに過失がない事故の場合は問題ないが、裁判所で「ドライバーの運転能力とクルマの性能を見誤った運転が原因」と判断された場合には、保険会社が支払いを拒否する可能性があるのだ。また安全運転義務違反として、年収相当の数万ユーロもの罰金が課せられる場合もある。超高速走行はあくまでも自己責任であることを忘れてはいけない。
ドイツ人には、「ルールは守るもの」という意識が強いので、速度無制限区間から速度制限区間に入るときには、F1マシンのピットインのように、規制区間に入る手前ギリギリで減速する。その一方でドイツのドライバーは、速度規制区間でも制限速度を必ずしも守らない。130km/hに規制されている区間では150km/h弱、つまり「制限速度+20km/h弱」で走行するドライバーが大半だ。
その理由は、アウトバーン上では20km/h未満の速度超過の罰金が30ユーロ(約4000円)と安く、点数も加算されないから。今秋には値上げが予定されているが、26km/h以上の速度超過(罰金80ユーロ:約1万500円)をしない限り免許停止にもならないので、このような状況になっている。アウトバーン上では覆面パトカーも取り締まりを行っているが数は少なく、自動速度取締装置(いわゆるオービス)も一般道上よりはるかに少ないので、多くのドライバーが「制限速度+20km/h弱」で走行しているのである。
「自動車を発明した国」であるドイツにとって、アウトバーンは誇りであり、ドイツ国民の移動の自由を象徴するものである。ドイツでアウトバーンを走行する際には、くれぐれも周りのクルマの振る舞いに注意して、飛ばしすぎないようご注意ください。
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みんなのコメント
どちらにしろ死ぬだろうけど。
速度無制限だけ欲しがって、他の義務はいい加減な(警察に取り締まられても、法規違反してる癖に文句ばかり言って守りもしない)日本人には無理なルールでしょ。