Sクラス史上最強のPHEV
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】Sクラス A8, 7シリーズ, LSを比較 全126枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
最新のメルセデス・ベンツが登場した。今回試乗するガソリンエンジンのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)、S 580eの最高出力はシステム総合で510ps。Sクラス史上、最強のPHEVとなっている。
驚くのはハイパワーぶりだけではない。EVとしての航続距離は、WLTP値で103kmを誇る。理想上では、充電なしで50km先の目的地まで、電気モーターだけで往復できるというわけ。
S 580eが搭載するドライブトレインは、S 450やS 500にも搭載される直列6気筒の3.0Lガソリンターボエンジン。電気モーターは9速ATに内蔵されている。駆動方式は、機械的に前後タイヤがつながった四輪駆動だ。
ドライブモードには、バッテリーとエレクトリック、コンフォート、スポーツの4種類を用意。バッテリー・モードは、バッテリーの充電量を保つためにエンジンを稼働させ続けるモードとなる。
インディビジュアル・モードもある。ドライバーの好みに応じて、ステアリングやアクセル、ダンパーのレスポンスなどを調整し、登録できる。
そもそも上質なSクラスが、電気モーターだけで完全な沈黙のまま発進する。この状態で100kmも走れるとは、感心するしかない。この航続距離を支えるのが、28.6kWhの容量を誇るリチウムイオン・バッテリー。搭載位置は荷室のフロア下だ。
ちなみに、BMW 745Le xドライブのバッテリーだけでの航続距離は57km。アウディA8 60 TFSIeクワトロの場合は46kmに留まる。
0-100km/h加速6.5秒でも燃費は125.0km/L
電気モーターの最高出力は150psだから、加速は鋭いわけではない。しかしアクセルペダルを踏んだ瞬間から44.8kg-mのトルクが得られるため、充分に力強い。無音で速度を乗せ始め、そのまま最大140km/hまで、静寂のクルージングに浸っていられる。
さらに驚かされるのが、電気モーターとガソリンエンジンとが協働した時の動的性能の高さ。システム総合の最高出力は510ps、最大トルクは76.3kg-mもあるから、爽快なレスポンスと、安楽な柔軟性を兼ね備えている。
ハイブリッド・モードを選んだまま、160km/h超の速度域まで簡単に到達する。ドイツのアウトバーンなら。
メルセデス・ベンツが主張する燃費は、76.8km/Lから125.0km/L。CO2の排出量は18g/kmから30g/kmと、Sクラスのボディからは信じがたい数字が並ぶ。効果的に機能するコースティング機能と回生ブレーキが、優れた環境性能をバックアップしている。
S 580eは標準で3.7kWのAC充電器に対応するが、オプションで11kWのAC急速充電器と60kWのDC急速充電器にも対応。10%の状態から80%まで、最短30分で充電できるという。
Sクラスとしては気になる動的な磨き込み
素晴らしい最新のメルセデス・ベンツ製PHEVだが、すべてが褒められるわけでもない。9速ATは時折滑らかさに欠ける場面があるし、ブレーキペダルの操作に対する反応の精度も、高いとはいえない。
大容量のバッテリーは軽くない。これまで試乗した最新のSクラスの中で、動的な磨き込みは一番劣るようだ。
それでも、充分に洗練されていることは紛れもない。パワフルでスムーズなメルセデス・ベンツS 580eに、深い感銘を受けずにはいられない。
メルセデス・ベンツSクラス S 580e(欧州仕様)のスペック
価格:9万7000ポンド(1309万円)
全長:5179mm
全幅:1921mm
全高:1503mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:6.5秒
燃費:76.8-125.0km/L
CO2排出量:18-30g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列6気筒2999ccターボチャージャー+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:28.6kWhリチウムイオン
最高出力:510ps(システム総合)
最大トルク:76.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:9速オートマティック
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みんなのコメント
メルセデスなんとかって死ぬまで買えないベンツを揶揄するのかな^^^