いまや乗用車の主流であり、激戦区であるSUV市場にまったく新しいモデルZR-Vがホンダから登場した。CR-Vとヴェゼルの中間に位置するCセグメントSUVは高い評価を得ているシビックと技術的な部分を共用するところが多いのも特徴である。(Motor Magazine 2022年11月号より)
瞬時に加速態勢に入り、レスポンスが実に気持ちいい
最近のホンダデザインはゴテゴテとした要素を削ぎ落としたシンプル&クリーンを基本に、本質的なフォルムで見る者を魅了する。ZR-Vもまさにそのとおりで、シンプル&クリーンだからこそ塊感のあるフォルムが際立っている。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
そのうえで切れ長のシャープなヘッドライトと洗練されたバーチカルフロントグリルによるフロントフェイスが異彩を放つ。リアスタイルは、大地にぐっと踏ん張る台形スタンスで力強い。
インテリアではパンチングメタルのエアコンアウトレットがユニーク。横基調なので広々と感じさせる効果もある。ダッシュ上部はパール調ソフトパッドとなっていて艶やかで上質な印象だ。
まだ発売前のため、今回は群馬サイクリングスポーツセンターで試乗。道幅は狭く、大小さまざまなコーナーがあり、路面変化にも富んでいるややトリッキーなコースなので慎重に走らせる必要がある。
SUVを試すのに、なぜこのコースを選んだのか? と疑問に思っていたが、乗り込んでいくうちに開発陣の意図と自信が見えてきた。SUVだからある程度のオフロード走破性は確保されているが、それ以上の特徴としてZR-Vはオンロードで一体感が高く、トリッキーなコースでもドライバーに安心感を与えてくれるのだ。慎重に走り始めたものの、気付けば結構なハイペースになっていた。
パワートレーンは、1.5Lターボ+CVTとe:HEVの2種類。前者は他のホンダ車にも搭載されているお馴染みのユニットだが、ZR-Vで乗るとひと際レスポンスが良く、低・中回転の太いトルクを思いどおりに引き出すことができた。
CVTはゆったりとしたペースで走らせているときは適度にハイギアードで快適だが、アクセルペダルを踏み込み、コーナリングやブレーキングのGが高まってくるとローギアードになってリズミカルに走れる。全開ではステップシフトとなってリニアなフィーリングだ。
豊かなトルクと鋭いレスポンス。踏み込めば「本領発揮」
e:HEVもホンダのメインとなるフルハイブリッドだが、もっともポテンシャルの高い2L直噴エンジンと組み合わされる。モーター駆動用の電力を生み出すエンジンが強力なので、それだけパフォーマンスが高い。最大トルク315Nmのモーターは3Lエンジン並の力感で、ZR-Vのボディに対して大きな余裕がある。
トルキーで力強いのはもちろん、モーター駆動なのでアクセルペダルを少し踏み増しただけで瞬時に加速体制に移りレスポンスが気持ちいい。ハーフアクセル程度になるとリニアシフトコントロールが作動して、DCTやATTのようにステップシフトとなる。大人しく走らせれば静かなエンジンだが、
右足を踏み込むと存在感が増してくる二面性がe:HEVの持ち味でもある。
リニアシフトコントロールはアクセルペダルの踏み具合からドライバーの望みの加速を感知し、エンジンの最低回転数と最高回転数を瞬時に決めて疑似的なギア比を決定。常に最適なクロス気味のレシオになるので、リニアに感じられ、官能的な加速フィーリングを生み出す。エンジンサウンドが澄んでいてスポーティなのはホンダならではだ。
トリッキーなコースでペースを上げていくとしなやかな動きが印象的で、まるで路面に吸い付いていくかのような安心感があった。サスペンションは硬さがまるでなく、深いストローク感があって荒れた路面でもタイヤをしっかりと食いつかせる。
それでもロールが適度に抑えられているのはスタビライザーが効いているからだ。安定性が高いだけではなく、乗り心地が想像以上に快適なのはこういった賢い仕立てだからだ。
リアに駆動力を配分でき、四輪を使い切る性能が向上
新世代ホンダアーキテクチャーによるプラットフォームはリアサスペンションの能力が抜群に高くて優れた操縦安定性を確保。そのうえで気持ち良く曲がっていくよう躾けられている。ZR-Vは、コーナーに向けてハンドルを切り込んでいくとフロントサスペンションが適度に沈み込んでわかりやすい挙動となっているので一体感がある。ただ運動性能が高いだけではなく、ドライバーに伝える能力が高い。つまり人間中心だ。
FFのハンドリングは秀逸だったが、さらに高度だったのはe:HEVのリアルタイムAWDだ。タイトコーナー立ち上がりなどで踏み込んでいくと、AWDはリアタイヤに加速の力を振り分けていけるのでフロントタイヤの曲がる力に余裕がある。踏み込めばグイグイと旋回力が高まっていくのが気持ちいい。ZR-Vではこれまで以上にリアに駆動力を配分できるようになっていて、四輪を使い切る性能が向上している。
とにかく一体感が高く、トリッキーなコースでも存分に走りを楽しめた。セダンやクーペ以上に安心感があったと言えるのだが、適度なアイポイントの高さと見切りの良さで、路面がはっきりと見えているというのも大きい。道の端に苔が生えていて滑りそうだから、あそこは踏まないようにしようなど細かく配慮できるのだ。これは狭い路地裏や混雑した街中などでの安心感に繋がるだろう。
その他、ユーティリティや先進装備も見所だ。フィットやミニバンで養った豊富なシートアレンジによって荷室の使い勝手が良く、ハンズフリーアクセスパワーテールゲートなども相まってシームレスに使える。新世代コネクテッド技術のホンダコネクト、安全運転支援システムのホンダセンシングなど先進装備はもちろん最新世代。
これ1台あれば、快適かつスポーティな走りと満足度の高いカーライフが送れることだろう。(文:石井昌道/写真:井上雅行)
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みんなのコメント
ホンダらしい車だね