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【写真35枚】BMW新型「iX3」の姿が明らかに! 次世代EV「ノイエ・クラッセ」の第1弾が示す「10分チャージ」という未来

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【写真35枚】BMW新型「iX3」の姿が明らかに! 次世代EV「ノイエ・クラッセ」の第1弾が示す「10分チャージ」という未来

新型「iX3」プロトタイプに見る新時代のBMWデザインと技術革命

2025年6月11日、BMWは、同社の次世代電気自動車(EV)群「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」の幕開けを飾る最初の市販モデル、新型「iX3」のプロトタイプの詳細を公開した。これは単なる新型車の発表ではない。BMWが100年以上にわたり築き上げてきた「駆けぬける歓び」という哲学を、電動化とデジタル化が加速する未来に向けていかに再定義し、進化させるかという問いへの、現時点での最も明確な回答だ。

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新たなインターフェース「BMWパノラミックiDrive」

新型iX3には、ドライバーと車両の対話方法を再定義する、全く新しい表示・操作コンセプト「BMWパノラミックiDrive」が導入される。このシステムの最大の特徴は、フロントガラスの全幅にわたって情報を投影する先進的なヘッドアップ技術「BMW パノラミック・ビジョン」である。Aピラー両端にかけて、黒くプリントされたフロントガラス下端の領域がディスプレイとして機能し、ドライバーは視線を大きく動かすことなく必要な情報を得ることができる。

これに加え、人間工学に基づきステアリングホイール近くの理想的な位置には、マトリックスバックライト技術を採用したタッチスクリーン式の「セントラル・ディスプレイ」が配置され、各種車両機能への直感的なアクセスを提供する。さらに、オプションとして提供される「BMW 3Dヘッドアップ・ディスプレイ」は、ナビゲーションの指示や先進運転支援システム(ADAS)の作動状況といった情報を、ドライバーの視界に直接、立体的に投影する。そして、これらのビジュアルインターフェースを操作するのが、ボタンを備えた「マルチファンクション・ステアリングホイール」である。

これらのコンポーネントは、新開発の「BMW Operating System X」上で統合的に稼働し、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)としてのポテンシャルを最大限に引き出すとともに、将来的なデジタルイノベーションの統合を可能にする。

わずか10分の充電で350kmの航続距離を回復可能

また、新型iX3はBMWの電動パワートレイン技術の集大成である「第6世代BMW eDriveテクノロジー(Gen6)」を初搭載するモデルでもある。その性能は現行のEVの基準を大きく塗り替えるものであり、WLTP基準での航続距離は最大800kmに達する。この長大な航続距離を実用的なものにしているのが、800Vの高電圧技術の採用である。これにより、最大400kWというピーク充電能力が実現され、わずか10分間の充電で350km以上の航続距離を回復させることが可能となった。

Gen6の中核をなすのは、新開発の円筒形リチウムイオンバッテリーセルであり、これはGen5世代で用いられていた角形セルと比較してエネルギー密度が20%向上している。さらに、「セル・トゥ・パック」と呼ばれるアプローチでセルを直接バッテリーパックに組み込み、「パック・トゥ・オープンボディ」という設計思想に基づき高電圧バッテリーそのものが車体の構造部材としての役割を担うことで、車両全体の剛性向上にも貢献する。

Gen6では2種類の電気モーター技術が採用され、リアアクスルには改良型のEESM(電気励起同期モーター)、xDriveモデルのフロントアクスルにはコンパクトでコスト効率に優れたASM(非同期モーター)が搭載される。これらのモーターとインバーターは800Vアーキテクチャに合わせて完全に新設計されており、Gen5世代のxDriveモデルと比較してシステム全体のエネルギー損失を40%、コストを20%、重量を10%削減することに成功している。充電体験を向上させる機能も強化され、AIを利用したインテリジェント充電フラップや、V2L(Vehicle-to-Load)、V2H(Vehicle-to-Home)、V2G(Vehicle-to-Grid)といった広範な双方向充電機能にも対応している。

「スーパーブレイン」が次世代の「駆けぬける歓び」を実現

新型iX3では、BMWの根幹をなす「駆けぬける歓び」もまた、デジタル技術によって新たな次元へと昇華される。これを実現するのが、「スーパーブレイン」と呼ばれる4つの高性能統合コントロールユニットである。

その一つである「Heart of Joy」は、ドライビングダイナミクスに関わる全ての制御機能を単一の高性能ユニットに統合する。パワートレイン、ブレーキ、回生ブレーキ、ステアリング、シャシー制御といった機能を一元管理することで、制御応答速度は従来のシステムに比べて10倍高速化された。

もう一つのスーパーブレインが、自動運転と運転支援機能を司る「Superbrain of Automated Driving」であり、その演算処理能力は従来世代の20倍に達する。提供される機能には、自動でレーンチェンジを行うモーターウェイアシスタントや、複雑な交差点で信号機を認識して自動で停止・発進する機能などが含まれる。

特筆すべきは、世界初となる「協調ブレーキ」機能だ。これは、ドライバーが軽くブレーキを踏んだ際もシステムが介入し、スムーズで安定した制動をアシストするもので、ドライバーと機械がシームレスに連携する「共生型ドライバー支援」という新たなコンセプトを具現化している

BMW ノイエ・クラッセ責任者のマイク・ライヒェルト氏が
「我々は、BMW特有のドライビングプレジャーを全く新しいレベルに引き上げるため、基礎的な技術アップグレードを導入しています」
と述べるように、新型iX3は単なる新型車ではなく、電動化とデジタル化の時代におけるBMWの未来像そのものを提示するモデルであると言える。これらの革新的な技術は、将来的にパワートレインの種類を問わず、全てのBMWモデルへと展開されていく予定だという。

新型iX3は2025年9月のIAAモビリティ(ミュンヘン)でのワールドプレミアを予定しており、2025年末からハンガリーのデブレツェン新工場で生産が開始される。

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文:LEVOLANT LE VOLANT web編集部
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