SUVの成長は終わりを迎えたのか?
JATO Japan Limitedのレポートによると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続いていることから、2020年11月の欧州の新車販売台数は前年比2桁減となった。当月の販売台数は1,045,129台で、2019年の同月に比べて13%減少している。その結果、2020年11月は、わずか989,500台が販売された2014年以来、最も少ない記録となった。
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11月までの年初来累計台数が、対前年比26%減少したことから、懸念すべき傾向が続いていることが分かる。欧州では1月から11月の間に1,071万台の新車が販売されたが、これは今世紀に入ってから最も少ない台数である。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「世界的な感染拡大と、そのモビリティへの影響は自動車業界にとって非常に痛手であり、実際、過去20年間にヨーロッパを襲ったどの経済危機よりも痛手であった」と述べている。
過去6年間、SUVは欧州自動車市場の成長を一貫してけん引してきた。景気後退後の2011年から2013年の間に市場が回復し始めると、購買力と需要は、ハッチバック、ワゴン、MPVからSUVへと移っていった。
そして、新型コロナウイルスの具体的な影響が定着する前の2019年には、SUVは欧州で合計603万台を販売した。SUVが市場全体の38.3%を占めたことは、業界にとって新記録だった。しかし、2020年は状況が劇的に変化した。自動車会社はもはや急速な成長を経験しておらず、業界全体が2021年に向けてのポジティブな兆しを模索しているのだ。
2020年の大半の間、SUVのマーケットシェアは40%から41%の間で安定していた。しかし、その販売台数は前年比で見た場合11月で13%減、年初来累計台数では21%減少した。それにも関わらず、1月から11月までの年初来累計台数で見た場合、SUVのマーケットシェアは、2019年の38%から今年は40.4%に拡大している。Munozは「市場は、今年SUVのラインナップがより幅広くなったことから大きな恩恵を受けた。しかし、コロナウイルスの影響がまだ完全に残っているため、新型車が投入されると同時に成長したり、かつてのような早いペースで成長することはもはやない」と続けた。
反対に、BセグメントとCセグメントは全体の平均を下回ったが、当月は新型モデルや競争力のある電動化モデルが投入されたことでマーケットシェアを拡大した。
フォルクスワーゲンゴルフが首位を維持
モデル別販売ランキングでは、フォルクスワーゲン ゴルフが欧州で最も人気のある車としての地位を維持した。当月の販売台数は24,800台で、年初来累計台数は255,000台をわずかに下回った。
上位10位に入ったSUVは、プジョー 2008とルノー キャプチャーの2モデルのみであった。10位圏外では、フォード プーマ(Puma)、ボルボ XC40、アウディ A3、ルノー ゾエ(Zoe)、フォルクスワーゲン ID.3、キア ニロ(Kia Niro)、メルセデス GLA、シュコダ カミーク(Skoda Kamiq)、ジープ コンパス、メルセデス GLB、ニッサン ジューク、アウディ Q3スポーツバック、キア Xシード(Kia Xceed)、スズキ イグニス、BMW 2シリーズが、いずれも好調な結果となっている。
構成/ino.
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