ワイドバリエーションで導入
フォルクスワーゲン・パサートは1973 年の発売以来、50 年以上の歴史を誇るロングセラーモデルで、累計3400 万台以上が販売されてきた。そして9 世代目となる新型パサートは主要マーケットである欧州市場のトレンドにより、ワゴンボディ専用モデルとして登場。この度、日本にも導入が開始されたので、早速800kmほど試乗に借り出してみた。
【画像】敢えてワゴンで勝負!フォルクスワーゲン・パサートeTSIエレガンス 全39枚
日本に導入されるパサートは、1.5L直列4気筒ターボに48V マイルドハイブリッドを組み合わせたFWDの『eTSI』、同じく1.5L直4ターボにプラグインハイブリッドを組み合わせたFWDの『eハイブリッド』、そして2.0L直4ディーゼルターボの4WD(4モーション)である『TDI』をラインナップ。今回テストしたのはeTSIの中間グレードである『エレガンス』だ。
1.5L直4ターボエンジンは、燃焼プロセスに高効率なミラーサイクルを採用し、さらにガソリン用可変ジオメトリターボを組み合わせるなどして、省燃費とトルクレスポンスを両立させた最新スペックのユニット。また、気筒休止とコースティング時のアイドルストップ時間を拡大したアクティブシリンダーマネジメント(ACT)も備わっている。
ボディサイズは全長4915mm(先代4785mm)、全幅1850mm(1830mm)、全高1500mm(1510mm)、ホイールベースは2840mm(2790mm)と、特に全長はかなり長くなったが、その多くはホイールベース、即ち室内と荷室に充てられている。特に荷室は最大1920Lと広大だ。
大きくなったが、街中での取り回しは悪くない
乗り始めての第一印象は、全てがスムーズということ。アクセルペダルのストロークが結構深いので、慣れないうちは踏み込み量が足りなくてクルマ自体が鈍い印象を持ちがちだが、しっかりと踏み込むようすれば、決して非力さも感じずに、思うままに速度をコントロールできる。
大きくなったボディではあるが、街中での取り回しは悪くない。特に視界は良好であり、また、先代から引き続きボディマウントされたドアミラーのため、右前方の死角が減り、例えば横断歩道を渡っている歩行者の確認がしやすいことなども、運転のしやすさに繋がっている。ブレーキペダルを踏み込んだ際のフィーリングもスムーズだった。
使い勝手という視点では、近年、ステアリングスイッチはどんどん多くなってきているが、フォルクスワーゲン系は比較的シンプルでわかりやすく、一度覚えればほぼ見ないで扱えるのは高く評価したい。また、その触感も悪くなかった。
一方、個人的にふたつ気になったところがある。ひとつはシフトだ。ステアリングポスト右側にレバーがあり、ダイヤルを前に回すとD、逆に回すとRという、ID系でも使われるようになったタイプ。しかしこれまでは、Nを起点にすると逆方向となっており、何度もヒヤリとすることがあった。
もうひとつはセンタースクリーンで、ここまで大きい必要性を感じなかった。また、頻繁に使用する、例えばオートホールド機能はスクリーン内ではなく物理スイッチの方が使いやすいし、スライダー式の空調温度調整も使いにくいものだった。
優れたDCCプロ
新型パサートにはDCCプロがグレードによって標準、あるいはオプションで装備される。これはKYB製の2バルブショックアブソーバーで、簡単にいうと伸び側と縮側の減衰力が別々に調整でき、かつ、それを四輪それぞれで電子制御できる優れものだ。
例えばゆっくりと段差を超えるときは縮側を柔らかく、伸び側を硬くすることで、乗り心地とボディを安定させる。さらに、コーナリング時の外輪は縮側、内輪は伸び側になるので、それぞれふたつのバルブで個々にボディを安定させることができるのだ。
そこに加え、パサートでは電子制御ディファレンシャルロック(XDS)と協調制御される。XDSはコーナリング時に駆動輪内側のスリップを検知すると、その車輪に軽くブレーキを『摘まむ』ことで駆動力を回復させるもの。
これらを組み合わせると、コーナリング時にギャップがあった際にはDCCプロで瞬時に減衰を変化させて不要な姿勢変化を避け、かつ、XDSでスリップを避けることもできるのだ。こうすることで乗り心地の向上だけでなく、ボディを安定させ、結果としてタイヤの接地性を向上させることに繋がるのである。
電子制御ならではの技
DCCプロは15段階で減衰を変えることが可能で、それぞれのポジションで試してみた結果、パサートに相応しい乗り心地は最も柔らかいところだと感じた。そしてさらにステアリングをスポーツにすることで、ハンドリングの正確性を担保することもできた。
ただし、これまでRラインやBMW Mスポーツなど少しスポーティなグレードに親しんできた方は、DCCプロを真ん中あたりにするとちょうど良いだろう。また、興味深いのは、Rラインでは最も柔らかいポジションでも、エレガンスと比較すると若干固めの乗り心地になることで、そのグレードの特性に合わせてセッティングを変えているのは好ましく感じ、電子制御ならではの技だと感じた。
最後に燃費について触れておこう。( )内はWLTCモード値となる。
市街地:14.1km/L(13.0m/L)
郊外:17.1km/L(17.6km/L)
高速:18.5km/L(20.2km/L)
高速燃費こそWLTCモード値に届かなかったものの、マイルドハイブリッドとしては全体を通して評価したい値だ。
そして、若干シュリンク気味のステーションワゴン市場に、あえて3つものパワートレインを導入したフォルクスワーゲンの意気込みは高く評価したい。これまでパサートを親しんできた人たちは保守的な層が多いが、そういう人たちはもちろん、SUVに食傷気味な層にはもってこいの1台だろう。
フォルクスワーゲン・パサートeTSIエレガンスのスペック
全長×全幅×全高:4915×1850×1500mm
ホイールベース:2840mm
車両重量:1580kg(DCCプロ装着車)
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
ボア×ストローク:74.5×85.9mm
総排気量:1497cc
圧縮比:12.0
最高出力:110kW(150ps)/5000-6000rpm
最大トルク:250Nm(25.5kg-m)/1500-3500rpm
モーター定格出力:13.5
最高出力:13kW/4000rpm
最大トルク:56/200rpm
バッテリー総電圧:44V
総電力量:0.7kWh
トランスミッション:7速DCT
燃料タンク容量:66L
駆動方式:前輪駆動
サスペンション:Fマクファーソンストラット Rマルチリンク
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク Rディスク
タイヤサイズ:F&R235/45R18
車両価格:553万円
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みんなのコメント
まあ、残価率の低い車ですから、まあほとんど売れないでしょうね