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MIVECの採用でさらにフレキシブルに!エボIX&エボIX MR【ランサーエボリューションChronicleダイジェスト(14)】

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MIVECの採用でさらにフレキシブルに!エボIX&エボIX MR【ランサーエボリューションChronicleダイジェスト(14)】

モーターマガジンムック「ランサーエボリューションChronicle」が現在モーターマガジン社より発売中だ。ハイパワー4WD車の代表として多くのファンから支持されてきたランサーエボリューション。その変遷を詳細に解説した内容が好評を博している。ここでは、同誌からの抜粋をお届けする。今回は4G63型エンジンのシリンダーヘッドにMIVECを搭載したエボリューションIXと、同ユニット搭載最後のランエボとなり、細部をリファンしたエボIX MRついて解説しよう。

MIVECを採用したエボリューションIX
2005年3月に登場したランサーエボリューションIXの最大のポイントは、シリンダーヘッドにMIVECを搭載したことだ。MIVECは連続可変バルブタイミング機構で、回転域により吸気側のバルブタイミングをコントロールするシステム。三菱自動車ではCA4Aミラージュサイボーグから採用していたもので、エンジンが高回転になると吸気カムの閉じが遅く切り替わり、より多くの混合気を吸気できる。このため吸気効率が上がりパワーアップするというシステム。これにより実用域の扱いやすさと燃費も向上し、フレキシブルなエンジン特性となった。

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グレード展開は、ACD+スーパーAYC+スポーツABSによる電子制御4WDシステムと6速MTを採用した最上級グレードのGSRが主力。もちろん専用の軽量ボディに、新開発のチタンアルミ+マグネシウム合金ターボチャージャー、5速MTとACD+リア機械式LSDを採用したモータースポーツベースグレードのRSも設定されていたが、今回のモデルチェンジでは新グレードの設定も行った。GSRと同様に遮音性能を向上させた快適なボディ仕様にRSと同様のターボチャージャーと駆動系システムを採用したGTをラインアップしたのだ。

具体的にパワーユニットから見ていこう。4G63型+インタークーラーターボユニットは、吸気側カムシャフトに連続可変バルブタイミング機構(MIVEC)を採用したことで、高回転域における高い性能を確保しながら、燃費を向上させたのは先述のとおり。また、ターボチャージャーのコンプレッサーハウジングのディフューザー形状を改善して、低中速回転域のトルク向上(GSRで最大トルク40.8kgm/3000rpm)を図り、全域で平均約5%レスポンスも向上させた。ターボチャージャーのコンプレッサーホイールの材質をアルミニウム合金からマグネシウム合金に変更したこともレスポンス向上に貢献している。トランスミッションは、GSRの6速MTは変更がないが、GT/RSの5速MTは、従来のクロスレシオミッションをベースとして、5速の変速比を変更し高速クルージング性能を考慮した設定としている。

駆動系では、エボリューションVIIIから採用されたセンターデフがACD、リアデフはスーパーAYCを引き続き採用している。ただモータースポーツユースのRSの場合は、多板式LSDを入れるのが主流だった。シャシ関係では、GSRとGTでは、リアのスプリングを変更して車高をわずかに下げることで、リアのスタビリティを向上させるとともに、GSRでは、このことによってスーパーAYCの効果をより有効に引き出し、操舵応答性も向上させた。エクステリアも変更された。一番目立つのは、グリル一体型フロントバンパーが、スリーダイヤの台座を廃したシンプルなデザインに一新されたことだ。開口部を大きく設けて十分な冷却性能を確保し、不要な箇所は塞ぐことで空力特性に配慮した。

ヘッドランプ及びリアコンビランプのエクステンション部にダーククリア処理を施し、プレミアム感を向上させたのもポイント。またフロントまわりにエアダムエクステンションとガーニーフラップがディーラーオプションとして設定された。リアバンパーは、下部をディフューザー形状とした新デザインを採用して、コーナー部の処理など空力特性を考慮しながら、軽快かつスポーティで特徴的な形状としている。空力的に重要なリアスポイラー垂直翼はボディ同色の樹脂製としながら、カーボン製の水平翼を中空化することで重心高の低下を図った。

インテリアを見てみると、GSRとGTでは、インストルメントパネルにカラークリアコーティングを施したカーボン調オーナメントを採用した。また、アクセル、ブレーキ、クラッチの各ペダルにアルミペダルを採用して、スポーツドライビング時の操作性を考慮しながらレーシーな雰囲気を演出している。シートにはGSRでは、座面には滑りにくく長時間の運転でも快適なアルカンターラを配し、前面サイドには滑りがよく乗降性に優れるだけでなく上質なアクセントともなる本革を配したレカロ社製バケットシートを採用。シフトレバーパネルにも、カーボン製のロゴプレートをあしらっている。

