現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 売れないジンクスを破れなかった? 不遇の5ドアハッチバック車3選

ここから本文です

売れないジンクスを破れなかった? 不遇の5ドアハッチバック車3選

掲載 更新 73
売れないジンクスを破れなかった? 不遇の5ドアハッチバック車3選

■欧州テイストながら売れなかった5ドアハッチバック車を振り返る

 クルマにはさまざまなボディ形状がありますが、そのなかのひとつが4ドアセダンをベースにした「5ドアハッチバック」です。

「レビン」復活か トヨタが新型「カローラ セダン」を世界初公開

 一般的には4ドアと共通のボディでリアが独立したトランクではなくゲート式に改められたモデルで、欧州では古くから人気のあるボディ形状でした。

 5ドアハッチバック車の良いところはセダンと同等の操縦性とフォルムながら、ステーションワゴンに近いユーティリティの高さがあり、それらが欧州での人気につながったと考えられます。

 一方、日本では2000年代になるまで5ドアハッチバック車はヒットしたことがなく、自動車業界では「5ドアハッチバックは売れない」というジンクスが長く存在したほどです。

 それでも各メーカーはジンクスを破るために、5ドアハッチバック車を繰り返しラインナップしました。そこで、不遇の5ドアハッチバック車を3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「カローラ リフトバック」

 トヨタがマイカー時代到来に向けて開発した大衆車の初代「カローラ」は、1966年に誕生。当初は2ドアセダンのみでしたが、後に4ドアセダンや2ドアクーペなどボディタイプの拡充をおこないました。

 そして、代を重ねるとボディタイプの増減を繰り返し、1983年に登場した5代目では4ドアセダンと初の5ドアハッチバック車「リフトバック」をラインナップ。

 5代目カローラというと「AE86型 カローラレビン」のデビューとともにセダン系が歴代初のFF化されるなど、大きな節目になったモデルです。

 カローラ リフトバックは基本的なコンポーネンツはセダンと共通でリアセクションのみ異なりましたが、グレード構成は簡素化されていました。

 エンジンは1.6リッターと1.5リッターの直列4気筒SOHCガソリンと、1.8リッター直列4気筒SOHCディーゼルを設定。

 カローラ リフトバックはフルフラットも可能な多彩なシートアレンジを採用し、トヨタも新ジャンルのセダンとアピールしましたが、やはりセダンに人気が集中してしまいました。

 そのため、1987年発売の6代目ではリフトバックは廃止となり、5ドアステーションワゴンにスイッチ。一方で、欧州仕様ではその後も5ドアハッチバック車が設定されました。

●日産「プリメーラ 2.0eGT」

 1990年に発売された日産初代「プリメーラ」は、欧州市場をターゲットに開発されたFFミドルクラスセダンです。

 フロントに採用した新開発のマルチリンクサスペンションによる優れたハンドリングと、広い室内に大容量のトランク、スタイリッシュなフォルムが相まって日欧でヒットを記録しました。

 発売当初は、国内は4ドアセダンのみでしたが、欧州ではイギリス工場で生産された5ドアハッチバックをラインナップ。1991年には日本でも英国製5ドアハッチバックの「2.0eGT」が輸入車として発売されました。

 外観はセダンのイメージを残しつつもリアハッチを寝かしたクーペフォルムを採用。

 エンジンはセダンと同じ最高出力150馬力を発揮する2リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションは4速ATのみとされ、ツアラー的なコンセプトだったようです。

 2.0eGTはセダン譲りの優れたハンドリングと、ステーションワゴン並の使い勝手の良さもある、まさにいいとこ取りのモデルでしたが、日本ではスタンダードなセダンの人気が圧倒的に高い状況でした。

 1995年に発売された2代目にも「プリメーラUK」として5ドアハッチバックが輸入販売されましたが、同時にステーションワゴンをラインナップしていたためかこちらも人気とならず、わずか1年ほどで販売を終了。

 3代目は国内がセダンとステーションワゴンで、欧州では5ドアハッチバックが販売されました。

■セダンはヒットしたものの5ドアハッチバックはダメ?

