次期GT 4ドア・クーペの予告?
メルセデス・ベンツは、高性能車ブランドのAMGから新型のコンセプトカー『コンセプトAMG GT XX』を発表した。合計出力1360psを誇る四輪駆動のEVで、革新的なデザイン、先進的なドライブトレイン、モータースポーツからインスパイアされたコクピットを特徴としている。
【画像】AMG史上最強の4ドア車! オレンジが映える次世代モデル【コンセプトAMG GT XXを詳しく見る】 全18枚
新開発のトリプルモーター・システムと、最大850kWの急速充電が可能な油冷式114kWhバッテリーを採用。AMG史上最強の技術デモンストレーションであり、GT 4ドア・クーペの次世代モデルと予想されている。
GT XXは来年の市場投入に先立ち、プロトタイプでさまざまな世界記録への挑戦を行う予定だ。メルセデス・ベンツの最高技術責任者(CTO)であるマルクス・シェーファー氏は、量産バージョンでは0-100km/h加速2.5秒未満、最高速度360km/hを目標としていると述べた。
「(2022年公開の)EQXXコンセプトでは、効率、航続距離、充電の限界に挑戦し、それが直接、新型CLAにつながりました。GT XXでは、パフォーマンス面でも同じことを目指しています。限界を試し、そのイノベーションを量産車に反映させるのです」
メルセデス・ベンツが2022年に発表したEQXXコンセプトは、空気抵抗を可能な限り抑え、高効率のパワートレインと組み合わせることで、実走行テストで1000km以上の航続距離を実現した。今回、AMGのGT XXコンセプトは、走行性能の面で高い目標を設定している。
GT XXは、EV用に新しく開発されたAMG.EAプラットフォームを初めて採用した。バッテリーはシャシーと一体化され、ねじれ剛性と衝突安全性を高めている。ボディは、アルミニウム、スチール、カーボンファイバーの複合材で構成される。
デザイン
GT XXはこれまでのAMGにはない、まったく新しいデザインを採用している。ロングボンネット、キャブバックのプロファイル、リアに向かって絞り込まれるような流れは、新しい時代の到来を予感させる。
「スポーツカーと見る人もいれば、グランドツアラーと見る人もいるでしょう。このクルマは、その両方の世界を融合しています。しかし、最も重要なのは、このクルマが情熱を掻き立てるということです」とシェーファー氏は語る。
最も印象的なのはフロント部分で、AMGのパナメリカーナグリルが立体的な楕円形となり、10本のラインが入っている。ボンネットには熱を排出するための通気口があり、フロントガラスは空力性能を向上させるために大きく寝かせ、ルーフにはエアチャンネルが設けられている。
サイドは、フラッシュ式ドアハンドルとコンパクトなエアロミラーを備えたフレームレスドアで空気抵抗を低減し、サイドシルは空気の流れを導く形状となっている。
リアを見ると、リアウィンドウが設けられていない。下部には、6灯の円形テールライトが並び、730個のLEDで構成される中央のライトパネルは、さまざまなメッセージを表示可能だ。エアブレーキ用のスポイラーは、急ブレーキ時や高速走行時に展開し、大型のカーボンファイバー製ディフューザーと連携して空気を操る。
21インチのアルミホイールにもエアロデザインが施されている。5つのアクティブブレードが備わり、ブレーキ時には開いて冷却を助け、高速走行時には閉じて空気抵抗を低減する。
これらすべてが相まって、空気抵抗係数(Cd値)は0.19を実現した。この数値は、EQXXの0.17ほど低くはないが、シェーファー氏によると、GT XXの開発にあたっては空気抵抗の徹底的な低減よりも、ダウンフォースと冷却性能を優先したという。
これを補うため、アンダーフロアに複雑なエアロダイナミクス設計を採用し、ベンチュリー効果を生み出すことで、「卓越したエアロダイナミックバランス」を実現している。
GT XXのボディサイズは、全長5204mm、全幅2130mm、全高1317mm。参考までに、2018年発売のGT 4ドア・クーペと比べて、全長は150mm長く、全幅も61mm広いが、全高は130mm低い。このサイズ感は量産バージョンにも引き継がれる見込みだ。
鮮やかなサンセットビームオレンジの塗装は、1970年代のC111や、最近のワン・イレブンなど、これまでの研究用プロトタイプやコンセプトカーに対するオマージュだ。
パワートレイン
GT XXの心臓部は、3基のモーターからなるドライブトレインだ。リアに2基のアキシャルフラックスモーター、フロントに1基のモーターを搭載し、低負荷時にはフロントモーターを切り離して機械的抵抗を減らすことができる。合計出力は1360psで、四輪駆動の4マティック+システムを備えている。
モーターは、メルセデス・ベンツが所有する英国のヤサ(Yasa)社が開発したもので、同社の製品はフェラーリやランボルギーニでも採用実績がある。
電力は、AMGのF1パワートレイン部門と共同開発した114kWhの油冷式円筒形セルバッテリーに蓄えられる。電気を通さないオイルでセル全体を浸す液浸冷却方式を採用しており、AMGによると従来の液冷式よりも表面積が広く、効率的な熱伝導を実現するとのことだ。
バッテリーは「800V以上」の高電圧で動作し、理論上は最大850kWのDC充電に対応しているが、現在、そのような容量を備えた公共充電器は存在しない。航続距離については未発表だが、5分間の充電で約400kmを走行できるという。
シェーファー氏は、「3年前、道路上で300kWの充電は考えられませんでした。それが今では現実になりました。中国ではすでに480kWの充電ステーションが見られます。1000kWの充電施設も登場するでしょう」と述べている。
足回りとしては、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションとマルチリンク式リアサスペンションに、アダプティブエアスプリングを組み合わせている。また、量産バージョンにも採用予定のアクティブロールコントロールと後輪ステアリング・システムも搭載。前後重量配分を50:50とされる。
サウンドと内装
AMGは、今日のV8エンジン搭載モデルの魅力を維持するために、多大な努力を払ったと主張している。例えば、ヘッドライトハウジングに組み込まれた8スピーカーのエクステリアサウンドシステムから、加速音を再現する。
「AMGは、単なるパフォーマンスだけの存在ではありません。クルマのサウンドという、エモーショナルな要素が欠かせないのです。EVでも、その体験は実現できると信じています」とシェーファー氏は述べている。
インテリアは、高級セダンの要素とGT3レースカーの要素が共存している。ダッシュボードには2つのデジタルディスプレイ(10.25インチと14インチ)が配され、ステアリングホイールはAMGワンから着想を得たデザインだ。オレンジ色の照明は、高電圧ケーブルの色を彷彿とさせるもので、シートには人間工学に基づいて3Dプリントで作成されたインサートが採用されている。
実験的な素材が数多く使われており、GT3タイヤからリサイクルされたバイオテックレザーの代替素材、タンパク質由来のバイオシルク製ドアハンドル、ヘッドライナーのないむき出しのカーボンファイバー製ルーフなどが備わる。フロアにもリサイクル素材が使用され、チェッカーフラッグパターンでプリントされている。
GT XXの量産バージョンは2026年に登場する見込みだが、翌2027年には、このモデルと密接に関連するSUVが加わる。これは、近日導入予定のEVのポルシェ・カイエンに対抗するモデルだ。
しかし、最近では、複数の高性能車メーカーがEV戦略を縮小している。フェラーリは、予想を下回る需要を受けて、2番目のEVモデルの発売を少なくとも2028年まで延期すると報じられているが、10月に初のEVを発表する計画は変更していない。ランボルギーニ、ポルシェ、マセラティも、今後のEVモデルの発売を延期または中止している。
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