SDGs課題に取り組む環境、エネルギー分野の最先端技術の研究開発を行なうGSアライアンスは、EVを開発、製造する企業として株式会社e-Gle Techの設立を発表した。
世界のEV市場と日本製EVの販売について
自動車用バッテリーの販売数量は前年比で8%増、タイヤは6%増と堅調に推移
日本では電気自動車(EV)の普及に賛否両論あるが、国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、世界のEV市場は2030年までに大きく拡大。新車販売に占める割合は40%に達するほか、世界のEV保有台数は2億5000万台に達すると見込まれており、EVの充電インフラも大幅に拡大していくと予想されている。
一方、日本においてはEVの普及率はまだ低い状況だ。これは充電インフラが少ないこと、航続距離が短いこと、価格そのものが高いことなどの課題があるからと言われている。
しかしながら将来的には技術の進歩や政策の後押しにより、EVの価格は低下。充電インフラも整備されることで、EVの普及はさらに加速すると予想されており、日本政府は国内においても2035年までに新車販売を100%電動車とする目標を掲げている。
EVのメーカー企業としては、中国のBYDをはじめとする中国企業や、先駆者であるイーロン・マスク氏が率いる米国のテスラ社などが有名で、世界シェアをほとんどを占めており、残念ながら日本車のEVの販売台数は少ないのが現状だ。
■米国テスラ社のイーロン・マスク氏より先にEVを開発した日本人
このような状況のEV市場だが、実は20年以上前、米国テスラ社のイーロン・マスク氏より先にEVを開発した日本人がいたことを覚えているだろうか。
それが2004年に8輪EVのコンセプト「Eliica(エリーカ)」を開発した、慶應義塾大学の清水浩 名誉教授(工学博士)だ。現在は電動モビリティシステム専門職大学の学長でもある。
慶應義塾大学 清水浩 名誉教授
Eliicaは、ホイール内にモーターを備えるインホイールモーターという世界最高峰の技術を採用したEVで、当時の小泉純一郎首相が試乗したところ、「エネルギー革命、産業構造改革だ」とコメント。元F1レーサーの片山右京氏も「すごい加速が途切れることなく続いていく」と評するほどの性能を持っていた。
実際、0から約160km/h加速でポルシェ 911ターボに優っていたほか、最高速度は370km/hにまで及ぶという、スーパーカー顔負けのスペックまで持ち合わせる性能のEVだった。
■様々な理由から量産には至らなかった「Eliica」
その後、清水浩氏は、慶應義塾大学発のベンチャー企業として、EVの普及を目指す「シムドライブ」を設立。ベネッセコーポレーション、ガリバー・インターナショナル(現IDOM)、ナノオプトニクス・エナジー(現ユニモ)、丸紅などといった大手企業からの出資を受け、世界初のEV量産企業になることを目指す。
しかしながら世界最高峰の技術を持ちながらも、インホイールプラットフォームという技術を採用するには、当時の既存の自動車産業にとって車体形態のすべてを変えることを意味しており、あまりにもハードルが高すぎた。
また日本企業の閉鎖的な思考からの続く協力者の不在や、量産に至るまでの資金不足などが重なり、残念ながら量産には至らず、世界初のEV企業としては、米国のテスラ社にそのポジションを譲ることになった。
■インホイールモーター技術のメリット
インホイールモーターはホイール(車輪)内にモーターを内蔵。ギアを介さずに直接駆動させることで、従来の駆動モーターシステムに比べて効率的であり、省スペース化(バッテリービルトイン式フレーム)や車両設計の自由度向上、燃費、航続距離の向上が可能などのメリットを持つ。
その半面、ばね下重量が重くなり乗り心地が悪くなる、1つのモーターが故障したら危険、振動(衝撃)に弱い、コストが高くなるなどの課題も指摘されていた。
しかし清水浩氏はあきらめず、現在ではそれらの課題も解決してきたという。
またインホイールモーターを開発している企業は他にもあるが、まだ開発途上であり、仮にインホイールモーターを製造できたとしても、それを一気通貫で実際にEVと組み合わせて完成車とする技術を持つ企業は、まだ国内外にも見受けられない。
その点、清水浩氏は、量産まで至らなかったものの、実際にインホイールモーターを使用したEVの試作車をこれまで十数台開発しており、そのうち9台は、公道を走行することができる認証も取得するなど、実用化に向けての技術を有している。
インホイールモーターの技術によるEVを開発、製造する企業として
以上のような経緯をから、今回、脱炭素やカーボンニュートラル分野の最先端技術を開発するGSアライアンスは、清水浩氏のインホイールモーターの技術を用いるEVを開発、製造する企業として株式会社e-Gle Techを設立。同社グループ会社とした。
清水浩氏の最先端のインホイールモーター、バッテリービルトイン式フレーム方式の技術と、GSアライアンスの最先端のバッテリー技術を組み合わせて、航続距離のさらなる向上やEVの低価格化も目指す。
EVの主な技術はバッテリー、モーター、インバーターの3つであり、将来的にはモーターの性能を左右するネオジム磁石やインバーターの研究開発を進める可能性もある。
さらに、GSアライアンスはペロブスカイト太陽電池、白金レス(フリー)の燃料電池、植物由来のセルロースナノファイバーなどの研究開発も進めており、これらの技術を融合する可能性もあり、これらの技術を組み合わせた世界最先端のEVを日本製として作り上げていく予定だ。
GSアライアンスとしては、このEVを作るにあたって、今後、資金調達も計画していると説明している。
関連情報
https://www.gsalliance.co.jp/
構成/清水眞希
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