●三菱「エテルナ」

 かつて三菱の主力セダンとして販売されていた「ギャラン」は、1969年に初代が誕生。その後代を重ねると時代のニーズに対応するように進化し、1987年に登場した6代目では「VR-4」に代表される高性能化を果たしました。

 この6代目ギャランの派生車として、1988年にデビューしたのが4代目「エテルナ」です。もともとギャランの販売チャネル違いの姉妹車として「ギャランΣエテルナ(後にΣエテルナ)」として存在していましたが、4代目はボディ形状を5ドアハッチバックとした別車種へと昇格。

 ボディは6代目ギャランを踏襲したデザインながらリアハッチによってクーペフォルムへ変貌し、伸びやかなシルエットが斬新でした。また、リアセクションの変更に伴いテールランプまわりの意匠も専用となっています。

 トップグレードの「ZR-4」はギャランVR-4と同じ、205馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCターボにフルタイム4WDが組み合わされました。

 ほかにも2リッターと2種類の1.8リッター自然吸気ガソリンエンジン、1.8リッターディーゼルターボなど、多彩なエンジンラインナップを設定。

 しかし、エテルナの販売状況が芳しくなかったためか、1989年には4ドアセダンでギャランそのものといったモデル「エテルナSAVA」を投入。

 1992年に5代目にモデルチェンジすると、エテルナは4ドアセダンのみとなりました。また、7代目ギャランではRV風の5ドアハッチバック「ギャランスポーツ」が登場しましたが、こちらも短命に終わっています。

※ ※ ※

 5ドアハッチバック車が誰もが認めるヒット作となったのは、2003年に発売されたトヨタ2代目「プリウス」が初ではないでしょうか。

 2代目プリウス以降はホンダ2代目「インサイト」が追従し、同じくホンダ車では現行モデルの10代目「シビック」は4ドアセダンよりも5ドアハッチバックのほうが売れました。

 現在もプリウスは5ドアハッチバック専用モデルであり、完全に日本市場で浸透したといえますが、そもそもセダンの人気が低迷していることからこの先も5ドアハッチバック車が増えることは難しいでしょう。

こんな記事も読まれています

マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
くるくら
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
くるまのニュース
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
バイクのニュース
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
レスポンス
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
バイクブロス
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
WEB CARTOP
ヤマハ、復活へ向けて本腰。MotoGPスペインGP翌日のヘレス公式テストで”ニューマシン”をテストへ
ヤマハ、復活へ向けて本腰。MotoGPスペインGP翌日のヘレス公式テストで”ニューマシン”をテストへ
motorsport.com 日本版
駐車枠の予約に詳細な満空情報! 普段見慣れたSA・PAがもの凄い勢いでいま進化している
駐車枠の予約に詳細な満空情報! 普段見慣れたSA・PAがもの凄い勢いでいま進化している
WEB CARTOP
マツダ「和製スーパーカー」実車公開! 「ロータリー・ミッドシップ」降臨に衝撃! 斬新「RX500」幕張に登場で反響集まる
マツダ「和製スーパーカー」実車公開! 「ロータリー・ミッドシップ」降臨に衝撃! 斬新「RX500」幕張に登場で反響集まる
くるまのニュース
フェラーリF1、マイアミGPでSF-24のカラーリングを変更。2種類のブルーを取り入れたスペシャルバージョンを導入へ
フェラーリF1、マイアミGPでSF-24のカラーリングを変更。2種類のブルーを取り入れたスペシャルバージョンを導入へ
AUTOSPORT web
苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
motorsport.com 日本版
カワサキ、2024年限りでWSBKのファクトリー参戦終了。復活するビモータにエンジン供給
カワサキ、2024年限りでWSBKのファクトリー参戦終了。復活するビモータにエンジン供給
motorsport.com 日本版
「岡山環状道路」2024年度延伸へ! 2本の国道結ぶ「南西区間」開通で岡山港方面も便利に
「岡山環状道路」2024年度延伸へ! 2本の国道結ぶ「南西区間」開通で岡山港方面も便利に
乗りものニュース
セゾン自動車火災保険、10月から「SOMPOダイレクト損害保険」へ
セゾン自動車火災保険、10月から「SOMPOダイレクト損害保険」へ
日刊自動車新聞
トヨタが「新ランドスケープ」発売! 685万円のゴツ×アゲな「クロスオーバー」公開! みんなの声は?
トヨタが「新ランドスケープ」発売! 685万円のゴツ×アゲな「クロスオーバー」公開! みんなの声は?
くるまのニュース
Uターン苦手なバイク初心者も大歓迎! ライディングを基礎から学ぶ「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
Uターン苦手なバイク初心者も大歓迎! ライディングを基礎から学ぶ「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
バイクのニュース
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
VAGUE
「カワサキ プラザ奈良」がグランドオープン!広い店内にゆったりと、新型車を中心に展示!  
「カワサキ プラザ奈良」がグランドオープン!広い店内にゆったりと、新型車を中心に展示!  
モーサイ

みんなのコメント

73件
  • なぜか1960年代からラインナップされていたコロナ5ドアが取り上げられていない。
  • ここでは紹介されていないが、初代ビスタの5ドアもなかなか良かった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.0500.0万円

中古車を検索
カローラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.0500.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村