現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > レーシングドライバーも驚愕! ホンダ・フィットに「隠された」外から見えない「スゴ技」とは

ここから本文です

レーシングドライバーも驚愕! ホンダ・フィットに「隠された」外から見えない「スゴ技」とは

掲載 更新 12
レーシングドライバーも驚愕! ホンダ・フィットに「隠された」外から見えない「スゴ技」とは

 フィットの進化にエンジニアの努力のあとが見受けられる

 エクステリアデザインやインテリアなど、クルマを印象づける特徴は「目に見える」部分であることが多い。かっこいいフロントマスクや流麗なルーフライン、オーバーフェンダーやリヤウィングなども見れば一目瞭然。しかし、乗ってみると思っていたイメージとは違ったりしてがっかりすることもある。今回は通常では目に見えない部分に着目し、クルマの特徴を解説してみたい。

本当にホンダの「復活」と喜んでいいのか? N-BOXに続きフィットもバカ売れする「裏」にある「ブランド」の変化

 ホンダは新型フィットを昨年末に登場させた。すっきりした車体デザインは旧モデルから大きくイメージチェンジし、ビギナーやファミリー層にも親しみを持たれる柔らかい雰囲気に仕上がっている。この新デザインの裏で、いかなる技術が盛り込まれているのか紹介してみよう。

 まず特徴的な細いAピラー。従来ルーフデザインとのワンモーション化を図りAピラーは太く頑丈なタイプが採用されていた。これは前面衝突時の衝撃を受け止め車体全体に受け流す衝突安全上でも重要な役割を果たしていたのだ。しかし太いAピラーは斜め前方の視界を遮り死角を生み出してもいた。

 そこで新型フィットではAピラーを極細とし前方にワイドに広がる視界を確保したのだ。言葉にするのは簡単だが、その実現の裏にはエンジニアの多大な努力がある。Aピラーの太さを従来50~100mmほどあったところを30mm程度に抑えた。そこに前面ガラスとコーナーグラスを二方から接着しなければならず、外からは見えないピラー切断面を工夫して頑丈かつ効率的なガラス配置を可能としたのだ。

 また前面衝突エネルギーが細いAピラーに伝わらないようにボディ構造を見直し、フロントサブフレームからキックボードを経由してドア前側を支えるA‘(エーダッシュ)ピラーを極太化して対衝撃性を確保したという。その複雑で高度なボディワークは外からは見えない。

 また細くなったAピラーは前面ガラスからサイドへと気流を流す分岐点ともなる。そのコーナー表面は絶妙なラインを描き視覚的な美しさを得ながら空力特性も磨き上げなければならなかった。そこでホンダは栃木にある研究所内に実車スケールの超大型高性能風洞実験棟を建設し稼働させている。5ムービングベルトを持つこの風洞試験機は車高を変化させることができ、またタイヤ交換を試験機上で容易に行えるなど最新の設備となっている。

 実際には新型フィットのディテールを決定する過程ではまだ稼働していなかってが、これから新型フィットも多くの風洞実験を受け、空力特性はさらに磨き上げられていくことになるだろう。

 ホンダは「さくら研究所」にもムービングベルトを備える実車風洞試験設備を持ち、こちらではF1マシンの空力テストも行っている。これで計3機の風洞実験設備を備えることになったという。

 シャシーについても多くの部分が改善されている!

 新型フィットはシャシーにおいても目に見えない多くの部分で改善されている。フロント/ストラット、リヤ/トーションビームというサスペンション形式こそ従来モデルを継承しているが、その構成パーツの多くを新造し高効率化している。フロントサスペンションはスタビライザーのマウントブッシュを改良。その位置決めを確実にするアルミ製のストッパーを新設した。またスタビライザーを稼働させるリンクを低フリクション仕様としてサスペンションの動きを大きく改善している。

 タイヤ/ホイールを装着しサスペンションに繋ぐハブはアップライトを軽量化しハブベアリングユニットも第三世代化してフリクションを低減させることに成功。前後のダンパーマウントも新設計とし、とくにリヤはアルミダイキャストの入力分離式となり車体への入力を軽減しつつサスペンション剛性を高めているのだ。

 ステアリングシステムも改良を受けた。衝突時に伸縮し衝撃を吸収する部分をボールスライダー式として剛性を高め路面からステアリングに伝わる振動を低減しつつプレシージョンの高い正確なステアリングとなった。

 また全3点あるエンジンマウントホルダーもオール樹脂製とし、エンジン振動の低減と確実な位置決めを可能とするなどしている。

 これらは一目見ただけでは分からない内容であり、セールス担当が言葉で説明するのも難しいだろう。実車に乗って、走らせ、効果を感じて初めて内容が理解できることばかりだ。

 スタイリングや装備、荷室の実用性など目に見える部分ばかりがカタログを賑わせ、クルマの善し悪しを判断する基準となってしまうことが多いが、じつはこうした目に見えない部分にこそ真の進化の度合いが表れているものなのだ。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
motorsport.com 日本版
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

12件
  • それだけ色々工夫しても、そういう点に気付いて評価してくれるはずのスポーティ路線ファンは切り捨てたからね。今のFITに残った客は、「ふ~ん、そうなんだ。それで?」としか思わないよ。
    まあそんなことはホンダも分かってるだろうし、始めから評価なんてしてくれなくて良いと考えてるんじゃないですか?
  • アンチが多いですが、フロントピラーの構造は一世代遅れて
    某メーカーはパクってくると思いますが。

    ミニバンとかのフレームワークも某メーカーさん
    一世代遅れで似てきましたし。

    ただほんだもフレーム関係キャリーオーバーの時期だった
    ので次で先に行けるかどうかですが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村