■誰もが使いやすいタクシーを目指すトヨタの姿勢とは
トヨタは、『さまざまなお客様に快適な移動を』との想いで、2017年10月に「JPN TAXI」を発売。次世代のタクシーとして、1年半が経った現在では約1万台が走っています。
なぜ乗車拒否に発展? トヨタ「JPN TAXI」導入開始から1年半 不満に対する改善策とは
急速に普及した反面、問題点も存在。車いす乗降用スロープの設置作業が複雑なため、乗車完了まで約10分から約15分掛かることが問題となり、車いす利用者やタクシー事業者から改善要望が出されていました。
今回、トヨタは2つの改善方法を発表しました。ひとつは、既に街中を走っている既販車で、車いすの乗降性を高める改善を実施。改善パーツをタクシー事業者などに無償で提供。
具体的には、組立作業を簡略化した車いす乗降用スロープなどの改善部品への交換や作業が簡単に分かるラベルを各箇所に貼付けるなど、習熟度によって作業時間に大幅な差が出ないような工夫を施します。
タクシー事業者との協力体制を構築し、乗務員への実車研修などを行い、作業時間を約4分に短縮するなど改善。
また、新規で「JPN TAXI」を購入する場合、一部改良車両を2019年3月に発売予定。車いす乗降用のスロープ構造の見直しや車両側にも改良を実施しています。
作業時間は、約3分に短縮を図ったほか、スライドドアの開閉時間短縮や料金トレイの位置を下げるなどの実用性も改良。さらに、衝突被害軽減をサポートするプリクラッシュセーフティに昼間の歩行者検知を対象の機能も追加するなど、安全性も進化しているのです。
また、このタイミングで改善を行なったことについて、チーフエンジニアの粥川宏氏は次のように説明します。
「『JPN TAXI』は2017年に市場へ出ましたが、それからさまざまなお声を頂き、少しでも早く改善をしなければとなりました。そのなかで、2018年初夏から検討が始まり、最短でこのタイミングで公表する形となったのです。
日本のタクシー業界を衰退させず、進化させるためにも、クルマ自体の悪い部分を改善し、乗務員の教育など全体で努力していくことが重要です」
※ ※ ※
2020年に開催される東京オリンピックを見据えた形で、市場に導入された「JPN TAXI」。トヨタの『さまざまなお客様に快適な移動を』を実現するためにも、より快適となる改善を続けていくとしています。 【了】
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