やたら売れている軽自動車とリッターカー、買うならどっちがいいのか? 軽自動車は諸経費も安くていいけど、しっかり走るのか知りたい! そんな読者の疑問に、身長193cm、体重115kgの総合格闘家、そして歴代GT-Rオーナー、CX-5を乗り継ぐドライバーの顔も併せ持つ小川直也氏がベストカーの並み居る超重量級を引き連れ軽とリッターカーを乗り比べ。真剣勝負で答えを出す!!!
●【画像ギャラリー】ハスラーvsライズ、N-BOXvsトール!!! 小川氏入魂の試乗対決の様子をギャラリーでチェック!!!
【時代に刻む名車の数々!!】スズキ100周年 記憶に残る革命車とその礎
※本稿は2020年2月のものです
文:ベストカー編集部/撮影:池之平昌信
初出:『ベストカー』 2020年3月26日号
■ROUND1 スズキ ハスラーvsトヨタ ライズ
小川はもちろん排気量はでかく気筒数は多ければ多いほどいいと思っているが、気候変動問題を考えれば、さすがの俺もそんなことは言ってられない。
今回は全車3気筒で、大人気となっている軽自動車とリッターカーのなかからSUVとハイトワゴンをピックアップし、「ビッグマンでも不満はないか」をテーマに試乗した。
●ROUND1 スズキ ハスラー HYBRID X(156万2000円)vs トヨタ ライズ Z(206万円)
●ライズスペック……最高出力98ps、最大トルク14.3kgm、車重980kg、室内長1955mm、室内幅1420mm、室内高1250mm、WLTCモード燃費18.6km/L
●ハスラースペック……最高出力49ps、最大トルク5.9kgm、車重820kg、室内長2215mm、室内幅1330mm、室内高1270mm、WLTCモード燃費25.0km/L
ほんとうは八村塁(203cm、104kg)、朝乃山(188cm、171kg)、リーチ・マイケル(190cm、110kg)あたりを呼んで、フル乗車や居住性チェックを行いたかったが、彼らも忙しいだろうからまたの機会にし、講談社ビーシーから元柔道部員を借りることにした。
やってきたのは編集企画部から深田初段(168cm、95kg)と広告部から小林1級(175cm、120kg)の両名。タッパはないが、ヨコはあるところが、柔道部員らしい。
思わず奥襟をとって「打ち込み」をしたい衝動に駆られたが、怯える顔を見て自重した。
ライズはトールやタンク/ルーミーと同じ1Lターボを搭載するがインタークーラーの位置を下にして冷却効果を高めている
カメラマンの池之平氏(170cm、65kg)に乗ってもらって総ウェイトは395kgと目標の400kgに近い。
これで、加速やハンドリングをテストすれば、実力のないクルマは悲鳴を上げる。
まずはハスラーとライズの対決。ハスラーは今回の4台のうち唯一のNAで49馬力しかなく、心配されたが粘り強い加速を見せ、びっくり。約400kgに耐えながら、多少エンジンはうなりを上げるが、不快な感じはしない。
ハスラーのインテリアには遊び心を感じる。また全方位モニターは周囲に子どもがいたり障害物がないか確認できて、こいつは便利だ
一方、ライズは1Lターボを搭載し、最新のD-CVTとの組み合わせでリニアな加速フィールが気持ちよく、軽自動車との違いを見せる。アイポイントもSUVらしく高いから運転がしやすい。
走りはライズリードだが、ハスラーの健闘が印象的。これでターボならどんな走りなのか? 気になった。
続いてインテリアと居住性、ラゲッジチェック。次ページのコラムで紹介しているが、スペースについては寝技をかける想定でチェックした。まずはハスラーのインテリアに目をやる。
ライズは俺のポジションで後席に乗ると膝周りもヘッドクリアランスも狭い。居住性はハスラーがリード
大型の9インチディスプレイナビは見やすく、車両情報とオーディオの3つに分けることができるところが新鮮。これには「技あり!」をあげたい。
シートアレンジもフロントシートがたため、俺が寝ても不満はない。やるな、ハスラー。
ハスラーはフロントシートがたためるから俺でも車中泊ができそう。インパネのグローブボックスがテーブルになるなど小技が効いている
ライズはややコックピットがフツーぽく、シートアレンジも多彩というほどではない。後席はハスラーよりも狭く、走りに余裕がある点を考慮してもハスラーがリードだ。
■小川の判定…ハスラー95点、ライズ90点でハスラーの勝ち!
●小川の掟 其の壱…試乗は100kg超を乗せるべし!!!
