2022年7月20日、ダイハツ工業(以下、ダイハツ)はマレーシアで生産しているコンパクトMPV「アルザ」をフルモデルチェンジして発売。同日、スズキはインドで新型SUV「グランドビターラ」を発表した。(タイトル写真は、左がアルザ、右がグランドビターラ)
マレーシアの国民車はBセグメントの7人乗りコンパクトMPV
「アルザ(ALZA)」は、マレーシアにおけるBセグメントの国民車で、約13年ぶりにフルモデルチェンジされた。このクルマを手がけるのは、ダイハツのマレーシアにおける自動車生産・販売の現地合弁会社であるプロドゥアだ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
プロドゥアは、1993年にダイハツとの協業により創業した、小型車を中心としたマレーシア第二の国民車メーカーだ。2006年から2021年まで16年連続でマレーシア国内販売シェアトップを獲得している。2021年3月には、ダイハツの海外事業におけるDNGA第1弾となるコンパクトSUV「アティバ(Ativa)」を発売し、今回のアルザが第2弾となる。
アルザは、スタイリッシュなデザインと、コンパクトなボディながら広い室内空間、多様なアレンジが可能な3列シートなどが特長の7人乗りコンパクトMPVで、2009年に初代モデルが発売されて以来、マレーシアではファミリー層を中心に広く人気を集めている。
今回のフルモデルチェンジでは、2021年11月にインドネシアで発売した「セニア(XENIA)」と共通となるDNGA Bセグメント用プラットフォームを採用し、ゆとりある広くて使いやすい室内空間をさらに進化さた。トランスミッションにはD-CVTを搭載し、燃費性能を向上させながら、快適な走行性能を実現した。
さらに、インテリア&エクステリア デザインはマレーシア独自のスポーティなスタイルに仕上げられ、使い勝手の良さも向上させながら、国民車にふさわしいリーズナブルな価格としている。
安全性能については、自動車事故を未然に防止する衝突回避支援システム「スマートアシスト(現地名:アドバンスド セーフティアシスト)」を導入し、ユーザーの安全・安心への要望に応えている。
■ダイハツ アルザ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4425×1730×1660~1670mm
(全高は15インチタイヤが1660mm、16インチタイヤが1670mm)
●エンジン:2NR-VE型・1.5L 自然吸気
●トランスミッション:D-CVT
●駆動方式:FF
●乗車定員:7名
グローバルにおけるSUVのフラッグシップ
スズキのインド子会社であるマルチ・スズキ・インディア社が発表した新型SUV「グランドビターラ」は、トヨタとスズキの業務提携に基づく協業のひとつである、グローバルでの車両のOEM相互供給のもと、スズキが開発し、トヨタ・キルロスカ・モーターで2022年8月より生産開始する。
スズキでは、グローバルにおけるSUVのフラッグシップとしてグランドビターラを開発しており、インド国内での販売をはじめ、アフリカなど海外への輸出も計画されている。
エクステリアでは、ショルダーラインや前後フェンダーを強調することでSUVらしい力強さを表現するとともに、フロントに特徴的な3灯式LEDランプ、左右のランプをつなぐクロームバー、多角形グリルを採用し、上質感を演出している。サイズ的には、日本仕様のエスクード(全長4175×全幅1775×全高1610mm)よりひとまわり大きい。
インテリアは、剛性感のあるインパネや太いコンソールを採用することで、逞しいSUVの印象を持たせながら、インパネやトリムはボルドーとブラックの2トーンカラーにシルバーステッチを施した合皮を採用し、洗練された空間とした。また、全方位モニターやヘッドアップディスプレイなどの先進装備を採用し、インドでマルチ・スズキ社が展開するコネクテッドサービス「スズキコネクト」に対応。さらに、ワイヤレスチャージャーや後部座席のエアコン吹き出し口などの快適装備を採用している。
パワートレーンにはマイルドハイブリッドのほか、ハイブリッドシステム「インテリジェント エレクトリックハイブリッド」をインドで初導入している。4WD仕様車には4つの走行モードをダイヤルで簡単に選択できる「オールグリップ」を、やはりインド向けには初めて採用した。
■スズキ グランドビターラ 主要諸元(インド仕様車)
●全長×全幅×全高:4345×1795×1645mm
●エンジン:1.5L インテリジェント エレクトリック ハイブリッド(ハイブリッド)/1.5L スマートハイブリッド(マイルドハイブリッド)
●トランスミッション:電気式無段変速機(ハイブリッド)/5速MTまたは6速AT(マイルドハイブリッド)
なお、このダイハツ アルザ、スズキ グランドビターラとも、現段階では日本に導入される予定はない。それでも、コンパクトクラスのミニバンやSUVは人気が高い。
どちらも小型車作りに長けているメーカーだし、日本の基準に合わせてリファインすれば車両価格次第では人気を集めそうなのだが、さて・・・?
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