さらに一般走行での快適性確保のため、GSRとGTでは、高密度ダッシュサイレンサーや2重ウエザーストリップを採用して、車内の騒音レベルを低減している。ホイールに関しては、エンケイ社製5本ツインスポークデザインの軽量アルミホイール(17x8JJ)を新たに採用した。これは従来と比較して1本あたり0.15kgの軽量化を実現した。ブレーキシステムはブレンボ社製ベンチレーテッドディスクブレーキを継承している。

MIVECの最適化などで細部を磨き上げたエボIX MR
2006年8月、4G63型エンジンを搭載した最後のランサーエボリューションが、エボリューションIX MRだ。エボリューションIXが市販車として完成域に達したクルマだったため小変更にとどまった。目立った変更点では、MIVECの最適化と、ターボのタービンホイール材質をインコネルからチタンアルミ合金に変更したことが挙げられる。コンプレッサーホイール入口径を縮小したことと合わせ、レスポンスを向上させた。最高出力は従来モデルと同様に280ps/6500rpmで、最大トルクは6速MT搭載のGSRでは40.8kgm/3000rpmを発生した。

駆動系を見ていくと、GSRはセンターデフにACD、リアデフにスーパーAYCを採用した4WDで変わりはない。すでに熟成も進み、一般走行では最高レベルの4WD車になった。RSに関しては、センターデフはACDであったが、競技使用時のフロントデフ、リアデフに関しては多板式LSDに交換することが多かった。これは最後まで変わらないメソッドである。

シャシは、ストラット/マルチリンクのサスペンションを引き続き採用している。変更点は、しなやかな特性を持つアイバッハ社製コイルスプリングを、従来品よりも高めのスプリングレートで採用したことだ。これをビルシュタイン社製ショックアブソーバーと組み合わせて減衰力を最適化するなどで、穏やかな挙動と優れた接地性を追求した。

サスペンションセッティングの変更に合わせて、後輪駆動力配分システムであるスーパーAYCの制御をよりスポーティな方向にチューニングした。具体的には左右後輪の駆動力制御量を約10%増大させることでオンロードでの旋回性能を向上させている。また、リアタイヤがインリフトする場合や左右で路面状況が異なる場合などでのトラクション性能も向上させている。ボディでは、フロントバンパー左右下部のエアダム形状を若干下方に延長することで、車体下面へ流入する気流を減少させ、空気抵抗の低減とフロントリフト低減を実現した。

また、その左右エアダム両側面に設けた凹形状によって、車体側面の気流を意図的に剥離させることで、ホイールハウス内にこもる空気を効果的に排除している。GSRに標準装備されるエンケイ社製17インチ軽量アルミホイールは同サイズながら従来品よりも明るいシルバー色に変更され、GSR/RSともメーカーオプション設定のBBS社製17インチ鍛造軽量アルミホイールは、新たに金属の素材感のあるダイヤモンドブラッククリア塗装としてプレミアム感を高めた。

インテリアでは、インストルメントパネルオーナメントとセンターパネルをピアノブラック塗装としてプレミアム感を演出。アルカンターラと本革を組み合わせたレカロ社製フロントフルバケットシートには、アクセントカラーとしてレッドステッチを追加している。国内モータースポーツでは、トップクラスのドライバーは躊躇なくエボリューションIX MRを投入した。その効果もあり、ラリー、ダートトライアル、ジムカーナとカテゴリーを問わない活躍を見せた。

ランサーGSRエボリューションIX主要諸元
●全長×全幅×全高:4490✕1770×1450mm
●ホイールベース:2625mm
●車両重量:1410kg
●エンジン:直4DOHC16バルブ+インタークーラーターボ
●排気量:1997cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:40.8kgm/3000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:フルタイム4WD
●10.15モード燃費:10.0km/L
●車両価格(当時):357万円

ランサーGSRエボリューションIXMR主要諸元
●全長×全幅×全高:4490✕1770×1450mm
●ホイールベース:2625mm
●車両重量:1420kg
●エンジン:直4DOHC16バルブ+インタークーラーターボ
●排気量:1997cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:40.8kgm/3500rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:フルタイム4WD
●10.15モード燃費:10.0km/L
●車両価格(当時):362.25万円

[ アルバム : ランサーエボリューションChronicleダイジェスト(14) はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン 飯嶋洋治(FAN BOOK編集部)
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みんなのコメント

2件
  • acurakozou
    若い頃水島や京都の工場で働いてて、エボも造ってました。エボⅥは製造された後のシャシダイナモでは、とんでもない馬力が…今は時効ですがいい時代でした!リコールやら色々あったけど、こんだけ贅沢な装備を持った車を、安く売ってた三菱は凄いと思う。これからも頑張って、三菱らしい車を、造ってください!
  • lan********
    これ乗ってたな
    自分助手席でドリキンに同乗走行してもらったけど、車ってこんな速度で曲がれんのかって思ったわ
    人生初サーキットがドリキンの同乗走行で恐怖の方が買ってとてももったいない事をした
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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