この記事をまとめると
■キャロル・シェルビーが手がけたACコブラなどはアメリカを代表するスポーツカーだ
【世界の名車】なんと1960年代に400馬力オーバー! 怪物「ACコブラ」とは
■1度は会社がなくなるもその後にブランドは復活し現在ではカスタムカーなどを手がける
■最新作「スーパースネーク」はマスタングをベースにしたハイパフォーマンスカーだ
シェルビーはアメリカのスポーツカー史に欠かせない重要なピース
1950年代後半にレーシングドライバーとして活躍し、1959年のル・マン24時間レースでは、「アストンマーティンDBR1」のステアリングを握り、総合優勝を果たすという栄誉に輝いたキャロル・シェルビー。心臓病を患っていたことから、レーシングドライバーとしてのキャリアこそ短かったものの、彼はその後にシェルビー・アメリカン社を設立。「ACコブラ」に始まる一連のコブラシリーズや、「フォードGT」などのレーシングカーの開発と製作で、その名はさらに広く世界へと轟くことになる。
また、フォードとの密接な関係のなかで、1965年にはマスタングのハイパフォーマンス版となる「GT350」や「GT500」が、シェルビー・アメリカンによって生み出されたことも、アメリカ車のファンにはよく知られているところ。だが、キャロル・シェルビーは1969年にGT500の生産を中止すると、1970年にはシェルビー・アメリカン社の活動を停止。同社の歴史はここに終焉を迎えたかに思われた。
そして4年の充電期間を経て、キャロル・シェルビーは自動車の世界へと帰ってきた。まずはホイールの生産を行うシェルビー・ホイール・カンパニー社を設立したあと、1980年代にはフォード時代の盟友であるリー・アイアコッカが移籍した、クライスラーのダッジ部門のプロダクションモデルをベースに再びハイパフォーマンスカーの開発に着手。シェルビー・アメリカン社はここに完全な復活を遂げることになったのだ。
そして2005年、シェルビー・アメリカンとフォードは新型車開発の提携関係を結び、かつてそうであったように、マスタングをベースとするハイパフォーマンスカーが登場したほか、ライトトラックの「Fシリーズ」をベースとするシェルビー製のモデルも発売されるに至った。
さらに現在の同社では、往年のコブラシリーズ、あるいはGT350、GT500を再生産した「ヘリテージシリーズ」も生産されている。創業者のキャロル・シェルビーは2012年5月10日に89歳でこの世を去ってしまったが、その確固たる意思は現在も後継者たちによって確かに受け継がれているのだ。
令和の毒蛇は800馬力オーバーの怪物に
ここで紹介するのは、このシェルビー・アメリカンの最新作となる2026年型の「スーパースネーク」だ。スーパースネークというネーミングは、シェルビー・アメリカンにとってはまさに伝統の称号ともいえるもの。最初にそれが掲げられたのは1967年のGT500スーパースネークでのことで、2007年には当時の第5世代マスタングGT500をベースにしたモデルでその名が復活した。2026年型のスーパースネークは、もちろん最新のS650型マスタングを素材にシェルビー・アメリカンが独自のチューニングを施したもの。
フロントに搭載される「コヨーテ」と呼ばれるフォード製5リッターV8エンジンにはツインスクリューを採用したウィップル製スーパーチャージャーが組み合わされ、最高出力は93オクタンのガソリンを使用した場合でも830馬力以上が保証されている。シェルビー・アメリカンからは、ほかに自然吸気版のスーパースネークもリリースされているが、こちらは最高出力が480馬力。また、先日追加設定されたよりスパルタンな「スーパースネークR」は850馬力以上の最高出力を誇る。
アルミニウム製のスーパースネーク・フード、カーボンファイバー製のワイドボディキットなど、そのエクステリアのフィニッシュは、いかにも究極のパフォーマンスを想像させるものだが、それらはもちろん確かな機能もあわせもつものだ。
ダイナミックな造形のフェンダーに収まる20インチ径ホイールは鍛造マグネシウム製で、これは通常のアルミニウム製と比較して、1本あたり4kgも軽量なもの。
シェルビー・アメリカンによれば、トータルで16.7kgにも及ぶホイールの軽量化は、車重が81.6kg低減されたことに相当するという。サスペンションのナチュラルな動きと追従性は、シェルビー・アメリカンがこのスーパースネークの大きな特長として強調する部分でもある。
シェルビー・アメリカンは、2026年モデルとして300台のスーパースネークを限定生産する計画だ。カスタマーはクーペとコンバーチブルの両ボディを選択することが可能で、注目の価格は17万6835ドル(約2830万円)から。エクステリアやインテリアで特別な仕様を望むカスタマーにはさらなるオプション費用が要求される。
前で触れたスーパースネークRの価格は22万4995ドル(約3600万円)から。
ちなみにスーパースネークとは異なり、こちらはアメリカ国内、そして一部の輸出国のみにデリバリー先は限定されている。
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