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新型「Sクラス」のデジタル装備を使ってみた! 音声認識だけで大丈夫!?

掲載 更新 16
新型「Sクラス」のデジタル装備を使ってみた! 音声認識だけで大丈夫!?

■新型「Sクラス」のデジタル装備を試す

 約8年ぶりのフルモデルチェンジをおこない、新型へと生まれ変わったメルセデス・ベンツ「Sクラス」。メルセデス・ベンツにとっても、サルーン系モデルの最上級車となるSクラスのモデルチェンジは、特別ななかにも特別なイベントであることは間違いない。今回はそのハイライトともいえる、一気に進化を遂げたデジタル装備に話を限って、新型Sクラスの魅力を探ってみたい。

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 新型Sクラスは、乗り込む瞬間から新しさを感じさせる1台だ。

 長年継承してきたドアハンドルは格納式となり、キーを持った状態で車に近づけば自動的にドアハンドルがせり出す仕組みだ。これによってスムーズなボディサイドのデザインと、Cd値0.22という秀逸なエアロダイナミクスの実現にも貢献しているわけだ。

 ドライバーズシートに身を収めてまず驚かされたのは、ステアリングまわり以外には、ほとんど物理的なスイッチが存在しないことである。

 その代わりとなるのが、スマートフォンというよりも、12.8インチというサイズを考えればタブレットの大きさに近い、有機ELメディアディスプレイの「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」だ。

 この新型Sクラスに採用されたMBUXは第2世代に相当するもので、生体認証(指紋、顔、声のいずれか)、もしくはPINコードによってドライバーを認識してロックを解除する。

 ちなみに、家族で1台のSクラスを使用する場合などあるだろうから、オーナーだけでなく7人分のパーソナルプロファイルが登録できる。そしてこのロックが解除された瞬間、そのSクラスは自分のクルマ──執事のような存在となるのだ。

 明るく、そして見やすいことが特徴の有機ELディスプレイのボタン表示はどれも大きく、グラフィックの観点からは使いやすさを感じさせてくれる仕上がりだ。

 しかし、運転中の使い勝手という面では、やはり頻繁に操作するものは物理スイッチのまま残しておいて欲しかったというのも正直な感想である。ただし、メルセデス・ベンツはその代わりに、走行中でも容易にコマンドを実行できる対話型の機構をMUBXに導入していると主張するだろう。

 確かに後席から物理的スイッチが届きにくいスライディングルーフなどは、「ハイ、メルセデス」と語りかけ「スライディングルーフを開けて」といえばそのとおりに開くし、エアコンの調整なども物理的スイッチがなくとも音声認識だけで思いのままである。

 しかし、助手席や後席で家族が静かに寝ているときや音楽を車内で楽しんでいるときなど、使用頻度の高い機能は音声認識ではなくワンタッチでおこなえると便利ではある。この件については、長期的に使用すると違う接し方が見えてくるのかもしれない。

■コマンドは声を出しておこなうのが本流となるか!?

 もし、新型Sクラスをショーファードリブン的に使用する場合、もしくは後席に家族などを頻繁に乗せる場合にオススメのオプションが、「リアエンターテイメントシステム」である(S400d 4MATICを除くオプション設定)。

 このオプションのセットであるMBUXタブレットは、とても便利な装備だ。リアセンターアームレストに備えられる7インチタブレットで、リアエンターテインメントのすべてのコンテンツが操作でき、正確にそのコンテンツを操作することができる。

 さらに、助手席側の後席に装備できる「フットレスト付エグゼクティブリアシート」、「アクティブマルチコントロールシートパックパッケージ(リラクゼーション機能)」は、ショーファードリブンとして使用するなら、チョイスしても満足感の非常に高いパッケージオプションといえるだろう。

 ドライバーにとって実用的な標準装備は、あたかもドライバーの前方に浮かんでいるかのように見える高解像度のヘッドアップディスプレイだ。

 これにオプションでぜひともプラスして欲しいのが、「ARヘッドアップディスプレイ」である。これは、ナビゲーション・システムとの連動で実際の路上に行き先を示す矢印を表示することができ、初めてその表示を見たときはちょっとした感動すら覚えるほどだ。

 またアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックの情報などもMBUXとともに路上に表示され、よりリアルな情報がドライバーに伝えられる。

 もうひとつオススメする新規感あるオプションは、「3Dコックピット・ディスプレイ」である。

 ステアリングホイールの先にあるメーターパネルは、高級車ではすでにアナログからデジタルに切り替わっているが、3Dコックピット・ディスプレイは、さらに進化したものである。

 警告や車間を自動で維持するアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックの作動状況など、さまざまな情報を3Dで表示してくれるので、運転中に即座に必要な情報をキャッチしやすく、結果的に安全装備のひとつといってもいいかもしれない。

* * *

 今回は都心から箱根までのショートトリップで、革新のインフォテイメントシステムMBUXを中心に使用してみた。こうした機能は慣れが必要とするところも多く、日常的に使用してみて初めてその利便さを実感できるものだ。

 半日あまりのショートトリップでは、そのすべての機能を使い切ることはおろか、便利さを享受することもできないかもしれないが、第8世代へと進化したメルセデス・ベンツSクラスに触れてみて、ついに本格的なデジタル世代が、メルセデス・ベンツ伝統のSクラスにも訪れたという印象を受けた。

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みんなのコメント

16件
  • やはりこの内装は好みが分かれるだろうし、やはりスイッチ類は必要だと思う。
    あるべきところに必要最小限のスイッチがあるのが本来のメルセデスという感じ。
    あとは代々メルセデスを乗り継ぐ人がすぐに違和感なく乗りこなせるのもメルセデスのモットーだったと思う。
    メーター周りなんてIpad置いただけって感じだもんな。
  • 滑舌が悪い人だと使えない装備
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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