この記事をまとめると
■2023年の上半期にもっとも売れたクルマのランキングが発表された
【試乗】見た目の「超コンサバ」は自信の表れ! 新型N-BOXの「中身の進化」が超絶だった
■軽自動車を除くとランキング上位のほとんどがトヨタ車となっている
■トヨタは納期遅延が目立つが、「納期より欲しいクルマを選ぶ」ユーザーが多い
2023年の上半期でもっとも売れたクルマはやはり……
2023年9月単月締めでの登録車、軽自動車それぞれの車名(通称名)別販売ランキングが発表になるということは、2023事業年度締め上半期(2023年4月~9月)締めでの車名(通称名)別販売ランキングも発表されることになる。
自販連(日本自動車販売協会連合会/登録車)、全軽自協(全国軽自動車協会連合会/軽自動車)がそれぞれ発表した統計を合算(含軽統計)すると、2023事業年度締め上半期でもっとも売れた新車はホンダN-BOXで10万409台となった。
ホンダは10月5日にこれに関するニュースリリースを発信、そしてこのリリースにも記されていたが、翌6日に新型を発売している。新型についてはデビュー直前に販売現場では、「現行(いまは先代)型と比べて物価高騰なども配慮して価格がかなり上がるのでは」との不安の声も聞かれたが、いざ新型の価格をみると、すでに先代モデルで車両価格の値上げを行っていることもあるのか、たしかに先代比で価格はアップしているが、ビックリするほどのレベルとも言えない状況となっているように見える。
この価格設定を見る限りは、先代モデルほど値引き販売(もっとも値引き販売が活発な頃では、カスタム系で25万円引き以上も珍しくなかった)ができなくなることは間違いないだろう。先代モデルは7月あたりから、しばらく自粛していた値引き額の拡大を行っていた様子。7月はとくにバーゲンプライスとなっていたようで、20万円引きも珍しくなかったとも聞いている。新型ではこのような値引き拡大はまず期待できないものと考えられる。ディーラーへ行き、先代モデルの在庫があれば、それが現状では”究極”のおすすめN-BOXになるかもしれない。
スズキは10月末から東京ビッグサイトで開催される、ジャパンモビリティショーにて、スペーシア(同カスタム)コンセプトを出品することを発表している。これは次期スペーシアとなるのはほぼ間違いないし、すでに市販モデル発表へ動き出しているとも聞いている。ほぼ同時にN-BOXとスペーシアが新型になり、ダイハツ・タントは従来モデルのままとなる。軽自動車車名(通称名)別販売ランキングで激しく争うこの3車の販売競争の行方にも今後注目していきたいところである。
ちなみに新型プリウスやアルファード&ヴェルファイアでは原則値引きゼロとなっている。どのメーカーでもモデルチェンジなど大幅改良のタイミングに、値引きなしもしくは値引き額が大幅に抑えられていくことになるだろう。
軽自動車を除くとトヨタ車の圧勝に
1位のN-BOXと2位のトヨタ・ヤリスとの差はわずか約6000台、月平均では約1000台なのでまさにデッドヒートのなかでN-BOXはトップになったといえよう。だが、軽を含むランキングでN-BOXの次に出てくるホンダ車は17位のフリードまでない。これは、宿敵シエンタに約3万台も差をつけられていることになる。トヨタが多くの人気車について長めの納期遅延となっているなか、それでもランキングをみるとバランスよく販売しているのに対し、ホンダはN-BOXに全資源が集中されているかの如く、販売が偏っている。
それだけ優秀でコスパ(コストパフォーマンス)に優れたモデルという裏付けでもあり、フリードはおろかステップワゴンあたりの購入を検討している人すら、N-BOXを選んでしまうということもあるのだろう。また、販売現場で売り分けることができないのは、ホンダディーラーの“伝統”といってもいいので、それも影響しているようだ。
トヨタ・プリウスはすでに2リッターのHEV(ハイブリッド車)では、納車予定時期が2025年に入っている様子。“今度新規受注停止が入れば停止明けには、納車予定は2026年になりそうだ”といった情報もあるぐらい、長期の納車待ちを覚悟しながらいまも積極的に注文が入り続けている。そのなかで含軽統計にて7位となっているので、まさにフル生産でバックオーダーの消化を続けていたといっていいだろう。
日産ではノートが含軽統計で10位、セレナが12位と健闘している。というか、納期短めで人気モデルというとこの2台しかないので、図式としてはホンダと似ているともいえる。とくにセレナはトヨタ・ノア、同ヴォクシーそれぞれ単独の販売台数比ではかなり健闘しているのだが、トヨタのライバル車としてノアとヴォクシーを合算すると、ノア&ヴォクシーに対してダブルスコア以上の差をつけられている。
ノア&ヴォクシーはハイブリッドモデルの場合、オプション次第では納車予定時期がすでに2025年に入っている。ノア&ヴォクシーに比べれば納期短めを武器にセレナは健闘しているのだが、それでも納期遅延が長期化しているノア&ヴォクシーを検討している客を奪い切れていない。「待ってでもノア&ヴォクシー」という選択をする人が多いようだ。ちなみにノア&ヴォクシーはピンポイントで納期が早まるケースも目立つようである。
ここ最近の特徴としては単月締め統計では、新規受注車というよりは、バックオーダーをどれぐらい消化できたかが販売ランキングを左右している。ただ、半期や年間締めでは、いまだと3カ月以内に納車可能といった車種も増えてきている。しかし、統計が出ると人気車が多く納期遅延車の目立つトヨタ車がランキング上位にかなり入ってくることが多い。
消費者マインドからいけば、より早く納車になったほうが良いに決まっている。しかし、必要に迫られて、「納車が早いから」というのを最優先して車種選びをする人はいるだろうが、全体で見れば、「納期で車種選択を考え直す人が少ないということを、販売統計が物語っている」とも言いたいところだが、トップのN-BOXは納期がそれほど乱れていない。
軽自動車はスペーシアやタントもN-BOX並みの納期(新型になるまでは目立って納期遅延となっていなかった)となっているので、もはや納期が車種選択を大きく左右することがなくなっており、登録車は「待ってもトヨタ車を選ぶ」という人が多いといえるのかもしれない。
2023事業年度締め上半期新車販売ランキング
ホンダN-BOX:10万409台
トヨタ・ヤリス:9万4443台
ダイハツ・タント:7万3493台
トヨタ・カローラ:6万7724台
トヨタ・シエンタ:6万3949台
スズキ・スペーシア:5万7224台
トヨタ・プリウス:5万4005台
ダイハツ・ムーヴ:5万1518台
トヨタ・ノア:4万9587台
日産 ノート:4万6144台
トヨタ・ヴォクシー:4万5020台
日産 セレナ:4万3252台
トヨタ・ルーミー:4万679台
スズキ・ハスラー:4万542台
トヨタ・アクア:3万7338台
トヨタ・ハリアー:3万5398台
ホンダ・フリード:3万4914台
スズキ・アルト:3万3916台
スズキ・ワゴンR:3万3842台
トヨタ・ライズ:3万1393台
ダイハツ・ミラ:3万49台
トヨタ・ランドクルーザー:2万7787台
日産 ルークス:2万5583台
ホンダ・フィット:2万5156台
ホンダ・ヴェゼル:2万2724台
ダイハツ・タフト:2万2707台
スズキ・ソリオ:2万1394台
日産 デイズ:2万810台
ホンダ・ステップワゴン:2万548台
スズキ・ジムニー:2万193台
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良い悪い関係なく、とりあえずみんな乗ってればそれでいいって考え方をする人間が多過ぎる。