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敬意を払い自然を楽しむ 社長のジープ・ラングラーで悪路へ(1) 最大リスクはサイドウォール損傷

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敬意を払い自然を楽しむ 社長のジープ・ラングラーで悪路へ(1) 最大リスクはサイドウォール損傷

未舗装の小道をジープで走るプロジェクト

ジープUKの社長は、このブランドらしい冒険的なライフスタイルを自ら実践している。引くくらい過酷な、「エクストリーム・トライアスロン」にも挑戦するほど。通常のトライアスロンの2倍の距離を、それぞれこなす超人イベントだ。

【画像】難所も驚くほど滑らか ジープ・ラングラー 競合のオフローダー グラディエーターも 全157枚

「自分は、昔からアウトドア派でした。メンタルヘルスにも気を配っています。自然へ出かけることは、メリットばかりです。身体にも心にも」。今日もウェットスーツを持ってきたと冗談を交えつつ、クリス・チョルモンドリー氏が笑う。

筆者がいるのは、グレートブリテン島北部の湖水地方。南北へ長いウィンダミア湖の横断から旅は始まるが、もちろん泳がず、国道の一部を構成するフェリーに載る。チョルモンドリーの社用車を含む、ジープ・ラングラーの隊列で。

彼が社長へ就任したのは2023年。以来、ブランドのルーツを確固たるものにすべく、様々な取り組みが展開されている。

英国でグリーンレーンと呼ばれる、かつて村々を結んだ未舗装の小道を管理する団体、「GLASS(グラス)」との連携もその1つ。総長9700kmあり、近年は農業や林業で用いられているが、ジープ・オーナーも走れるよう、各ディーラーが体制を整えている。

「この取り組みは、自然へ敬意を払って実施されます」。と、チョルモンドリーは主張する。「50km/hで駆け抜けて、水しぶきを上げることが目的ではありません。あらゆる形態の冒険と自由を、尊重することといえます」

社長のラングラーでグリーンレーンへ

この連携を初めて筆者が伺ったのは、2024年のこと。しかし、ステランティス・グループの窓のない会議室の中で、現実味は薄かった。「ぜひ、グリーンレーンへ連れて行ってください」。冗談めいて口にしてから数か月後、湖水地方へ招かれた。

フェリーが対岸へ到着すると、社長のラングラーの鍵が手渡された。チョルモンドリーは、助手席へ飛び乗る。スキッドプレートとサイドレールが装備された、ルビコンだ。

今回走るのは、グリーンレーンでも自動車が走行可能な区間。通称、BOAT(ボート)と略されている。自由に車両が走れる区間があること自体、余り認知されていない。敷居が高いと感じている人も多いという。ジープUKは、それを解決しようと考えている。

先導するのは、オフローダーで数多くの冒険へ挑んできたラッセル・ダイクス氏。グリーンレーンは、一般的な四輪駆動で問題なく走れる区間が殆どだが、彼が同席するだけあって、予定のルートはかなり過酷らしい。ラングラーの能力が、必要になるという。

ウィンダミア湖の西へ広がる、グリズデール・フォレストへ。そこを貫くグリーンレーンが、「ザ・フォックス」だ。無線が入り、ラングラーの四輪駆動システムをローレンジへ切り替え、デフをロックし、スタビライザーを切り離すよう指示される。

タイヤのサイドウォール損傷が最大のリスク

前方には、ゴツゴツした岩が露出した悪路が伸びる。ダイクスは、タイヤのサイドウォールが岩で損傷することが、最大のリスクだと説明していた。岩を避けるのではなく、乗り上げて走った方が安全らしい。

「傷付けないように注意します」。ラングラーを進ませつつ、筆者は助手席の社長へ宣言する。彼は、特に気に留めていないようだが。

チョルモンドリーは、幼い頃からクルマ好きというわけではなかったらしい。「自動車業界にいるのは、自分に適していると感じているうえに、多くの生活の質へ大きな影響を与えられるからです」

大学ではマーケティングを専攻。プジョーで1年間のインターンを経験したのが、クルマ業界へ進むきっかけになった。それから20年間、実際にマーケティングやディーラー管理、広報、製品企画など、様々な業務を経験してきたそうだ。

プジョーのマーケティング・ディレクターへ就任した後、ステランティス・グループの1つ、ジープUKの社長という座へ就いた。指名したのは、ステランティスUKを取りまとめるマリア・グラツィア・ダヴィーノ氏。多角的なスキルが評価されたことは間違いない。

彼の経歴を伺いながら、ラングラーで岩をクリアしていく。サスペンションは有能で、大きな段差を越えても、殆ど衝撃が伝わってこない。フォトグラファーの声が外から聞こえ、ふと周囲を見渡すと、相当に過酷な場所にいることへ気が付いた。

この続きは、社長のジープ・ラングラーで悪路へ(2)にて。

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