フィットの進化にエンジニアの努力のあとが見受けられる
エクステリアデザインやインテリアなど、クルマを印象づける特徴は「目に見える」部分であることが多い。かっこいいフロントマスクや流麗なルーフライン、オーバーフェンダーやリヤウィングなども見れば一目瞭然。しかし、乗ってみると思っていたイメージとは違ったりしてがっかりすることもある。今回は通常では目に見えない部分に着目し、クルマの特徴を解説してみたい。
本当にホンダの「復活」と喜んでいいのか? N-BOXに続きフィットもバカ売れする「裏」にある「ブランド」の変化
ホンダは新型フィットを昨年末に登場させた。すっきりした車体デザインは旧モデルから大きくイメージチェンジし、ビギナーやファミリー層にも親しみを持たれる柔らかい雰囲気に仕上がっている。この新デザインの裏で、いかなる技術が盛り込まれているのか紹介してみよう。
まず特徴的な細いAピラー。従来ルーフデザインとのワンモーション化を図りAピラーは太く頑丈なタイプが採用されていた。これは前面衝突時の衝撃を受け止め車体全体に受け流す衝突安全上でも重要な役割を果たしていたのだ。しかし太いAピラーは斜め前方の視界を遮り死角を生み出してもいた。
そこで新型フィットではAピラーを極細とし前方にワイドに広がる視界を確保したのだ。言葉にするのは簡単だが、その実現の裏にはエンジニアの多大な努力がある。Aピラーの太さを従来50~100mmほどあったところを30mm程度に抑えた。そこに前面ガラスとコーナーグラスを二方から接着しなければならず、外からは見えないピラー切断面を工夫して頑丈かつ効率的なガラス配置を可能としたのだ。
また前面衝突エネルギーが細いAピラーに伝わらないようにボディ構造を見直し、フロントサブフレームからキックボードを経由してドア前側を支えるA‘(エーダッシュ)ピラーを極太化して対衝撃性を確保したという。その複雑で高度なボディワークは外からは見えない。
また細くなったAピラーは前面ガラスからサイドへと気流を流す分岐点ともなる。そのコーナー表面は絶妙なラインを描き視覚的な美しさを得ながら空力特性も磨き上げなければならなかった。そこでホンダは栃木にある研究所内に実車スケールの超大型高性能風洞実験棟を建設し稼働させている。5ムービングベルトを持つこの風洞試験機は車高を変化させることができ、またタイヤ交換を試験機上で容易に行えるなど最新の設備となっている。
実際には新型フィットのディテールを決定する過程ではまだ稼働していなかってが、これから新型フィットも多くの風洞実験を受け、空力特性はさらに磨き上げられていくことになるだろう。
ホンダは「さくら研究所」にもムービングベルトを備える実車風洞試験設備を持ち、こちらではF1マシンの空力テストも行っている。これで計3機の風洞実験設備を備えることになったという。
シャシーについても多くの部分が改善されている!
新型フィットはシャシーにおいても目に見えない多くの部分で改善されている。フロント/ストラット、リヤ/トーションビームというサスペンション形式こそ従来モデルを継承しているが、その構成パーツの多くを新造し高効率化している。フロントサスペンションはスタビライザーのマウントブッシュを改良。その位置決めを確実にするアルミ製のストッパーを新設した。またスタビライザーを稼働させるリンクを低フリクション仕様としてサスペンションの動きを大きく改善している。
タイヤ/ホイールを装着しサスペンションに繋ぐハブはアップライトを軽量化しハブベアリングユニットも第三世代化してフリクションを低減させることに成功。前後のダンパーマウントも新設計とし、とくにリヤはアルミダイキャストの入力分離式となり車体への入力を軽減しつつサスペンション剛性を高めているのだ。
ステアリングシステムも改良を受けた。衝突時に伸縮し衝撃を吸収する部分をボールスライダー式として剛性を高め路面からステアリングに伝わる振動を低減しつつプレシージョンの高い正確なステアリングとなった。
また全3点あるエンジンマウントホルダーもオール樹脂製とし、エンジン振動の低減と確実な位置決めを可能とするなどしている。
これらは一目見ただけでは分からない内容であり、セールス担当が言葉で説明するのも難しいだろう。実車に乗って、走らせ、効果を感じて初めて内容が理解できることばかりだ。
スタイリングや装備、荷室の実用性など目に見える部分ばかりがカタログを賑わせ、クルマの善し悪しを判断する基準となってしまうことが多いが、じつはこうした目に見えない部分にこそ真の進化の度合いが表れているものなのだ。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
四国と関西をつなぐ「紀淡海峡大橋」はいつできる? 新たな本四連絡橋で関西圏に環状道路網の誕生なるか。
既存モデルの新車の「バックカメラ」が5月から義務化されます 本当にバック事故対策になるのでしょうか?
ホンダ 新型「プレリュード」まもなく復活!? 次期型“流麗クーペ”は「デートカー」それとも「スポーツカー」? 歴代初の「タイプR」登場はあるのか
かつて全盛だった「ステーションワゴン」なぜ人気低下? 国産ワゴンは絶滅寸前!? それでもワゴンが良い理由とは
ホンダのスゴい「新型軽バン」発売延期! 「100万円台」なるか 斬新「前後2人乗り」で注目も! 6月に価格発表、どんな声集まる?
みんなのコメント
まあそんなことはホンダも分かってるだろうし、始めから評価なんてしてくれなくて良いと考えてるんじゃないですか?
某メーカーはパクってくると思いますが。
ミニバンとかのフレームワークも某メーカーさん
一世代遅れで似てきましたし。
ただほんだもフレーム関係キャリーオーバーの時期だった
ので次で先に行けるかどうかですが。