軽自動車やリッターカーは非力が当たり前だが、だからこそ重たい「柔道部員」が乗ってどうなるか? 気になるところだ。当然、加速はひとりよりも鈍くなるし、車線変更時や橋の上での風の影響も変わってくる。もちろん乗り心地も変化し、基本性能が露わになる。「柔道部員」を乗せた0~100km/h加速やブレーキングテストをやりたいなあ。
左から小川氏、企画部深田、広告部小林。トールやライズは5人乗りとはいえ、柔道部員3人が乗ると、とても移動はムリ
ハスラーに4人約400kgが乗り発進すると車体はこんなに沈み込む。ただNAながらハスラーは力強い加速を見せた
■ROUND2 ホンダ N-BOX vs ダイハツ トール
2回戦はハイトワゴン対決。やたら売れているN-BOXの人気の秘密はどこにあるのか気になっていたが、スライドドアを開けた瞬間、飛び込んできたスペースに、思わずうなった。
●ROUND2 ホンダ N-BOX カスタム G EXターボ ホンダセンシング(202万9500円)vs ダイハツ トール カスタムGターボ“SAIII”(202万円)
●N-BOXスペック……最高出力64ps、最大トルク10.6kgm、車重960kg、室内長2240mm、室内幅1350mm、室内高1400mm、WLTCモード燃費20.2km/L
●トールスペック……最高出力98ps、最大トルク14.3kgm、車重1100kg、室内長2180mm、室内幅1480mm、室内高1355mm、JC08モード燃費21.8km/L
大男に類別される俺のドライビングポジションで、リアシートに座ったが、まったく窮屈さは感じない。
フロアが低く、後席はリクライニングもするから、腰ひねりや足けり、脇締めといった柔道の基本練習ができるくらいだ。
シートは肉厚で重役のイスといった印象でウォークスルーもできるからシートアレンジは完璧だ。このシートに「有効!」。
(N-BOX)ラグジュアリーモデルのような肉厚のシートが素晴らしい。枕さえあれば、すぐにでも昼寝できそう
N-BOXはウォークスルーができる。狭い駐車場ではありがたい。フロアも低く、さすがベストセラーだ
ただし、これはトールもそうだが、ハイトワゴンはAピラーのすぐ後にBピラーがあって、大男だと視界が遮られる点が気になる。
トールのシートアレンジはオーソドックスで昔ながらのフルフラットが懐かしい。
(トール)フルフラットはフロントとリアシートがつながるタイプで懐かしい。意外に寝やすい点は評価したい
グランビアやタウンエースノアが人気だった時代を思い起こさせるが、これはこれで安心感があって悪くはない。
リアにモニターがレイアウトされ、本格ミニバン感覚が味わえる。ただし、フロアの低さが効いて使えるスペースはN-BOXの勝ちだ。
(トール)シートはダイブダウンで大きな荷室が生まれるが、高さがあってN-BOXのようなスマートさはない
走りに目を向けるとN-BOXはフラットなところではパワフルだが、さすがに400kgを乗せての坂道では加速が鈍る。
それでも6000回転まで回るターボは気持ちよく、ホンダのこだわりが垣間見える。
(N-BOX)低速トルクがあって乗りやすいが、坂道などではターボらしい力強さが欲しい場面もあった
また、ダッシュボードに奥行きがあり、ボンネットも見え安心感があった。
トールはライズと同じ1Lターボだが、車重が120kg重いことが影響してか、ライズほどキビキビ走ることはできない。
(トール)ライズよりひと世代前となるせいか、ノイズや剛性感はやや落ちるものの、最小回転半径4.6mと取り回しがいい
ロードノイズも室内に入ってくるが、移動時のリアシートの居住性という点では横幅があって、N-BOX以上。夫婦と両親、そして子ども1人のユーザーは多いだろうから売れているのもわかる。
総合判定ではN-BOX優勢勝ちとしたい。
■小川の判定…N-BOX92点、トール88点でN-BOXの勝ち!
●小川の掟 其の弐…室内は寝技でチェック!!!!
リッターカーはその室内の広さが重要。最も広いシートアレンジにして、袈裟固めができるか否か、その体勢は充分かをチェック。寝返りを打ちながら、手足を伸ばしながら、そのスペースをチェックするのがオレ流。当然、凸凹ができるクルマは、“寝技”に向かず減点対象だ。
袈裟固めはオレも得意だった寝技。広さに加えて動きやすいかどうかもポイントになる
■小川の総評(まとめ)
軽自動車の2勝となったが、このクラスのレベルは相当高い。特に安心感は黒帯レベルだ!!!
妥協なき試乗で見事にシロクロ付けてくれた小川氏。最後は往年の道着姿で喝!!!!
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