角田裕毅、F1ドライバーにとって最も重要なのは“首”。全体重を支えられるほど強靭だけどちょっぴり不満？「鏡を見ると……」

　20名の選ばれしF1ドライバーは最高速度300km/hを超える最先端のマシンを駆り、世界各地のサーキットで競い合う。そのためには才能やスキル、運だけでなく、強靭な肉体も求められる。

　レッドブルの角田裕毅は、中でも首を鍛えることが最も重要だと言う。ただ、以前トレーニングが嫌いだと公言していただけに、今でも少し納得がいかない部分もあるようだ。

　F1マシンは、コーナリングやブレーキング時のパフォーマンスが、他のレーシングカーとは一線を画す。鈴鹿やシルバーストンのS字区間、直角コーナーに向けたハードブレーキング区間では、ドライバーに5Gを超える負荷がのしかかる。ドライバーの体重が70kgだとすると、体重が350kgになってしまうほどGに晒され続けることとなる。一見するとただ「クルマに乗っているだけ」と思われがちなモータースポーツだが、ドライバーの身体にかかる負荷は見た目以上だ。

「300km/hで90度の直角コーナーを曲がることもできます。そのぶん身体に対する負荷、Gが大きくなります。スポーツとして見ていて、『トレーニングが必要』ってイメージが湧きにくいかもしれませんけど、けっこう辛いですね」

　角田はポッドキャストGOLDNRUSH PODCASTに登場した際、そう語った。

「普段生活しているとGを感じることってなかなかないと思います。乗用車で山道を走っている時、なんだか横に振られるなぐらいだと思います。それでも40km/h～50km/hくらいで走っている状態。それが何倍にもなるわけですから」

「レースは1時間から2時間戦います。1周でも多いコースで15～20のコーナーあり、全てのコーナーで強いGを感じています。Gもこのスポーツの一部ですね」

　そして角田は強いGに耐えうる首を手に入れた一方で、太くなった首やトレーニングそのものには不満があるとぼやいた。

「首が一番重要ですね」とトレーニングについて訊かれた角田は答えた。

「首が太くなって（正面から見ると）顔の輪郭と一直線になっていて、鏡を見るとなんか気持ち悪いなとも思いますね（笑）」

「首はトレーニングしても全然気持ちよくないんですよ。上半身のトレーニングとかランニングとか、確かにやっている最中は辛いかもしれませんが、気持ちいいですし、シャワー浴びた後は、その日頑張ろうってなりますよね？」

「でも首だけは肩が凝ったような感じがずっと残って全く気持ちよくありません。そこはアスリートとしてのトレーニングの一部ですね」

　そして角田は首のトレーニング方法について次のように説明した。

「特にスペシャルな器具もなく、（頭につけた）ハーネスをトレーナーが引っ張るだけです」

「ドライバーそれぞれに違うと思うので僕の参考を言うと、ハーネスにウェイトを繋げる場合は55kg～60kgは持ちます。前、横、後ろ、全方位でそれくらいまで持てますね」

「全体重支えられますね」

　他のスポーツでは見られないユニークなことなのではないか？　と尋ねられた角田は次のように答えた。

「アメフトとかですかね。戦車みたいな選手いますよね」

「（F1ドライバーは）そこまでいきませんが、首だけは似ている部分もあるかなと思います」

　日本GP直前に行なわれたGOLDNRUSH PODCAST Ep.105で角田は、トレーニングの他に、レーシングブルズからレッドブルへ昇格した際の心境や、日本食への愛、日本のモータースポーツ界への貢献などについて語っているので要チェックだ。

Comments

[まつたけ]

自分は二輪だったけどレースやってた頃は顔と首が同じ幅でした。困るのが…服のサイズ。。
首回りに合わせると袖や着丈が合わないんですよ。
特にカッターシャツは困ったな。。