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話が違うじゃないか! サインツJr.、マイアミGPでのコミュニケーションミスに不満爆発「次に競争力があるマシンを手にした時こそ僕が……」

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話が違うじゃないか! サインツJr.、マイアミGPでのコミュニケーションミスに不満爆発「次に競争力があるマシンを手にした時こそ僕が……」

 F1マイアミGPの決勝レースを、ウイリアムズのカルロス・サインツJr.は、大きな不満を抱えながら走っていた。レース後にもその不満は収まらず、公の場でその想いをぶちまけていた。

 マイアミGPではフェラーリのルイス・ハミルトンが、無線で不満を訴え続けた。そのためあまり目立つことはなかったものの、それ以上に不満を抱いていたのがサインツJr.である。

■ナイジェル・マンセル、伝説のウイリアムズFW14B&FW11をドライブへ

 サインツJr.はレース後、次のように語った。

「僕は無線で、攻撃されることはないと言われていたんだ。一緒に前を目指していこうと言われていた。だから当然だよ」

「オーバーテイクされると、ドライバーとしては愚かで、そして無力な気持ちにある」

「良い人を演じているのに、追い抜かれてしまうんだ。以前ジェッダでもやったようにね。それで抜かれてしまうと、突然愚か者に見えるんだ」

 サインツJr.のこの怒りの原因は、ポジションをキープするようにとの指示が出ていたにもかかわらず、チームメイトのアレクサンダー・アルボンに抜かれてしまったことにある。ただ根源は前日にあった。

 マイアミGP決勝前日に行なわれたF1スプリントは、スタート時には雨に見舞われた。ただその後は路面がどんどん乾いていき、各車がドライタイヤに交換。チームはサインツJr.に新品のミディアムタイヤを履かせてコースに戻したのだった。ただこのタイヤは、サインツJr.が手持ちで残していた、唯一の新品ミディアムタイヤだったのだ。

 しかもサインツJr.はF1スプリント終盤、アストンマーティンのランス・ストロールを追いかけていた際にウォールに接触し、そのタイヤは再利用不可能な状態になってしまった。

悪い流れに乗ってしまったサインツJr.

 予選ではサインツJr.が6番手、アルボンが7番手と、ウイリアムズにとっては今季最高とも言える予選結果を手にした。しかしサインツJr.に残っていたミディアムタイヤは中古の1セット。レース戦略には妥協を強いられた。しかもスタート直後、コース外から戻ってきたマクラーレンのランド・ノリスを避けようとしたことで、サインツJr.はアルボンと接触してしまい、状況は悪化した。

 アルボンのマシンにダメージはなかったものの、サインツJr.のマシンは、左のフロア端に大きなダメージを負い、かなりのダウンフォースを失っていたのだ。

 サインツJr.のエンジニアであるガエタン・ジェゴは、「今朝話し合ったことを思い出してくれ」と語り、1周目の順位をキープするという取り決めが事前に行なわれていたことを示唆した。しかし1周目の混乱により宣言されたVSC(バーチャル・セーフティカー)が解除された後、アルボンが苦労しはじめ、5周目のターン11でサインツJr.がこれをオーバーテイクした。

 その後サインツJr.は、ハードタイヤを履いてスタートし、苦戦していたメルセデスのジョージ・ラッセルにプレッシャーをかけた。ただアルボンが真後ろにいることで、ラッセル攻略の障害になっていると感じたサインツJr.は、ポジションキープの指示を出すようにチームに要求した。

「みんな、前を目指そうよ」

 そうサインツJr.は無線で語った。

「僕らは今妥協を強いられている。リズムに乗ろう」

アルボンがオーバーテイク!

 それと同時にアルボンは、エンジニアのジェームス・アーウィンに対して、サインツJr.にポジションを譲らせるよう、暗に要求した。

「一体どういうつもりなんだ? ただ時間を失っているだけだ」

 14周目、アルボンはターン11でサインツJr.に攻撃を仕掛け、オーバーテイクを完了した。その時アーウィンは、「今水圧の問題を解決しようとしてるところだ。だから今のところは、前のマシンとの差を少なくとも1秒は確保しておかなきゃいけない」と伝えている。一方サインツJr.にはその直前に、「アレックスに指示は出た」と伝えられている。ただ、アルボンはサインツJr.をオーバーテイクしてしまったわけだ。

 そこでサインツJr.は、ジェゴに対して即座に不満を訴えた。

「君は僕に、彼は指示を受けていると言ったじゃないか!」

 その後もサインツJr.の不満は続いたが、エンジニアのジェゴは「もっと大きいモノを目指そうぜ。いいかい?」と応じた。

 その後、サインツJr.とピットウォールの軋轢は、悪化していった。サインツJr.はフェラーリのシャルル・ルクレールの攻撃を凌ぐ際にコースオフしてしまったが、ピットからはその後「0.3秒ペースを落とすように」と指示が飛んだ。サインツJr.は、このペースダウンは必要ないと考えていた。

 またレース終盤にVSCが出た後、フェラーリのルイス・ハミルトンに順位を奪われたことも、苛立ちの原因となった。このことが、レース最終盤にハミルトンと接触したシーンの元凶だったかもしれない。

アルボン「僕は何の指示も受けていないよ」

 結局アルボンが5位だったのに対し、サインツJr.は9位に留まった。

「もっと良い順位でフィニッシュできると期待していたし、願っていた。それは分かっている。でも、力強いレースができた」

 ジェゴはレース後そうサインツJr.に語った。

「学ぶべきことはたくさんある。話し合うべきこともいくつかある」

 ただこのジェゴの問いかけに、サインツJr.はこう返している。

「僕はこういう風にはレースはしないんだ」

「気にしなくていい。僕は全てにおいて自信を失ったよ」

 この無線交信には、チーム代表のジェームス・ボウルズが介入した。

「カルロス、ジェームスだ」

「カルロス、了解した」

「この件については後で話し合う。しかし君の意見には同意するよ。これについてはしっかり取り組む必要がある。とりあえずポイントを獲得できたのは素晴らしい。マシンにダメージがあったのは確かだが、我々はそれを乗り越えるつもりだった。でもできる限りリカバーできたのは素晴らしい」

 レース後にアルボンは、サインツJr.を抜かないようにという指示は受け取っていなかったと明かしている。

「新しいタイヤがあって、マシンにダメージがなければ、スタート位置を考えれば5位争いにも加われたはずだと確信している」

 そうサインツJr.は語った。

「だから今週末はペースを最大限に発揮できず、少し残念だ。さっきも言ったように、オペレーション上でのミスが多すぎた」

「この結果を振り返り、どう改善できるかを検討する。次にこの競争力があるマシンを手にした時には、僕”が”そのペースを最大限に発揮したい」

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