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飛行機の燃料どこに入ってる? すべて「胴体」じゃ飛べなくなる!? 使う“順番”にも隠された緻密な計算とは

掲載 更新 10
飛行機の燃料どこに入ってる? すべて「胴体」じゃ飛べなくなる!? 使う“順番”にも隠された緻密な計算とは

空洞じゃない! 翼が巨大な「燃料タンク」になる理由

 飛行機を見上げると、細長い主翼が空気の力で機体を支えていますが、実はその内部は空っぽではありません。

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 翼の構造部材である「リブ(小骨)」や「スパー(桁)」で囲まれた隙間をそのまま燃料タンクとして利用する「インテグラル・タンク」という方式が一般的です。

 あえて翼に燃料を入れる最大の理由は、機体全体の「バランス」と「強度」の維持にあります。

 飛行中、翼には機体を持ち上げようとする巨大な「揚力」がかかり、上方向へと強く反り返ろうとします。ここに重い燃料をあらかじめ詰めておくことで、その重みが揚力による荷重の一部を打ち消し、翼の付け根(翼根部)にかかる「曲げモーメント」という負担を抑える働きをするのです。

 もし燃料をすべて胴体に入れてしまったら、翼は揚力に耐えきれず、さらに太く重い構造にする必要が出てきます。燃料の重さを利用して構造負荷を抑えるという設計上の工夫が、機体の軽量化と安全性を両立させているわけです。

 しかし、翼に燃料を詰め込むメリットは、単なる強度の問題だけではありません。飛行中、刻一刻と変化する重さを厳密な許容範囲内で管理するため、燃料を使う「順番」についても緻密な計算とメカニズムが隠されているのです。

順番に原則あり? 重心と「翼のしなり」を操る緻密な設計

 旅客機の場合、燃料タンクは翼だけでなく胴体中央(センタータンク)にも備えられていますが、燃料を消費する順番には原則があります。

 多くの大型旅客機では、翼にかかる曲げモーメントを抑えるために「センタータンクから先に使い、その後で翼タンクの燃料を使う」という方式が採用されています。

 これは、飛行が進んで機体が軽くなっても、胴体中央の燃料を優先的に減らして翼側を重く保つことで、翼根部に生じる負担を抑え続ける狙いがあるためです。

 翼内の燃料の量や分布は、機体の振動特性やフラッター(風の力によって引き起こされる翼の激しい振動現象)への対策にも影響するため、各機種ごとに安全側となるよう燃料搭載・消費パターンが設計されています。

 また、燃料を左右の翼に分散させることは、重心を機体中央付近に保ちやすくし、左右のバランスを取ることにも繋がります。これにより、気流の乱れなどで機体が傾いても、設計された重心範囲内で安定した姿勢を保ちやすくなるのです。

 私たちが乗る旅客機の翼は、単に空気を切り裂くだけの板ではなく、燃料という名の「重り」を緻密に操る高度な制御装置でもあります。

 次に窓側の席から翼を眺めた際は、その薄い構造の中に、数万リットルもの燃料と「空飛ぶ知恵」が詰まっていることを思い出してみてください。

文:乗りものニュース 田中 翔(ライター)
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みんなのコメント

10件
  • 藍流頓瀬奈
    写真のF-15でも翼内タンクがあり、イスラエルで空中衝突から右翼を失いながらも帰還した際は霧状になった燃料のため翼の損傷がわからなかったという。
    「よお相棒、まだ生きてるか?」
  • yuj********
    747を長距離化するとき、苦肉の策として水平尾翼にまで詰め込んだんよな。
    ドロップタンクを下げられず、空中給油もできない民間機のほうが大変やったりする。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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